『母指球』#312
それって何のこと?って思う人もいるだろう、それって足のどこのことだっけ?って思う人もいるだろう、「母指だから、人差し指の付け根かな」って思う人もいるだろう、ここは、足の親指の付け根のふっくらしたところのことだ。そこで立つのが、バランス良く立てて良いとされる重心の位置だ。
ここ最近のランニングで、足裏の体重移動をかなり意識している。踵の少し外側で着地してすぐ土踏まずの外側、足裏の踵とつま先を橋渡しするところへ荷重は移動し(その橋渡しのところを「ブリッジ」と言うとか言わないとか)、足裏の外側から伝わってきた荷重は指の付け根で広く分散する。それから、地面を蹴る指先へ伝わる。その力の流れの途中で、指の付け根で分散した荷重は一度、母指球へ集約され、グッと体重が乗ったところで親指へ伝わる。そこで外側の小指や薬指の方に力が流れてしまったり、指まで届かず付け根で蹴ってしまえば、送り出した蹴る力が逃げてしまい「調子が悪い」という感じでノれない。
先日走ったハーフマラソンの後、右足の薬指の爪には黒い血豆ができていた。常々気を遣ってランニングをしてきたけれど、追い込んで走ったときに良くないフォームが出てしまったらしい。痛みはないけれど、フォームの崩れで苦い気分になった。
高校あたりでは踵重心のきらいがあったので、ものすごい勢いで靴のかかとの外側が磨り減ったし、靴の踵の内側のところ、アキレス腱と踵のあいだの布地はいつもすぐボロボロになった。ハンドボールをするにあたってはなかなかダメな重心の位置だった。なんとなく、母指球に体重を乗せるのがいいんだとはわかっていたけれど、矯正方法もわからなかったし、なにより効果がいまひとつピンときてなかった。
それから「なるほど」と思ったのは、マンガのあひるの空を読んだとき。トビが、初心者の先輩たちに身体の使い方、フットワークを教えるシーンがあって、ダッシュとストップが上手くやれないのに対しては「ヒザと足先の向きが揃っていないからだ、力の向きが合わずズレる」というようなアドバイスをし、ターンについては軸足の母指球に乗るように」と言う(これはコマの奥の方だったっけな)。トビはかっこいいなホントに、としみじみと思ったシーンだった。で、母指球、その2つのシーンなど、読んでなるほどと思ったもので、踏み込んだときに身体の体重をどこにかけるか、ということについて考えるきっかけになった。
地面を蹴るときに、きちんと母指球に乗せてから指に力を込めると、かけたぶんの力がきちんと推進力になる。
足裏だけでなく、腹筋や手のひらでも、意識をどこにおいて力をかければベストなパフォーマンスと結果が得られるか、その力点の置き方は今後も追求していきたい。妙な決意表明で文を終える。
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