番外編 ウガンダ人に聞いてみた
コロナのポジティブな側面を東アフリカに住んでいる日本人の方に伺っていますが、今回は周りにいるウガンダ人に話を聞いてみました。
最も多く聞かれたのは、衛生面での意識が向上したことです。
これまでウガンダでは手洗いの習慣はほとんどなく、設備もありませんでした。しかしコロナ禍になり、食事の前やトイレに行った後など、意識的に手洗いをするようになりました。手洗いだけでなく、マスクを日常的につけたり消毒をするなども生活の一部となっています。そのため、データはありませんが、みんな下痢や風邪が減ったと話していました。
次に聞かれたのは家族との時間です。
日本を含む他の国でもよく聞かれましたが、コロナ禍で家族が家にいて、交流の時間が増えたといいます。ウガンダでは2020年3月からトータルロックダウンが始まり、食料品店や病院などの必要不可欠な場所以外は閉鎖しました(その後段階的に解除されてきています)。両親共働きのところもあり、どうにかお金を稼ごうと毎日長時間働いているため、家族との時間はほとんどとれていない人が多かったようです。加えて子ども達も学校が休校になっているため、家にいる時間が格段に増えました。結果的に家族が揃う時間が増え、家族との関係性が良くなったり、両親が子どもの世話を見るようになったそうです。というのも、ウガンダでは子どもを親戚や近所の家で面倒を見てもらうのはよくあることだからです。
この二つがメインで多くの人から聞きましたが、少数派の意見もご紹介します。
①「問題が起こった時に備えなければならないと学んだ」
お金や食べ物など、事前に何かが起こった時のために備えておかなければいけない、将来のために適切に準備する必要があるんだと多くの人が気付いた、と回答者は話していました。
②「子どもの才能を伸ばすいい機会だった」
子どもが学校に行かず家にいるために、子ども達は自分の興味関心で動きます。その中で親や近所の人などが彼ら彼女らの才能や可能性に気づくいいきっかけになったそうです。
③「コロナ禍で周りを気にするようになった結果安全面が改善した」
コロナによりソーシャルディスタンスが叫ばれるなど、他人との距離感や関係を意識するようになりました。その結果、これまでは無視していたちょっとした違和感や不審な行動に敏感になっているそうです。(しかし一方でコロナによる不安で治安が悪化しているのも現状です)
これら3つは首都に住んでいて、裕福な人との繋がりも多い方からの意見です。地方の状況も知っている私の感覚では、村や地方の人々で経験している人は少ないと考えられます。加えて①は、村では生活の基盤は農業であるため、お金や食べ物の備えは必要なく、ロックダウンでも「生きる」ことには困りません。
④「ローカルな薬や医者の信用性が高まった」
ウガンダでは薬草を使ったローカルな療法が昔からありますが、近年は海外から入ってきた西洋の医療に完全に地位を奪われています。みんな医薬品を買い、西洋医学の病院に行くのです。しかしコロナ禍、薬やワクチンが開発される前に、ウガンダで薬草から作った薬が開発されました。そのころにコロナにかかった人々は選択肢がその薬しかなく、仕方なく使っていましたが効果てきめんで多くの人が回復しました。このことによって、ローカルな薬や医者の価値が改めて見直されたそうです。
これらのことがウガンダではコロナのポジティブな側面として聞かれましたが、中には「いいところなんてある訳ない。たくさんの人が亡くなったり仕事を失ったりしてるし、子どもは長く学校に行けていないんだ。」といった声ももちろん多かったです。やはり大きな問題をいい方向に考えられるのはある程度生活に余裕があるからかもしれません…。そうだとしても私は、嫌なことをいい方向に捉えなおすことで、その期間を頑張れるし、生活・人生を楽しめると思います。
これからも、出来る限りいろんな方にお話を伺っていきますので、皆さんなりの「コロナ(やその他のネガティブなこと」のポジティブな捉え方」を探していただけたら嬉しいです!