
029 TTWP ③水球も水中運動:水抵抗の減らし方
前回までの記事で
強い抵抗を作り、水を押す
ことを強調してきました
が、もう一つ向き合わなければならない重要なことがあります。それは、、、
進む方向に対しては、水抵抗を減らすこと
水の運動には常にこの問題がつきまといます。たとえパワフルに水を押して大きな推進力を得たとしても、ブレーキがかかる姿勢や体勢をとっていると
「あれ?思ったより進まないゾ?」
となり、頑張っているのに報われない不幸に見舞われます。
何が抵抗を増やし、ブレーキをかけてしまうのか
ズバリ、体のパーツすべてです
両腕・頭・胴体・脚、すべてが抵抗を増やす可能性を持っています。
どんなケースで抵抗が生まれ、ブレーキをかけてしまうのか?
主に2つのケースが考えられます
①水を押している時、押す動きに関係のない
パーツの姿勢や形で抵抗が生まれ、ブレー
キがかかる
②手や足で押したあと、元のポジションに戻
す動きの形で抵抗が生まれ、ブレーキがか
かる
①の例として、クロールを挙げると
例)手や脚が浮いていないケース
見ての通り矢印の分だけ面ができて抵抗が増えています。この体勢ではいくらパワフルに水を押しても進まないですね。
改善策)進む方向へ大きな面を作らない姿勢をとる
進む方向に向かって、手や腕、頭、体、足の面を極力小さくできていますね。手回しで得た推進力が無駄にならなそうなフォームです。
では次に、②の例
例)クロールのリカバリ
手や腕で水を押したあと、棒のようにまっすぐな腕で元のポジションに戻すと、大きな面で水を前に押さえてしまい、ブレーキをかけてしまいます
改善策)指先から水に入れる形をつくる
腕を戻す時に肘を柔らかく使えば、指先の小さな面から突き刺すように入水できます。そうすれば、水を前に押さえる抵抗を最小限に食い止めることができるのがイラストからわかります。
面より線を、線より点を目指す
2つのケースで抵抗が生まれ、思わぬブレーキをかけてしまうことが分かりました。しかし、ケースが分かれば、あとは余計な抵抗を可能な限り減らす努力をするだけです。
まとめるとこんな感じです。
【抵抗を減らす方針】
あらゆる動きにおいて、進みたい方向への抵抗面は小さくなるよう努める。ただし動作や動きの局面によって何をどうするかはケースバイケース。
何を?
・手や腕
・脚
・頭
・胴体
どのように?
・面よりも線へ近づける
・線よりも点へ近づける
いかがでしょうか。
こんな視点で改めて自分のスキルを見つめ直してみると、改善のヒントが見つかるかもしれません。
また、この考え方を水球に活かすために、前後左右に動く動作にも当てはめてみてください。
例えば僕なら、横移動やバックスカーリング、フローターのボディオフなど様々なシーンが思い浮かびます。これらを見つめ直し、もし改善の余地があるなら少し体の使い方を工夫するだけで動きの効率はぐんと上がります。
お疲れ様でした
支持点のない水中運動で、競技力向上を目指す、、、
そのために水抵抗を活用して考えるべきことは2つ
①体を大きく移動させる推進力を得る
より大きな抵抗を作り水を押す
②進みたい方向への抵抗面を減らす
面を極力小さくしていく
・面よりも線へ近づける
・線よりも点へ近づける
以上です。
だから何だよw
と言われそうですが、競技力を向上させるための考え方を整理する時に、改めてこういう視点で水球を見るのは必要なことだと思います。
分かっていそうで分かっていないことは結構ありますもんね。
それではまた!