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【おべけの館】4話その1

皆さんは、好きな人はいますか。ちなみに私は恋愛は苦手です笑。

ではもし、その好きな人が消えてしまった時皆さんはどう思いますか。悲しみ?怒り?絶望?

本日はそんな内容で本館のサービスを依頼した方のお話でもしましょう。

それでは、ごゆっくり…。



ガサンッ!!バタンッ!!

[ア]「いったた…。今日もダメでしたか。」

あるおべけの部屋から荒く押し出され、廊下でしりもちをついてしまったアキ。

アキの役職は『館管理人おべけ』。館に住んでいるおべけたちのお手伝い、部屋の掃除や管理。

だいたいのおべけたちは心優しく、掃除していいよっと部屋に入れてくれるが。

1人だけ絶対に部屋に入れてくれないおべけが居る。

そのおべけが言うには「なんにも知らねー奴は全て敵!!入れるもんか!!」と、いつも掃除を拒否り部屋から追い出す。


ちなみに、本当はおべけが他のおべけの部屋に入ることは禁止されている。しかし、『館管理おべけ』と『館の案内人』のみ他のおべけの部屋に入ることができる。

なので、アキとサクラ、パンプキンちゃんとターニップくんだけである。

しかし、サクラはシスターだからお手伝いをするのは主に館長の死神だけ。パンプキンちゃんとターニップくんは掃除や部屋の管理は専門ではなく、『イタズラおべけ』たちのイタズラの練習を手伝いをしている。

だから基本的に他のおべけの部屋に入れるのは唯一アキのみだった。


[ア]「う~ん…。困りました。どうしたら入れてくれるのでしょう…。やはり男性の方なので…。あ!これなら!」

考えた末、少しダメもとで、あるアイデアをひらめく。

ガチャ。

[ア]「すみませ~ん。ターニップさんはいらっしゃいますか?」

アキは確か今日ターニップくんは道化師3兄弟の手伝いをすると言っていたことを思いだし、道化師3兄弟の部屋に訪れた。

[ク]「ああ!アキさんか!蕪小僧いるよ!」

クロムが玉乗り練習をしながら出迎えてくれた。

[ク]「蕪小僧!!アキさん呼んでるよ!」

そうするとターニップくんがアキの元へ駆け寄って来た。

[タ]「どうしました?」

[ア]「あの~お願いがありまして…。」

かくかくしかじか(部屋に入れてくれないおべけのことを話す)

[ア]「ということで…。やはり男性の方なのでターニップさんなら入れてもらえるかなと思いまして…。

すみません!あまり専門的でないことをお願いしてしまって!」

申し訳なさそうにアキがお願いをしてきた。

[タ]「ああ~。まぁあいいですよ。(本当はクッッッッソめんどくせ~~~。)」

あんまり納得いっている様子ではないが、ターニップくんは受け入れてくれた。

[ア]「はああ!ありがとうございます!!」

瞳を輝かせて嬉しそうなアキ。「お願いします。」と掃除道具を手渡してくれた。


そして。

ガチャッ。ギィ~~~。

ターニップくんはそのおべけの居る部屋のドアを恐る恐る開ける。

部屋を見てみると…。

めっっっちゃっっっオタク部屋!!!!!

壁にはびっちりのポスター、棚にはアクリルスタンドやフィギュアが、部屋全体が推しに溢れまくっている。

あまりにもオタク部屋過ぎて呆然と部屋を見渡しているターニップくん。その瞬間。

[?]「ぎゃあ~~~!?!?敵襲でござる~~~!?!?姫様が危ないでござる~~~!!!」

と叫ぶ青年の声が聞こえ、同時にターニップくんの腕に何かに噛まれた跡がついた。

[タ]「おわ!?痛い!!誰だ!?」

目の前には、鋭い真っ赤な瞳にひどいくまがついていて、頭には黒縁眼鏡。服装はバンパイアに見えるがオタク定番のシャツとジーンズを着たおべけが、こっちを睨んで立っている。

[?]「お主は何者でござるか!!姫様には指一本も触れさせん!!

しかし、見たことのない顔でござるな。まさか新入りでござるか!」

いきなり問い詰められて膠着するターニップくん。その時、部屋中に飾られているキャラに何か見覚えがあることに気付く。

[タ]「あぁああぁ…、ぼッ僕はターニップって言うんだ…。

て言うか君、"ヴァンビちゃん"好きなの?」

その発言にバンパイアおべけは驚く。

[?]「!?おっお主、姫様をご存知でござるか!?」

[タ]「ああ、うん。知ってるよ。僕も好きだったし。」

[?]「はわわ~!!仲間でござる!仲間でござる!よし!お主を歓迎するでござる!」

嬉しそうなバンパイアおべけ。座布団をさぁ座って座ってと言わんばかりに出して来た。


"ヴァンビちゃん"バンパイアをテーマにした、人気歌手。

4話その1はここまでです。長文ご愛読いただきありがとうございました。また、次のお話で。


作・絵 天乃 つくる Hzk(ヘルツク)



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