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018 親が子どもにクロールを教えるためのTIPS ②-2-1泳ぐ:バタ足の次はなにする?
前回はバタ足について話しました
ここから、よくある流れとしては「次はクロールの手回しやろう!」となるのですが
ここであえて、バタ足の次に本格的なクロールに入らず、もっと簡単な泳ぎの形を取り入れるというのが今回の話の筋です。
これは、ステージ②のテーマ「泳ぐ」の中でも大事なポイントですので、結構まわりくどく詳しく話をします。よければお付き合いください。
泳ぐ、とは?
「泳ぐ」ことを大別すると、足を使う、手を使う、呼吸をするといった3つのスキルに分けられます。
これは私見ですが、僕の「泳ぐ」とは、それらの異なるスキルが調和していることを指しており、詳しく言うと
誰が見ても「あ、イイ感じだな」と分かるくらい
・3つの動きのリズムやタイミングが
安定している
・ムダな力が抜けて動きに硬さがない
など
こんな状態だと思っています。僕はこの調和を
単に泳法の形が完成すること
とは別だと考えており
水の中で体を楽に使えているという結果
だと捉えています。
また、調和するとムダな力を使わなくなるので、まともな泳法でなくとも初心者が25m泳げるなんてことも普通に起こりえます。
なので、僕は水泳において本質的に泳法の形の完成よりも動きの調和のほうが大事だと思っています
だから、ステージ②の「泳ぐ」では特に調和を大事にしています。
それにしても、なぜバタ足の次にあえてクロールをしないのか?それは、クロールが動きの難易度の高い泳法だからです。それを説明します。
動きの難易度についての分類
動きの難易度について、僕はこのような解釈でレベルを分類しています。
難易度のレベル
LV1 静
LV2 動(両側性)
LV3 動(片側性)
動かないより、動いているほうが難しく、さらに、動きも両側一緒の動きより、片側づつ違う動きを行うほうが難しいという考え方です。
これらの分類を3つの要素(足、手、呼吸について)に当てはめて、これまで習得してきた動きから振り返るとこんな感じになるかなと思います
伏し浮き
足 →静 LV1
手 →静 LV1
呼吸→静 LV1
バタ足
足 →動(片側性) LV3
手 →静 LV1
呼吸→静 LV1
伏し浮きからバタ足になると、足のレベルが2つも上がりました。でも呼吸はしておらず手も動かしていないのでそのほかの難易度は変化なしです。
それでは次に、まだ未習得のクロールを当てはめてみましょう。
クロール
足 →動(片側性) LV3
手 →動(片側性) LV3
呼吸→動(片側性) LV3
分類して見てみると、クロールの動きの難易度は高いことが分かると思います。
ちなみに、よくある一般的なクロール完成までの道のりは
バタ足 → +手回し → +呼吸 → 完成
このような手順を踏むことで3つの動きを完成させていくことが多いのですが、そもそもクロールは動きの難易度が高いので
泳法の形の完成も、調和するのも、結構時間がかかる
ここが課題かなと思います。
調和する体験を先にさせておく
実は調和にはどんな泳ぎ方にも共通している部分が多く、知っているのと知らないのでは泳ぎの習得スピードも全然違うと僕は思っています。
だから調和させるのは早いに越したことはないし、それは難易度の高いクロールの形が完成する前でもいい。もしかすると、調和を先に知ることでクロールだけを頑張っていくよりも早くクロールが泳げるようになる可能性だって十分にあります。
だから、平バタで調和をはかる
僕は、泳ぐための3つの動きをできるだけ簡単に調和できるよう、バタ足の次にあえて「平バタ」なるものに取り組んで遠回りします。
平バタとは、名前の通り「バタ足をしながら、平泳ぎの手を使って呼吸をする」ヘンテコ泳法です。競技でこんな泳ぎ方で泳ぐ人はまずいません、遅いから 笑
でも、注目して欲しいのは動きの分類とレベル
平バタ呼吸あり
足 →動(片側性) LV3
手 →動(両側性) LV2
呼吸→動(両側性) LV2
クロールと比較してみてください。難易度が低いですよね。バタ足の次にくる選択肢としてもいきなり感は少なく、受ける側もスムーズに取り組むことができるでしょう。
とにかく先に調和をさせたい。それなら、平バタはクロールより簡単だから形の完成も、調和も早い。だからこっちを選ぼう。
僕はそういう結論にいたり、平バタをさせています。
お疲れ様でした
随分と回りくどい話をしましたが、バタ足のあとに平バタをさせるというのが僕の結論です。次の回で、平バタの具体的な内容を伝えしたいと思います。
皆さんはどう感じましたか?
それではまた
#子ども #プール #水泳 #泳ぎが苦手な子ども