水瓶座さんへ 6月の手紙
水瓶座さん、こんにちは!
暑い日が多くなってきましたね。新緑の色も濃くなり、夏の気配を感じさせます。6月は占星術においても大切なイベント、夏至がやってくるのですが、今年の夏至は特別な力を感じさせます。同日に日蝕が起こるのです。
また、6月6日には月蝕も起こりますので、月蝕と日蝕が今月のハイライトになりそうです。また、中旬には水星逆行も控えていますので、今月はそのあたりを中心に流れを見ていきたいと思います。
より精練するためのデバッグ作業
水瓶座さんにとって5月は、自分の壁を打ち破るためのヒントが見つかるような時期、という印象がありました。そのヒントは案外自分が心の底から楽しい、わくわくすると思えるようなものの中にある、そんなイメージもありました。
ただ、5月11日に土星が逆行を始め、その後金星と木星が相次いで逆行を始めました。
実は土星は水瓶座さんと縁の深い星です。その昔、まだ天王星、海王星、冥王星が発見されていない頃までは、土星が水瓶座さんの星とされていました。土星は物事を発展させるために試練を与える先生のような星と言われています。試練とは、視点を変えれば変化成長のための肥料のようなもの。一般的に土星は「建設」の星とされますが、個人的には「変化」を与える星のような気がしています。そして、変化とは「古いものを壊し新しいものを築いていくこと」。水瓶座さんは変革の星座とも言われるのですが、その支配星が土星だったというのは頷ける話です。
さて、その土星が逆行を始めたために、5月中旬からは物事が思うように進まない現象が多くなったと思います。自分の星座と縁の強い星の逆行は、やはりそれなりに強く働きかけてくるように感じます。
特に水瓶座さんは、年末に「これからの時代」を象徴するような大規模アップデートを遂げる予定なのですが、その予感をすでに多くの方が感じているのではないでしょうか。自分の中心の奥深くから変化するような感覚だったり、人によっては直感が強く冴えわたるようになったり、あるいは具体的な事象として、旧型のソフトを新型のソフトに入れ替えざるを得ないようなことが起きたかもしれません。
そうした時代と人びとの変化を人一倍感じている分、「どうしてもっと上手に速くアップデートできないんだろう」と自分をもどかしく思ったり、「世界はどうしてこんなに変わる事を恐れるのだろう」と切ない思いに捉われたり、5月中旬から6月上旬までは「進みたいのに中々進めない」といったことが多いでしょう。これから年末にかけての半年間は、多くの天体が逆行をしていきますが、特に5月中旬から6月は「後戻り現象」が強く表れていくように思います。人は慣れ親しんだ環境に戻りたいと思うものですし、強制的な変化があったとしても慣れるまでには少し時間が必要です。今年はとにもかくにも「激変の年」だと何度か書いてきましたが、自分の手にあまるような大きな変化を受け入れるには、やはり年単位での「順応期間」が必要なのでしょう。
また、「自己表現」についても壁にぶち当たるような瞬間が訪れるかもしれません。先月から水瓶座さんは自分の心の底から湧いてくる「自己表現欲求」に突き動かされるように、好きな仕事に打ち込んだり、趣味に励んだり、または恋愛において「これだ」と思う相手に出会ったりしたのではないでしょうか。こういった領域においても、すこし停滞感が出てくる時期です。でもそれは、もっと精錬されたクオリティを得るために必要なプロセスなのだと思います。傑作を描く絵描きでも、心を筆に乗せる文筆家でも、空間を創る建築家でも、日の目を見た表現の影には数えきれないほどの習作が隠れています。そうした影の努力の積み重ねが、人の意識をひきつける。6月はそうした自己表現のクオリティを上げるために、何か課題を出されるのかもしれません。アップデートのための精練作業を繰り返す、デバッグの工程のような月になりそうです。
そうした停滞ムードに新しい流れを注ぎ込むのが、月蝕と日蝕です。
6月6日04:13の射手座月蝕では、自分の未来に向けての展望がより具体的に、はっきりと自分の中に満ちていくような印象があります。自分と周囲のスピード感の差や、価値観の違いに落ち込んだりと、流れが停滞している5、6月。逆に言えばそれによって、きちんと着実に自分のアイデアややりたいことを現実化するにはどうすればいいのかが見えてくると思うのです。失敗は成功の母。例えば経営などにおいても、成功例ばかりをピックアップして学ぶよりも、失敗例も学んだ方がリスク管理をしっかりできます。成功には運の要素も働きますが、失敗にはそれなりの理由があるからです。この停滞していた時期を経て、自己実現のために必要なものがしっかりと見えてくる。そんな風に感じました。
中旬は18日から水星が逆行することもあり、そうした自己実現に向けての流れが完全に戻ってくるのは7月中旬以降になるかもしれませんが、この間に学んだことは必ず身になりますし、水星逆行中に失ったものは戻ってくるとよく言われます。水星が逆行するのは6月18日から7月12日です。慎重さが必要とされる時期ではありますが、必要以上に恐れず今できることを着実にこなしていくことが大切です。
そして、6月21日15:42に蟹座で日蝕が起こります。ここから新しい「お仕事」が始まっていくことになります。それはこれまでの度重なるアップデートを経て、ようやく手にすることができる自分らしい働き方・ライフスタイルに向けての第一歩。そのための、重要な人やものと出会うこともあるかもしれません。「ご縁」に結ばれたもの同士が、強く引き寄せられていくような日蝕です。
あなたの理想の働き方・ライフスタイルはきっと、時代の先を見据えたもの。だからこそ初めは反発もあるかもしれません。でもこれまで数年間、きちんと自分の心に向き合ってきた水瓶座さんのことを、地球が強く応援してくれている。そんな気がします。今回の日蝕が起こるのは蟹座ですが、蟹座は月に象徴されるように「地球」と深く結びついた場所。あなたの理想を実現することは、地球をより愛に満ちた美しい星へと成長させるために必要な事なのだと、私たちが住んでいるこの惑星はちゃんと知っているのです。未知のことでも、安心してトライしてください! と背中を押されているような気がしました。
また、28日以降、来年の初めまでの半年間は「基礎的な学び」「コミュニケーション」といった領域に強い力が働いていきます。新しいことを始めた方には、基礎学習に強い追い風が吹いていきます。吸収力もアップして、スポンジのように必要なものを吸いこんでいけそうです。
ちなみに星座問わず6月に注意したいことは、飲み過ぎだったり、詐欺などの「人を惑わせる」ような力です。健全なストレス発散方法を見つけたり、怪しい話には近寄らないことでトラブルを未然に防ぐことができると思います。
また、土星の逆行により、普段より「自分に甘くなる」ことがあるかもしれません。「今、私のブレーキ効いてるかな?」と自分に問いかけることで、自制を保つことができると思います。
月蝕は「私」の切り替え、日蝕は「公」の切り替え
月蝕は特別な満月、日蝕は特別な新月です。
月蝕は半年、日蝕の影響は3年半ほど続くという説もありますが、個人的にも蝕の前後で印象的な出来事が起こり、その余波が長く続くという感じがします。特に蝕に対して強い天体が作用していると、出来事も大きく、そして長引くような印象です。
昨年の12月26日には日蝕、そして今年1月11日には月蝕が起こりました。1月13日には冥王星・土星・水星・太陽が重なり、占星術をする人なら何が起こるのだろうとざわざわするような配置でしたが、やはり未曾有の出来事が起こりました。世界的なパンデミックにより、公的な仕事、そしてプライベートの過ごし方、生活のすべてにおいて新しい方向へスイッチすることを余儀なくされています。
ここからは今回の蝕について、全星座さんに共通の全体的な印象をまとめてみます。
6月6日04:12頃、射手座で月蝕
この月蝕では「自分の中の男性性と女性性をコントロールする方法を学ぶ」こと。そのためには自分の中の攻撃性や欲動といった男性性を受け入れ、正しく使えるように見つめ直すことが成長のカギ。
6月21日15:41頃に蟹座で日蝕
この日蝕では「形骸化して役に立たなくなった物事を浄化し、女性性を活かした新しい物事が始まっていく」ので、新しい時代に向けて必要な「受容の力」「慈しみ育む力」といった女性性を学びとる姿勢がカギとなりそうです。
(この女性性と男性性とは、性別問わず誰の中にもあるもので、女性的な「受容力や育む力、慈しむ力」と男性的な「推進力や攻撃性、護る力」のことです)
今回の月蝕、日蝕ともに火星が非常に強い配置にあります。火星は軍神マルスの星です。アピール力、攻撃性、燃え立つ意欲など、男性的な力の星です。全体的に見ると、やはり土星のブレーキが緩くなっている時期なので、衝動的に攻撃性が出てしまうということも考えられます。
ただ、火星の側には神秘の星である海王星もいます。海王星は、低い次元では「惑わせる力」となり、高い次元では「神聖な光」となるように思います。キリストや仏陀も、瞑想中に悪魔の囁きと対峙したと言われています。神聖な領域へ近づく途中には、どこかで幻惑と闘うような場面があるのでしょう。精神性の向上に努めている人には、幻惑に打ち勝ち、階段を一気に登るような後押しの風が来るようにも感じられます。
余談ですが、タロットの「力」というカードが、この蝕のイメージをよく表しています。
獅子を女性が手なづけている絵が描かれています。これは、攻撃性や欲動といった獣性を、愛や思いやりでコントロールするというイメージです。「柔よく剛を制す」という言葉がありますが、まさにそんな意味あいでしょう。
資本主義経済の基本は「もっと速く、もっと多く、もっと遠くへ」だと以前何かで読んだことがあります。これは、火星のイメージにぴったりです。外へ外へ際限なく向かって行く男性的な力。しかし、それが強すぎたために地球環境はダメージを受け、エコな社会を作ろうという声はますます高まっています。また、男性性の強い競争社会の中で置き去りにされた、愛をもって和を成すような女性的社会の形成が今後は必要とされていくように思うのです。
話が大きくなりましたが、6月はどの星座さんにとっても、「柔よく剛を制す」がキーワードになるような気がします。
女性性を社会の中でどう活かすのか。はたまた男性性を家庭の中でどう活かすのか。そう、これまでとは力の使い方が逆転していくのです。「家」と「仕事」という異なる目的の場所が融合した数カ月。これまでは場所を移動することで切り替えていたエネルギーを、意識的に使い分ける必要があったと思います。そして家と仕事の融合という流れは、しばらく緩やかに続いていくかもしれません。男性性と女性性のエネルギーを使い分けることは、今後も重要なポイントだと思います。
そのための学びを蝕の期間にするような印象です。
星の力を受けて、行動を決めるのは人の精神
私たちは太陽からエネルギーを受けとっています。太陽が熱や光を送ってくれなかったら、生物は発生しなかったでしょう。また、月はその重力で潮の満ち引きをつくりだし、水の循環を助けています。
ならばその他の惑星からも、エネルギーを受けとっているとしても不思議ではありません。水星は知性に、金星は愛情や美に、火星は攻撃性やアピール力に対して・・・等、それぞれの天体がエネルギーを送っているとして占星術は成り立っています。
でも、同じような星の配置に生まれた人でも全く異なる人生を歩むように、同じようなエネルギーを受け取っても起きる出来事は人によって様々です。それは、星の影響を受けとめて、行動を決めるのはその人の精神性によるからだと思います。
その人がどれだけ自分の中の良心に従い、愛を持って行動できているかで、引き寄せるものも変わって来るのではないか。これは占星術を始めて以来実感していることです。
蝕は印象的な出来事が起こりやすいとき。
でも、自分の受け取り方次第で、起きた出来事を教訓にできるはず。ピンチはチャンス。変化は学びのために欠かせないものです。
今あるものへの感謝を忘れずに、そして変わることを恐れずに、前へ進みましょう。
6月の星の動き、いかがだったでしょうか。
私がnoteで活動を始めたのは昨年のことですが、きっかけは2020年の星の動きが中々にハードな様相を呈していたので、自分に何か出来ることはないだろうかと思ったからです。
占星術はとてもファジーなもので、はっきりと何が起きると予言できるものではないと思っています。少なくとも現代の占星術の技術では難しいし、私にはできないというのが正直なところです。ただやはり、星と連動した大きな流れがあると感じています。それを何となくでも心に留めておくと、いざというときに素早く対処できるのではないでしょうか。
占星術を転ばぬ先の杖として使っていただけたら嬉しいです。さらには、ポジティブに使うための材料として使って頂けたら幸いです!
すべての水瓶座さんが健やかでありますように。
それではまた!
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