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読了!鈴木智彦「ヤクザ1000人に会いました!」

《粗筋》
実話誌のヤクザ記事は大半が虚像、マスコミ報道も警察情報の垂れ流し。当局の締め付けが激化するなか、ヤクザたちはどんな日常を送っているのか?極道記者歴15年。1000人を超えるヤクザを取材してきた著者による前代未聞の肉弾レポート。


《引用》
「不良やってて、繁華街で遊んでて、何も考えずに生きてたらヤクザと知り合って。事務所に出入りするようになり、その内刑務所に行き、もう引き返せねぇなぁ、仕方ないわなぁ、と思ってヤクザになる」(P30)

「これまでいい思いをさせてもらったんだから、俺たちがジギリをかけよう、という年寄り連中もいる。当然捕まったときは獄死というわけで、再び娑婆に出てこようなんて考えていない。だったら死刑になってもいい、覚悟を決め、何人でも殺してやろうと腹を括る人間が出てくるかもしれない。ヤクザの自爆テロだって、今後は絶対にないとはいえない」(P36)

少子高齢化時代にヤクザが大きな貢献を果たしているといってもいいように思う。(P50)

ヤクザの喧嘩は格闘技とは次元の違うもので、躊躇なく殺人ができるかどうかの勝負だから、いくら体力をつけたところで、一般的には無意味だろう。(P61)

「ヤクザの犯罪が巧妙になっていったのは、官本が、良作ばかりだからじゃねえのか?漫画ばっかり揃えときゃ、馬鹿なまんまなのによ」(P106 官本とは刑務所に備え付けの本で、世界の名作揃い。法律や経済などの難しい専門書も多い)

「娑婆で食うどんなご馳走より、塀の中で食べるおはぎの方がうめえよ。中では基本的に甘い物が出ない。おはぎが出た時は涙が出た。ただ甘いものが出るのは死刑執行がある日なんだ。だから嬉しいけど悲しくて、なんとも複雑な気分になる」(P221)

(2021/5/7)

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