泣けるニーチェ

 8月5日の記事「ニーチェと聖書と、ときどき隆明」では、ニーチェ思想からの離脱のようなことを書きました。そんな筆者ですが、ニーチェ関連の本で、今でも掛け値なしに素晴らしかったと思える一冊があります。
 その本の最後のほうは、文字どおり涙なくしては読めませんでした。本を読んで泣くことなど滅多にないのですが、その時ばかりは感涙を禁じ得なかったです。
 では、その本のタイトルを発表しましょう。筆者のイチオシは、『ニーチェ 自由を求めた生涯』(ちくま学芸文庫)というマンガです。
 マンガだからと侮ってはいけません。非常に完成度は高いです。とくに、トリノの広場での「発狂」シーンはリアリティがあります。劇的に語られがちなエピソードですが、「ああ、意外とこんな感じだったのかなぁ」と思わされました。
 筆者が泣いたのは、晩年、会話すら出来なくなったニーチェを訪ねた客に、ニーチェの母親が言ったセリフです。百聞は一見に如かずということで、あとは読むしかないでしょう!

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