そんな遊子に惚れました
寄席以外の落語会の仕事の事を"わきの仕事"という。
1年目はわきの仕事はあまりなく、ほとんど寄席通いだが、
2年、3年と年数を重ねていくとだんだんわきの仕事にも連れていってもらえるようになる。
まだわきの仕事があまりない1年目の頃。
ある師匠からわきの仕事をいただいた。
真打2人と 二ツ目1人と 前座(私)
真打ちが2人もいて豪華な顔付け!
わきの仕事なんてそうそうあることではないので、とても嬉しかった。
前座がわきの仕事へ必ず持っていく3点セットがある。
●出囃子のCD
●雪駄
●たとう紙
この3点は決して忘れてはいけない。
たとう紙というのは、一般的には着物を収納する時に使う専用の紙の事を言うが、
なぜか落語界では着物を畳む時に床に敷く紙の事をいう。
なので、こちらで言うところのたとう紙を新調しようとネットで検索すると、
着物を収納する時に使う方のたとう紙しか出てこないので、とても不便。
いい加減、アイツ(こちらで言うところのたとう紙)が巷では何と呼ばれているのか知りたいところだけど、結局調べず放置してしまう。
ちなみに、着物を収納する時に使う紙の方は落語界では何と言うかというと、
あの、ほら着物包むやつ、うん、紙の。
です。
話がわきに逸れたが、
そのわきの仕事でなんと、大事な3点セットのうちのたとう紙を忘れてしまった。
でも二ツ目の遊子兄さんがいる!
もしかしたら持ってる可能性がある!
「兄さん、たとう紙持ってますか?」
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