【おべけの館】7話初仕事その2
しかし、死神は何処にもいない。
まず、死神の部屋の場所は、実は誰も知らない。
[パ]「死神さんいないよ~。」
疲れて声をあげるパンプキンちゃん。
すると。
[死]「はぁあ"あ"あ"あぁぁ~…。」
死神が腕を組み、がなり声のようなため息をつきながら3人の目の前を通った。
[テ]「あっっっ!!!死神さん!!!」
気づいたテルルが引き留める。
死神は「どうした?」と言わんばかりの挙動をとり、こちらへ近づいてきた。
[死]「?テルル。何かあったか?」
[テ]「あのね、死神さん。なんか嫌なことでもあったのかなって。
兄ちゃんたちの感情と連動しちゃってるから…。」
[死]「えぇ!?ああそういやそうやったな。
ごめん。まぁ嫌なことというよりかは、少し悩んどってな。」
申し訳なさそうに軽く頭を下げる死神。
[パ]「悩みって…?」
[死]「ああ、それがな。おべけが少ないなと思ってて…。私は今よりもっとも~っとおべけを増やしたくて。
今のおべけの館は私の理想とは程遠くて…。」
少し考え込む死神。
[死]「あ!」
その時、パンッと手を叩き、何かを思いついた様子。
[死]「パンプキンとターニップはまだ、仕事をさせたことがなかったな。
もう、しばらくここにいて、だいたいのことは分かったころやろう。
よしっ!パンプキンとターニップ1人ずつ、人間をこの館に案内させろ!
"おべけ勧誘"や!
ターニップにも伝えといてくれ!!んじゃ!」
元気よくパンプキンちゃんの両肩に手をぽんっと置き、明るい声でそう残したあと、スキップしながら去っていった。
死神から言われたことに、どうしていいか分からず、ポカーンとするパンプキンちゃん。
[テ]「まっまぁいきなり、そんなこと言われても困るよねっ!汗」
パンプキンちゃんを我に返そうと話しかけるテルル。
[ま]「パンプキンちゃん、安心しぃや。おべけ勧誘手伝ったるわ。」
まねきさんも安心付けようとしてくれる。
[パ]「おっおべけ勧誘?ってどうしたらいいの?」
不安そうなパンプキンちゃん。
[カボ]「ああ!そんなん、俺に任しとき!!全部フォローしてやるよ!
なんたって俺はプキンの助手だからな!!」
頭の上のカボチャーもピョンピョン跳ね、話す。
その後3人はみんなのもとへ。
アキとサクラ、クロムとビスマもそれぞれ仲直りし、いつものみんなになっていた。
ターニップくんとカブーナのいつものように、パンプキンちゃんとカボチャーに接してくれた。
[タ]「あの、カプ。さっきはごめん。なんかイラついちゃった。」
[パ]「うんん。理由も分かったし、気にしてないよ。」
我に返ったターニップくんはパンプキンちゃんに謝る。
[パ]「あ、そうだ。タップくん。」
かくかくしかじか(死神から言われたことを話す。)
[タ]「え?僕らが?でも、能力(イタズラ)の使い方知らないよ?」
いきなりのことに正論を返すターニップくん。
[カブ]「そんなん、あたしに任せなさい!」
頭の上でうにょりと動き、カブーナはカボチャーと同じことを言う。
本当に大丈夫…???
7話終わり。ご愛読いただき、誠にありがとうございました。
また次回のお話で。
作・絵 天乃 つくる Hzk(ヘルツク)