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映画とセックス 第1回
** 【お葬式】**
お葬式
1984年
製作国:日本
上映時間:124分
監督:伊丹十三
お葬式の一連の流れを、その家族や周りの人々にスポットを当てて描かれた映画。
妻の父が死に、急きょ喪主を務めることになった俳優、佗助。あれやこれや準備に追われている最中、なんと東京から侘助の不倫相手の良子が、手伝いにやってくる。
この映画の中のsexシーンは、侘助と良子の野外プレーである。義父の葬儀に東京からわざわざ来られて、侘助は困り果て妻にばれたらどうしようかと気が気でない。なんとか帰ってもらいたい侘助は頑張って説得するのだが、そんな彼に良子は、「じゃああたしのこと抱きなさいよ!」の一言。ここからがめちゃくちゃエロエロの野外プレーだ。
良子は茂みの中で靴下を脱ぎ、侘助に濃厚なキスをする。はじめはドン引き困っていた侘助だったが、キスをし良子の下半身を触らせられているうちにその気になり、行為におよんでしまう。そのときの良子といったら、ほんとうにエロエロだ。決して痩せているとは言えず、また浅黒くて若干垂れた体が、よりエロさを引き立てる。なんといってもあの水色のパンティーを身につけた良子のおしりは、とってもいやらしい。むしろ神秘的な感じすらする。sexを終えると、侘助は無力感たっぷりな面持ちで良子を送り出す。
義父の葬儀中に不倫相手と、しかも家族にばれてしまう危険があるほど近い場所でsexするなんてかなりぶっ飛んでいる話だが、やっぱり人間はそういうスリルに興奮するものなのだろうか。侘助と良子が情事にふけっている最中、侘助の妻はというと外の木製のブランコに立ち乗りをしながら一点を見つめ、何が起こっているのか悟っているかのような表情でいる。sexシーンとブランコに乗る妻のシーンが切り替わって映され、そのコントラストは切ない、気の毒な妻という感情は不思議とわかず、なんだか鈍い衝撃をうけてるような、非日常の現場を偶然見てしまったような気になる。
この映画を見ていると、自分の家族の葬式を思い出して、うわ、こんなひといるいるっ、、!って笑ってしまうくらい、葬式独特の雰囲気の中で醸し出される人間模様がリアルだ。不思議と誰かに感情移入したり喜怒哀楽の感情がわき上がってくることはそんなになく、とはいえ自分のなかにもある人間的な部分がたっぷり見いだせる面白い映画である。
こんなに人間臭くて臭くてしょうがない映画は初めてだ。
ちなみに、youtubeにはsexシーンのみの動画が載っている。
https://youtu.be/BozNVrMI62M