FRAGILEという手紙について2
05.風と船
力強いEYEのアウトロからガラッと変わって、アコギの優しくて切ないイントロが印象的な風と船。
まず先に特に好きなフレーズから。
"ゆるやかに降る"の落ちる感じとギターソロとドラムのロール。
あとやっぱアコギっていいよな。
綿毛みたいな曲やなぁ。なんて思っていたら
ねぇ もう隠そうとしないでよ
って声が聴こえきて、見透かされてしまったような気がしてハッとした。
ひとりで飛ぶのも 萎むのも
いつだって僕は抱きしめたい
そうしてまた膨らむ船
次は一緒に空に浮かべよう
めちゃくちゃ安心して泣いてしまった。
そこから歌詞をなぞるように聴いた。
今改めて歌詞を読めば、大くんが自身に対して救いの手を差し出していると分かるのに、自分の気持ちと重なり過ぎて私に手を差し伸べてくれているんだと本気で思った。
もう隠そうとしないでよ
弱音ぐらい話せよ同じ僕でしょ
嗚咽がでるほど泣いた。
きっと他の人が歌っていたら、テレンじゃなかったらきっとこうはならなかったと思う。
同じ歌詞で同じ曲だとしても。
立場は違えど同じ目線で寄り添ってきてくれたテレンだからこそ、この4人だからこそ、そう思えた。
このバンドに出会えて本当によかったと心から思う。
そして、真ちゃんを軸にこの歌のアレンジをして世に出してくれた3人に心の底から感謝を伝えたい。
06.チョコレート
トレイラーで聴く前はマーブルチョコみたいなカラフルな昼間のイメージだった。
けど実際は仕事終わりに食べるミルクチョコ。
嘘ついてるわけじゃない、だけれど素直にもなれない。そんな気持ちをだんだんと解されていくような甘い甘い歌。
スイートチョコじゃない、ミルクチョコ。
冬の寒い日の毛布みたいにゆっくりゆっくり沈んでいく。
ずっと暖かいだけじゃ気付けない暖かさ。
美しいメロディとアコギとピアノの生々しさ、くすぐったくなるような甘い声。
この歌を自分の声として歌える男性はそうそういないと思う。
07.ベランダ
マンションに住んでいる自分にも思い入れがあるベランダでどんな景色をみせてくれるんだろう?と凄く楽しみにしていた歌。
大くんがツイキャスで「ベランダは月のこどもたちと似ているかもしれない」と言っていたので、毎晩月のこどもたちを流しながら寝ていた私はさらに想像を膨らませながら待っていた。
子守唄にピッタリなリズムで、ラスサビ前はティンカーベルの魔法の粉をかけられたみたいに空を泳いでキラキラした景色をみせてくれるのに、切なくなってしまう歌詞。
部屋の中でも外でもない場所
半端な僕にはよく似合う
優しすぎるが故に半端だと思ってしまうのだろうか。
君を見つめるのが怖くて
あるいは見つめられるのが怖くて
傷つけ合うばかりでも
その傷さえ飲み干してみせるのに
ただ手を繋いで 言葉もなく笑って
ごめんね 傍に来て 傍に居て
この雨を見下ろす星になれたら
なんでごめんねって言うの?
この"星"は宇宙船六畳間号の"星"と同じですか?
"傍に居て"の心の叫びのような声に手を伸ばさずにはいられない。
少しでも笑わせられるなら、この歌の主人公の傍に居たいと願ってしまう。
怖くても我が儘だとしても、傍に居たい気持ちは伝えなくちゃなと思った。
08.いつものこと
当時の自分の感想を振り返りにTwitterを遡ってきた。
…めちゃくちゃ分かる。笑
いつものこと、めちゃくちゃ大くんなんだよな。
愛おしい歌。
こう言うと告白みたいになってしまうけど…いいや。
個人的に
胸が痛い煙草のせいかな
っていうフレーズはものすごく共感してるつもりになってる。
考え事すると煙草の本数も増えるし、煙草のせいにしたい時もあるし、わかる。
FRAGILEに入っているいつものことはベースが前に出てきてて"そんな僕の日常"のキーボードの音も大きくなってる気がして、縁取りが濃くなった。
歌のシルエットがハッキリしてこちらはこちらでとても美しい。
次の記事でラストです。