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2020年前半を春分図で読む

占いってとてもファジーな生き物です。

多くの人は、占いなんてどうせ出まかせだろうという態度で聞きつつも、心のどこかで運命を恐れている。そう思います。私もそうでした。そのどっちつかずのファジーさが魅力のひとつなのだろうと思います。

占いとひとくくりにしましたが、厳密に言うと占星術はかつて高等学問でした。その起源は定かではありませんが、イエス・キリストのもとを訪れた東方三博士は、木星と土星が一年に三度も会合したという歴史的な天文ショーを表していると言われています。また、近世まで医療占星術は医学部の必須科目だったとも伝えられています。

つまり、時代とともに価値観は変遷していく。

それは、きっと必要な変化なのだと思います。

神話や言い伝えはかつて人びとの生活を支配していました。それはやがて宗教に形を変えていき、次第に権力や経済の力によって歪められることもあったでしょう。

そんな、今は古き時代の遺物として葬り去られたものたちは、実はこの世界の本当の姿を散りばめた欠片なのではないだろうか。

占星術をしていると、そんなふうに思えるのです。星を読むことは、神話とも深くつながっています。それらを拾い集める作業は、この地球の本来の姿の欠片を拾い集めているのと同じなのだと、最近感じています。

そんなことを今年の春分図を読みながら、つらつらと考えました。

占星術において春分の日は、通称「宇宙元旦」と呼ばれます。一年のスタートが牡羊座とされているため、牡羊座に太陽が来たその瞬間を元旦とするのです。この春分の星の配置で、一年の動きを見ます。ただ、今年は変化の大きい年なので、一年というよりは今年前半の流れとして見た方が良いのかなと思いました。

2020年は変革の年です。

春分図から見ると、私たちは今年前半、「変革にのるのか、のらないのか」の選択を迫られるかもしれません。そしてその変革とは、近代的な価値観を見直し、かつて葬り去られた古代の叡智にもう一度触れるような、そんな雰囲気をまとっています。

2020年末には、世界は見えないものに重きを置く「風の時代」へと突入していきます。その準備段階として、目に見える豊かさを引き続き追い続ける「地の時代」の道を選択するのか、精神性や知性を重視し、叡智を表現していく「風」の道を選択するのか、そんな期間となりそうです。ちなみに、私にはこの「叡智」というものが、古の神話や言い伝え、学問などを新しい形で復興することを示すように思えてなりません。

ここで重要なのは、どちらを選択しても間違いではないということです。

人が地上に生まれた目的は、それぞれ違うはずです。その人にはその人の学びがあって、何を選択しようともそこに必ずその人にとって大切な「学ぶべきこと」があります。自分の心が喜ぶ方向へ素直に向かって行くこと。それに良いも悪いもありません。

敢えて言うならば、心が苦しい方向へ向かうことを選択することは、悪い選択ということもできるでしょう。でも、大きな視点で人生を見たならばそれすら学びであると、私は思います。

また、時代というのは今日と明日でパキっと変わるものではないと思います。風の道を選んだとしても社会制度はすぐには変わりませんから、地に足を着けた経済的活動は必要です。

要するに方向性を決めていくというイメージでしょうか。

これからの時代、自分は「地」と「風」どちらに軸をおいて生きていくのか。それを決めていく期間といった感じですね。その選択によって、今後自分が引き寄せていくものの性質が変わっていくと思います。今年は、冥王星と木星の合が三回も起こります。木星は拡大の星。必要な物事を当たり構わず引き寄せる星です。そこに究極の星、冥王星が強烈な後押しをしますから、言わずもがなという感じですね。

叡智に触れたい、学びたいという人にはたくさんの機会が訪れそうです。興味を持った分野を積極的に勉強するとその道のマスターに出会えそうな予感もします。

個人と社会という点で見ると、外側からの圧力が強い期間となりそうです。社会が大きく揺れ動いているので、その波を受けて個人個人は喩えるなら「トンネル」に入ってしまったような先行きの不安を感じることが多くなりそうです。チャートを見る限り、ウィルス関連の影響やその裏で動いている様々な思惑により、夏のオリンピックが中止になることすらありえる様相です。でも、破壊とは再生のためにあるものです。何かが壊れたなら、新しい何かが始まる。

そういった外側の大きな変化に惑わされないためにも、自分がどこに軸を置いて生きていくのかをしっかりと見定めていくことが重要になると思います。

トンネルはそのうち必ず明るい世界に抜けることが、決まっているのですから。

それではまた!

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