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020 親が子どもにクロールを教えるためのTIPS ②-2-3泳ぐ:平バタ
だいぶこの話題でもったいぶりました。すみません。
が、ようやく平バタに入りたいと思います。
一気にやらず、分習がオススメです
総合的なスキルの集合ですから、小さなステップを踏みながらひとつひとつのスキルを確認して身につけていければと思います。
分習① 壁(床)けり〜バタ足〜平泳ぎの手で呼吸1回〜立つ
小見出しの通りです。まずは呼吸を1回入れていくことに集中させます。ここでみたいのは
絶対見る
①手の動かし方
②顔は出たか?
③息は吐けているか?(ぶくぶくぱぁ)
④進まないバタ足はできているか?
オマケで見る
⑤壁(床)上手に蹴れるか?
⑥立ち方は安全か?
まず①です。手の動かし方も言い出すといろいろありますが、ここで重視したいのはいかに水を下方向に押せるか?です。
ポイントとして、平泳ぎの手の動きで、手のひらの向きは斜めに向けることが大事です。イラストで説明します。
45度の壁にピンポン球を投げると跳ね返る時に飛ぶ方向が90度変わるのを見たことはあるでしょうか?
コレって水も一緒です。手のひらの向きを斜めにして横に動かせば、水は下に押されていきます。
平泳ぎの手は、大別すると両手を横に広げる局面と広がった両手を閉じて伸ばす局面に分かれます。
一連の手の軌道は♡の形に似ていますので、小難しい表現よりも、そういうイメージで動きを伝えるといいと思います。
両手を横に広げる局面で手のひらを斜めにしていると、うまく水を下に押せます。
顔を上げての呼吸は、この両手を横に広げるタイミングと一緒に行うようにすると上手くいきます。
手の動かし方だけでなく、手のひらの向きや呼吸のタイミングもよく見るようにしてください。
次に②③を確認していきます。特に③は注意して振り返りたいところ。この時点で呼吸がチグハグになる人は多いです。
次に④を確認。進むことはまったく捨てさせてもいいので、バタ足には浮くだけの力を使わせます。
ひとまず1回呼吸ができたかをゴールとしてください。目視で息を吐きながら顔を上げているのが確認できていれば、あとは吸えたはず!と仮定して本人の感覚を「息は吸えたかな?」などと声かけして確認しながら進めてください。
分習② 壁(床)けり〜バタ足〜平泳ぎの手で呼吸2回〜立つ
呼吸が2回になりました。ここで見たいのは
絶対見る
①呼吸後に沈んだあとの対応
・バタ足頑張らない
・水面を見上げない=頭を上げない
・焦らない、ゆっくりのんびり待つ
オマケで見る
②壁(床)上手に蹴れるか?
③立ち方は安全か?
これだけ。
沈んだ時に「自分から頑張って浮き上がろうとしない」かどうかを見ます。もしそうなっている時は「浮くな」「進むな」と声かけをしましょう。
沈んだ時こそバタ足をゆっくりのんびり、顔も水面を見上げず下を見て、沈んだ時に「頑張って浮こうとしない」ことを教えてあげます。そしたらアラ不思議!スーッとカラダはすぐ浮いてきます。
ここでは特に、水に身をまかせるマインドをしっかり植え付けてあげてほしいです。
「呼吸したら、どーせ沈むし、
沈んでも、ほっといたらどーせ浮いてくる」
泳ぐというより、漂うイメージ
浮かなきゃ2回目の呼吸はできません。一旦沈んだあと、いかにカラダが浮くまで楽をできるか?ここに集中しながら、反復で作り込んでいきます。
分周③ 壁(床)けり〜バタ足〜平泳ぎの手で呼吸2回以上 → 25m
呼吸2回以上はお任せです。3回、4回と刻むもよし。3回、5回、10回と飛び級させるもよし。相手の状態を確認しながら適当な目標に向かわせましょう。
ちなみに、ここで上手く調和できるようになるとこんな感じになると思います
・とりあえず浮きながら呼吸がずっと続けられる
・バタ足は力が抜けて楽
・スピードはクソ遅いけど、とりあえず前には進む
こうなると、理論上「呼吸さえ続けていればいつかは25m泳げる」ということになります。
そうです。泳げます。
親からすれば待ち侘びた我が子の25m完泳の瞬間が訪れます。この瞬間を「やったね!頑張らなくても楽々できちゃったね!しかもクロールでもないのに!」と、共に喜んであげてください。
平バタ時点でNEWタスクは3つ
ここまでのスキルをすべて自動化できていたとしても、ここでは一気に3つのタスクが新たに追加されているのを理解しておいてください。
①平泳ぎの手
②浮きながらの呼吸法
③沈む⇆浮く
相手にとって、コレらの同時習得は大変なことだと理解しましょう。当然、分習しながらでも上手く進まない時間帯はあります。
それを理解したうえで、ゆっくり、のんびり調和していくのを待つのがこちらも大事なことだと思います。
お疲れ様でした
ここで上手くいきはじめると、お子さんの力みがはじめた頃より随分と減っていることに気がつくと思います。何より25mをもう泳げているし、次からのクロールにもより積極的に取り組んでくれるはずです!
以上でステージ②「泳ぐ」が完了です。
次からは、クロールの手回しに入って仕上げのステージに移っていきます。
それではまた!
#子ども #プール #水泳 #泳ぎが苦手な子ども