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林業って奥深い

はじめに

2022/11/19-20
自然環境リテラシー学 5Z 森と林業

 今回の自然環境リテラシー学実習は、「森、木、そして林業と親しむ」ことをテーマに、三重県紀北町船津にある大田賀山林で行いました。

林業ってなに?

わたしのイメージ

 林業って何してるんだろう?木を切る以外はどんな仕事があるんだろう?というイメージがありました。他の一次産業に比べ、謎が多い。そんな印象でした。

速水林業さんについて

 速水林業さんは、江戸時代から林業を営まれており、当時も尾鷲ヒノキがすぐれた材木とされていたため、ヒノキの産地として活躍されていました。
  近年はヒノキの生産だけでなく、環境配慮型の森林経営をされており、将来の森を守ることを意識して経営されています。さらに速水林業さんは、森林管理会社である海山林友さんとともに経営を行われているそうだ。
HP(速水林業 (hayamiforest.com))に森林経営や企業理念、歴史など詳しく書かれているのでぜひ一度ご覧ください。

1日目

土場見学

 1日目は、土場の見学から始まりました。土場とは、木材の集積所のことで、ここで出荷までの作業が行われています。
 速水林業さんは、間伐材を牡蠣養殖のいかだ用に使ったり、木からとれる油を香水に使ったりと今までなら捨てられてしまっていた木材を有効活用する方法を考え、さまざまなジャンルへの活用を試みているそうです。

牡蠣養殖のいかだに使われる木材⇧

育種

 速水林業さんの特徴の一つが木を1から育てているところです。苗を買うのではなく、育てるところから会社内ですることで優良品種の開発を行っているそうです。

苗木

 苗木は上の写真のような畑で育てられます。ここで環境への配慮の工夫が一つ見られました。ここの畑では、挿し木という植物の茎と葉を切り取り土に埋めてクローンを育てるという無性繁殖が行われていました。挿し木では、森の中に移植するまでポットを使うのですが、プラスチックのポットと生分解性のポットの2つを使ってみているそうです。生分解性のものは、山に植えたらそのまま放置してもいいという利点がありますが、プラスチックのものと比べて高価であるという欠点があります。

挿し木
(左:生分解性のポットを使ったもの 右:普通のプラスチックのポットを使ったもの)

散策

 次に、実際に木を育てている山を散策しました。山の中は明るく、きれいに手入れされている山だということがよくわかりました。また、山の中にはいのししの跡が残っていたり、動物の様子も感じることができました。

森の中の様子

お話

 1日の終わりには、速水林業で働かれている川端俊介さんと、野地木材工業という製材所で働かれている岡田まりさんからお話を伺いました。
 川端俊介さんからは、なぜ林業で働くと決めたかや、新たな可能性についてお聞きしました。速水林業さんや多くの林業業者は日給月給制が多く、天候によって仕事ができないとその分給料が少なくなってしまうという現状があるそうです。俊介さんはそんな日でもできる仕事を考えたり、今は廃材となってしまっている部分の木材に新たな価値をつけ足したりする工夫を考えられていて、林業への可能性を自ら作っていこうという姿勢が分かりました。
 岡田まりさんは、製材所で働いてみて意外だったことをテーマにお話しくださいました。その話の中で、近年は無垢材ではなく節の残った木材も需要があるが、節の残った木材は希少度が低いことなどから無垢材に比べてかなり安価な値段でしか売れないことを知りました。工程の多さなどで値段が上がるのはわかりますが、需要のあるものの価値を高められない現状に少し疑問を覚えました。

2日目

川端康樹さんのお話

 2日目はあいにくの雨だったため、会議室をお借りして社長であり、川端俊介さんの父である川端康樹さんからお話を伺いました。
 康樹さんは、主に林業経営や森林管理についてお話いただきました。戦後の輸入拡大により、日本の林業が追いやられているという現状があるなか、新たな市場を見つけたり、俊介さんと同様林業への可能性を考えており、興味深いお話を聞くことができました。
 康樹さんからは、林業の直面している現実を聞くことができ、より真剣に第一次産業について考えることができました。


まとめ

 林業は初めて知ることや、新鮮に感じることが多く、受講生と同じように学ぶことができました。私は2年目でリーダーという立場で参加しましたが、昨年度とは全く違った学びがあり、やっぱりこの授業は面白いな、と感じました。今回で言えば、ワークショップの内容を作らせてもらったのですが、ただワークシートを作るだけでは受講生に考えてもらうことは難しいことが分かりました。考えるためには、それに必要なタネをばらまけるくらい自分も考えたうえで実施する必要性が分かりました。
 2日目の康樹さんの話の中で、FSC認証の監査のため大田賀山林を訪れた方が、この森が今まで見た森の中でトップに入るくらい美しい、とおっしゃられたという話がありました。海外の方からみても美しい森が三重にある、ということを誇りに感じました。また2日間を通して、林業という産業への可能性をとても感じることができました。この記事を読んで林業に興味を持ってくださった方はぜひ速水林業さんのHPをチェックしてみてほしいです。林業の奥深さ、考えなどを知ることができます。
 最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

今回協力してくださった皆さん

速水林業ー川端康樹さん・俊介さん
速水林業 (hayamiforest.com)

野地木材工業ー岡田まりさん
無垢床材・フローリング|野地木材工業 (nozimoku.co.jp)

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