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おんがく

いつもヘッドホンの中で、小さな小さな私の中だけで
絶えず流れ続けている音楽。 
そんな毎日と打って変わって
たくさんの人と、大きな会場で
力強くも愛のある歌声と轟音に包まれた日。

大袈裟に聞こえてしまうかもしれないけれど
私はカネコアヤノの歌に救われながら
足取りが重い朝も、遠回りしたくなる夜も、
どんな日をも乗り越えて今があります。

「浴びる」という表現をよく耳にするけれど
その言葉ですら勿体なく感じてしまうほど
一滴も零さず、そこにある全てを浸しました。
しんどいな、と思うことが沢山あった10月。
空っぽになってしまったと思っていた私の中に
僅かに残っていたらしいなにかが、ぶわあと溢れ出ました。
理由を明確にできないけれど、ずっと涙が止まりませんでした。

怒りだとか、「負」と表現したくなる感情を
それでいい、それこそが人間だ、と言わんばかりに
色んな形のエネルギーを肯定し、奮い立たせてくれるような歌声と言葉選びが心から好きです。
バンドメンバーの方々の熱量も凄まじくて
どこか叫び音にも似た音が今もなお私の心を打っています。

プレイリストを聴いて私はこの日のライブを無理矢理ずっと延長しています。
ライブ後はいつも聞いている曲の面構えが少しだけ変わるのが好きだし、翌朝起きたら頭の中にたった1曲だけこびりついているのが好き。

今回は目が覚めると脳内で「爛漫」が再生されました。

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