【おべけの館】2話その3
そんなある日、空に"大きく不思議な光を放つ満月"が浮かぶ夜が来る。
3人は窓から外を眺めながら、あかねを中心にお喋り中。
[あ]「道化師には~3つあって~クラウンとジェスターとピエロがあって~それで~…。」
物知りなあかねの話を楽しそうに聞くわかばとたくみ。
[あ]「ん?今日はスーパームーンの日だったけな?にしてはなんかおかしいな?」
突然、月の異変に気づく。
[た]「あか兄ぃ?あれは何て言うの?」
[わ]「あかね。あれ何?」
2人は近所の山奥に月光に包まれている不思議な建物を見つけ、あかねに問う。
[あ]「?なんだあれ?俺も分かんねぇな。
行ってみる?ww」
[わ]「楽しそうじゃん。行こっ。」
[た]「えっえっ。じゃっじゃあぼくも行く!」
そして3人は不思議な建物に向かう。
建物の近くへ行くと、どんよりと不気味な空気が漂っていた。
廃館のようだ。
月光はスポットライトのように館全体を照らしていた。
普通の館には見えない。窓、扉、壁を巨木のようなかぼちゃと蕪がぶち破って威厳と大量に生えている。まるで「こっちにお入り」と言わんばかりの雰囲気を感じた3人。
館の中に入り、探索を始める。
[あ]「すんげぇところだなぁ。こんな場所があったとは…。」
[わ]「……。あかね、ここ大丈夫?」
[た]「あわわぁ…。怖い…。おばけ出てきそう…。かっ帰ろうよ。」
あかねは興味深く館内を拝観する。
それに反して不安なわかばとたくみ。
[あ]「大丈夫!何かあったら俺が守るから!」
そして。1つ顔が彫られた蕪を見つける。
ジャックオランタン?
するとあかねは、興味本位でなんとなくかじってみた。
そうすると、、、瞬く間に蕪が巨大化し、
[カブ]「なんだ小僧…。いったいじゃない!!」
といきなり喋り、3人を喰べようと追いかけて来た。
[あ]「ああああええええ!?!?蕪が喋った!?!?」
[わ]「!?!?!?生きてる…???」
[た]「あ"あ"ぁぁぁ!!!おばけぇぇ~ぇぇ~!!」
混乱する3人。
[カブ]「逃げんじゃないよ!こんの小僧め!!」
蕪はお怒りの様子。
そうして館中を追いかけまわされた。
ついに行き止まり。
[あ]「やっやべぇ…どうしよ。」
[た]「ああ!!」
そのときたくみがかぼちゃのツルに引っ掛かる。
[カボ]「ああ、ごめんね~。でもここで喰べられてもらうよ。」
やがて、あかねはカブーナに、たくみはカボチャーに、わかば半分半分に喰べられてしまった。
しかし、痛みはない。
これが本館の"アンラクシ"ですから。
3人は目が覚めると、道化師の格好になって、黒フードの者の前にいた。
その両端にはアキとサクラが。
[死]「今日から君たちにはここ、おべけの館のおべけとして過ごしてもらう。役職は『イタズラおべけ』。能力は『道化師』と言ったところか。」
そうして、加賀あかね、加賀わかば、加賀たくみ、の3人は、クロム(クラウン)、ビスマ(ジェスター)、テルル(ピエロ)としておべけの館の者となった。
「っていうことがあったんだよ~!!カカカッ!懐かしいぜ!」
とカボチャーは話してくれた。
その瞬間。
[カブ]「よしっクラウン小僧、説教だ。
タップ、小僧をお説教部屋につれて行きなさい。」
[ク]「えやぁぁーーー!!嫌だーーー!!謝るもんか!いきなり追いかけてきて!」
ターニップくんはカブーナの言われた通りに、嫌がるクロムをお説教部屋へとつれて行く。
苦笑いのパンプキンちゃんたち。
[ビ]「いきなりすみませんでした。これからよろしくお願いいたします。パンプキンさんとカボチャーさん。」
[テ]「よっよろしく~…。」
そしてビスマとテルルはその場を去っていった。
[パ]「すっすごい人たちだったなぁ~…。
ねぇカボチャー?この館にはまだいっぱいおべけたちが住んでいるの?」
[カボ]「ああ。たっっっくさんいるぜ!会ってみたいか?紹介してやるよ!
プキンは"案内人"だもんなっ!これから館の事をしっかり知ってもらうぜ!」
[パ]「やったあ!楽しみ~!」
道化師3兄弟の部屋。
[テ]「クロ兄ぃまだかな~。」
クロムを待つビスマとテルル。ビスマは何か棚をごそごそといじっている。
そうして。
[ク]「あああーーー!!やっと説教終わったーーー!!あんの蕪ババアめ!!」
[テ]「クロ兄ぃお疲れ~。」
クロムが帰ってきた。
それを見たビスマがゲームカセットを持って近づいてくる。
[ビ]「クロム、テルル。ゲームせん?」
とゲームを勧めてきた。
[ク]「おお!!やろうぜ!!今日も俺が勝ってやるよ!!」
[テ]「いいや!今日こそぼくが勝つんだから!!」
そうして3人は楽しくゲームを嗜むことに。
おべけの館には、他にどんなおべけがいるのでしょう。
2話終わり。長文ご愛読いただきありがとうございました。また、次のお話で。
作・絵 天乃 つくる Hzk(ヘルツク)