スーパーリーグって結局なんだったんだ?
かねてより噂されていたスーパーリーグ構想ですが、日本時間4月19日、ついに正式に創設が発表されました。
、、、、かと思うと、たった48時間後には撤回。
ほんの一瞬の出来事だったため、なにがなんだかという方も多いのではないでしょうか。
そこで、そもそもスーパーリーグとは何なのか、なにが良くてなにが悪いのか、そしてなぜ48時間で撤回してしまったのかなどをわかりやすこご紹介します。
細かい話はすっ飛ばすので、気楽に読んでくださいねっ
そもそもスーパーリーグって?
ひとことで言うと「良い試合をたくさんやって、欧州サッカー界をもっと豊かにする」ことを目的とした新しいリーグのこと、
というのは表向きの理由です。
実際には「一部のビッグクラブが今よりももっと儲けるために考え出した仕組み」と考えて問題ありません。
なぜかというと、その内容を見ればわかります。
スーパーリーグ考案の中心人物である、レアルマドリード現会長のフロレンティーノ・ペレスさんは言いました。
「CLの過密日程は選手にとって過酷すぎる、そしてコロナはヨーロッパのクラブ間(特にビッグクラブと下位クラブ)の格差を大きく広げた」(原文を訳したわけではないので若干ズレはありますが、大意はこんな感じです)
つまり、これらを解消するためのスーパーリーグ構想だったのです。
しかし蓋を開けてみるとどうでしょう
1.過密日程
スーパーリーグは、参加クラブが20あります。
20クラブは10クラブずつに分けられたグループで総当たり戦を行い、各グループ上位3クラブと各グループの4,5位の中から2クラブの計8クラブがノックアウトステージを戦います。
これの何が問題かと思った方もいらっしゃるかも知れませんが、仮に決勝まで進んだ場合、総試合数はCLで決勝まで進んだ場合よりも多くなる可能性があるです。
過密日程が、、と言いながら、スーパーリーグを戦う選手達は、今以上の過密日程で試合を行うことになります。
表面的には選手を気遣ったような発言をしていても、このような部分を見ると結局は選手を金儲けの駒としか考えていないのかと思ってしまいますね。
2.クラブ間格差
多くのクラブの収益は、チケット収入・スポンサー収入・放映権収入の3つで賄われています。
しかし無観客となった今、ほとんどのクラブが放映権収入に大部分を頼っており、CLやELに出場しているクラブとしていないクラブの間で大きな経済格差が生まれているのです。
スーパーリーグは、こうした格差を埋める目的もあるとしていました。
ところがこちらも中身を見てみると、スーパーリーグで生まれたお金はスーパーリーグ参加クラブで分配するというもの。
クラブ間格差はますます広がってしまうのは明らかです。
3.各国リーグへの影響
まずは、現在の国内リーグ戦とCLの関係を見てみましょう。
CLに出場できるクラブは、前シーズンの自国リーグをCL出場権内(国により4位以内や3、2、1位以内と異なる)で終えたクラブです。
つまりどのクラブも、CL出場権を獲得するために国内のリーグを必死に戦うのです。
相手が強豪でも、格下でも、勝ち点3をとるために全力で戦います。
そして時には小さなクラブがビッグクラブを打ち負かすからおもしろいですよね。
では、スーパーリーグが始まるとどうなるのでしょうか。
まず押さえておきたいのは、「創設15クラブは昇降各がない」というスーパーリーグのルールです。
つまり、創設時に参加していた15クラブは、自国のリーグ戦の順位に関係なく無条件でスーパーリーグに出場できてしまいます。
こうなると何が起こるのでしょうか?
各国リーグで好成績を収めたところで、大して得られるものが無くなってしまうのです。
もちろん順位が高いほど利益の分配が高くなるなどというメリットはありますが、スーパーリーグで得られるお金に比べると大きな問題ではありません。
その結果、自国リーグに注力しなくなってしまう可能性が高くなります。
ミッドウィークにはスーパーリーグの試合があるため、週末の自国リーグの試合で主力選手を疲れさせるわけにはいきません。
そうなると、自国リーグの試合には2軍レベルの選手が投入され、型式だけの試合になってしまうはずです。
そんな試合、誰も見たくないですよね。
そうして各国リーグそのものの価値が下がり、スーパーリーグに参加していないクラブの収入はさらに減っていくのです。
4.ビッグマッチの価値
これは単なるいち視聴者としての意見に過ぎないのですが、チャンピオンズリーグの魅力として、普段は見られないリーグを超えたビッグマッチというものがあります。
ユベントス対バルセロナ、リバプール対レアルマドリー、バイエルンミュンヘン対PSG、こういった組み合わせは、滅多に見られないからこその価値というものあるはずです。
しかし総当たりなんてことをされては、珍しくもなんともなくなってしまいますよね。
やっぱりスーパーリーグはわたしも反対です。笑
つまり
ここまで読んでいただければ、スーパーリーグがなぜ反対されたのか、わかっていただけたのではないでしょうか。
選手のため、サッカー界のためと言いながら、結局はお金儲けのためだったことがよくわかります。
プレミア6クラブを筆頭に、次々と離脱を表明していった各クラブですが、すべて終わったわけではありません。
このような批判はある程度予測できたはずなのに、選手やサポーターを蔑ろにしてスーパーリーグ創設・参加という決断に踏み切ったクラブ幹部はもっと強く追及されるべきでしょう。
特にFCバルセロナは他のクラブと異なり、特殊なクラブ形態です。
クラブの持ち主は企業ではなくソシオと呼ばれる会員、さらに言えば一般人なのです。
クラブとソシオの関係は、企業と株主の関係にも似ていますね。
そんなソシオの許可を取らずに、独断でスーパーリーグ参加を決定したバルサ幹部は、他のクラブよりもさらに大きな責任が乗っかってくるはずです。
サポーターの怒りの表れとして、先日行われたプレミアリーグ第34節マンチェスターユナイテッド対リバプール。
この試合の直前にはマンUサポーターが、スーパーリーグに関する一連の決定を行ったグレーザー家(簡単に言うとマンUの持ち主)への抗議を込めてピッチに乱入、発煙筒を炊くなどして結局試合は延期となりました。
選手達に非はないわけですから、もちろんこのような行為が正しいものかどうかはわかりません。
しかしこれと同じくらいの強さで、各クラブの幹部は責任を追及されるべきではないでしょうか。
今回はここまでです!!
次回もまたお願いします(。・ω・。)