Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z)
呆れ返る程存在するSONYの50mmクラスですが、FEマウント最古参なのが2013年に発売されたSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z)です。
カメラボディ初代ILCE-7系と同時発表でミラーレスカメラの特性を生かした小型軽量高性能を売りとしたレンズですね。
model : 川原みなみ
実は、50mmあんまり興味ないんですよ。
昔の人が「50mmは望遠的にも広角的にも使える」とか言ってましたけど、それ、比較するものが無い、だだっ広い場所なら85mmでも100mmでも広角に見えるし、背景がボケてりゃ望遠って圧縮効果を無視してません?とか思ってしまいます。
人間の視野に近いとか眉唾物で、集中してる時の視野は狭くなるはずなので絶対違うし、ぼーっとしてる時と同じならリラックスしてるとも言えるけど、焦点の定まらない中途半端な焦点距離とも言える訳で、好きで有るあまりに持ち上げ過ぎてる感じです。
「50mmは使わないのか?」と訊かれたら「あれば使う」と答えるし、実際結構使っていて、50mmのマクロは無限のワーキングディスタンス(動ける範囲)が使い易くて大好きだし、撮影に不慣れなモデルさんには最短として丁度良い場合もあるし、使い易い焦点距離は人それぞれなので自分が正しいとは思いませんが、無茶苦茶な理屈を並べて賛美するのは嫌ですね。
model : 安栄美音
さて、このレンズと確か同時発売なのがSonnar T* FE 35mm F2.8 ZA (SEL35F28Z)で兄弟みたいなイメージですが、兄貴の方が圧倒的に人気があり評判も良い、と言う、出來の良い兄貴と出來の悪い弟みたいな感じになっていますw
2021年現在でもヨドバシカメラのサイトで人気順だと兄貴が先頭に表示されて相変わらずの人気者ぶりを見せつけていますが、弟は遙か下、Aマウントレンズに混じって表示さます…
なんだか弟の方に同情してしまい判官贔屓(ほうがんびいき)したくなりますが、以前叩きまくってしまったので手遅れです。
兄貴の方はどうなのでしょうかね。
レンズの構成はゾナータイプと言われるヤツです。
専門的な事は詳しくないのですが、50mmや85mmで多く使われる対称型(プラナー)とかダブルガウス型と言われる構成とは異なり、望遠鏡みたいな、前が大きく後ろが小さい構成をそう呼ぶそうです。
けど、全然違うな(笑)
たぶん、複合した機能を持つという非球面レンズってのを使っているのでレンズ構成の解説サイトにあるような古典的な構成とは違うのでしょう。
SONYさんは対称型(変形も含む)を好む傾向を感じますが、FE 50mm F2.5 Gも違いますけど異色という感じです。
どうやら対称型の方が明るいレンズを作りやすく、ゾナータイプはF1.4とか難しいっぽいようですが、FE 85mm F1.4 GMとかゾナー型に見えますし、他社製の85mmでも同様の構成が見られますので、結局のところ、レンズ構成が違うとどう違うのかは全く判りませんし、色々な型があり過ぎて素人にはさっぱり。
このSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z)と較べられるのは価格が離れていますがFE 50mm F1.8 (SEL50F18F)でしょう。
旧来のF2(F1.8)とF1.4以上の価格差を、同じF値のレンズが青いバッジのご威光を借りたとしても正当化出来るのか判りませんが、発売と同時に購入した人は迷うも迷わないも買うしかなく〝選択の余地はない〟状況だったのですが、FE 50mm F1.8登場後(2016年発売)はそうではありません。
同じスペックなのに価格が3倍違うのはバルト海沿岸からの圧力のようなご威光以外は謎であり、金額的な事を考えると意識したくないと思いつつも気になる存在でありましょう。
比較を~と言いたい所ですが、今回のレンズは借り物です。
更にFE 50mm F1.8も所有しておりませんので、比較する事は出来ません。 がっかりですね♪
Planar T* FE 50mm F1.4 ZAと比較、というパターンも考えましたが、どう考えても後から発売した高額なレンズの方が高性能に決まっておりますので「どの程度違うのか?」には興味があっても直接比較する意味はないですね。
また、個人的に興味がある部分以外は確認していません。
55mmという中途半端に感じる焦点距離はAPS-C機で使った際、85mm /F2.8と同じ感覚なので、当時主流だったNEX(Eマウント)ユーザーにも、いわゆる〝おねーちゃんレンズ〟として訴求する為に設定した焦点距離に思えますが、Fullflame用レンズをAPS-Cで使うと通常描写の厳しくなる周辺部は無視できますのでFullflameでも〝あえてAPS-Cモードで〟という使い方はアリですね。
あと、50mmと55mmの違いは殆ど無いような気がします。
たぶん較べたら多少違うのだと思いますが、同じ焦点距離でもレンズによって違うのはよくある事で、感覚的には同じなので気にする必要はないです。
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z)、重量はたぶん軽いと思いますが、弟分よりズッシリ感はあります。
小さいのは間違いなく小さいのですが、ちょい長めな気がしますしフードの大きさ(外周)はフィルター径55mmクラスと径が同じなので可搬性は実質55mm径のレンズと同じです。
較べると35mm F1.4 Gと長さが殆ど同じ(重さは全然違う)。
付属の花形フードを装着すると案外小型とは言えなくなります。
実際、少々長めに感じる鏡胴ではあるのですが、フードによって更に長さが増し、フード無しのFE 85mm F1.4 GMと長さはほぼ同じになってしまい小型軽量で慎ましい粋なイメージから少々迫力のあるオラオラ感が出てきます。 この辺りは徹底的に粋を貫く弟分とは趣の異なるところ。
と言っても、径が小さいので中学生がイキがってるくらいの微笑ましいオラオラ感です。
フード自体はAマウントの青いバッジの多くと同じく金属とプラの複合で構成されていて金かかってます感があります。 そういえば、弟分もそういう複合構成でしたが、Aマウントとは異なりリーズナブルな価格設定。
遮光と共にレンズ保護(特に衝撃)の観点からもフードは装着するべきだと思いますが、もう少々大人しいフードも検討したい気分なので、純正を保守部品で購入しぶった切っても良いかも知れません(笑)
例によって長い前置きから肝心の描写ですが、絞り開放からシャープな描写を見せ、周辺減光は小型レンズらしく相応にあるものの、個人的には満足感の高い開放描写です。
Planar T* FE 50mm F1.4 ZAの開放のような「なんだこりゃ~」感までは当然ありませんが、必要十分過ぎる高性能。 AマウントのPlanar T* 50mm F1.4 ZA SSMの同じ絞りと同等かちょっと良いくらいに感じます。
そして、開放から色収差がとても少ない。
ただ、この例の場合、真ん中番長っぽい感じで周辺画質(四隅)はイマイチです。 真ん中が良すぎるので尚更目立つ。
ギリ許容出来るのはF2.8くらいで、F4以上、出来ればF5.6に接近させたい気分ですが、長辺に関しては開放でも大きな不満はないレベルを維持しています。
別の場所で撮ったカットでは開放からもう少し良くなっている場合もあるのですが、やっぱり周辺まで良い訳ではないです。
距離も関係するのでしょうが、弟分が大変優れた周辺画質を実現していたので兄貴も、と思っていたものの、これはちょっと意外な展開。 おそらく同じF2.8で比較したら弟の方が周辺画質は上でしょう。
想像の域を出ませんが、周辺も強く考慮した弟分のSonnar T* FE 35mm F2.8 ZAは風景/スナップ向け、真ん中番長の兄貴Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAはポートレート向け、と言ったキャラ付けがされている可能性を尚更感じます。
周辺に弱さがあるとは言え、F2.8に絞っておけば中央は高い描写力、周辺はまぁまぁ不満がない状態で使えるので、ウロウロ徘徊するスナップ用途では後発のPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAより圧倒的に小型軽量で取り回しも良く、描写の差は可搬性の差で埋められると思わなくもなく。
F8になると中央は描写が微妙に甘くなる雰囲気で、F11になると使用可能ではありますが中央は明確に落ちます。
個人的にストロボを使用する際には外光を殺す意味もあってF8~F11の使用頻度が高いので、そこはちょっと…と言う感じですが、最新クラスのレンズはMAX性能の絞りが浅く、F11まで性能を維持するなんてレンズはないように思うので特別悪い訳ではないです。
周辺減光はF2.8でだいたい気にならない時と、F3.2ではまだ少々気になり、F3.5で気にならない感じの時がありましたが、この辺はどうとでもなるので、あんまり気にしなくて良いと思います。
しかし、最近のレンズはホントに性能が良いので開放やF2.8以下の浅い絞りでの描写に不安がなく、この性能なら周辺画質を相殺するだけの大きさと重さの違いがあると感じるので、用途にも依りますがPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAを使うまでもなくSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAで満足ですねぇ。
ともあれ、個人的に要求するのは解像力やコントラストではなく〝ボケ質〟です。 量ではありません。 質です。
これにF値は関係なく、F1.4だろうがF5.6だろうが同じです。
溶かしてしまったら、どんなレンズも殆ど差はありません。
素晴らしい開放描写性能を持っていても口径食が目立ったりボケ状態が好ましくないレンズの開放は使い物にならず結局は絞って使うので、開放描写性能は保険としての要素以外に存在価値はありません。
シャープな描写かどうか、と言うのは先のように開放で遠景を撮るのが最も判りやすくほぼ確実で簡単に評価できますが、ボケ質の確認は同様ではなく様々な状況で試行しないと判断出来ないので、いろいろ撮ってきたものを確認します。
絞り開放でのカットです。
ボケが騒がしく好ましくありませんが、これは個人的に〝ボケの暴れ〟と呼ぶ状況で、開放描写では通常の振る舞いで問題ありません。
F2.8で撮影したカット。
二線ボケが確認出来ますが、F1.4より大人しいので面食らう事はなかったです。
こちらはF2。
後ろボケに二線ボケがワラワラ発生してますが、この状況だと大概出るので普通です。 前ボケの方が二線ボケが出やすいような気がしましたので、そういう点からもポートレート向けキャラ設定の可能性を感じます。
前ボケを二線ボケ状態にするのは比較的容易ですが、後ろボケはなかなか出ません。 手強いですw
こういうカットだと特に問題ありません。
巷の評価で〝ボケが綺麗〟というのを見ていたのですが、特別綺麗という訳でもなく、あくまで普通(問題ない)ですけど、弟分に較べると明らかにボケ質が良いので比較対象が弟分だったのかな?と思います。 または、開放からシャープな描写なので浅い被写界深度との対比から相対的に綺麗に見えるインパクト系。 そういうレンズとても多いです。
或いはズームしか使った事がなく単焦点は初めて、とか。
何れにしても、普段からボケ質の良いレンズを探し求めている身からすると感嘆するような状況に巡り会わなかった事もあるのかも知れませんが〝普通〟としか。 ボケは主題を邪魔しない普通(問題ない)で十分に良いんだけど。
ただし、二線ボケは少ない。 F1.4より暗いので目立たない事があるとしても、本当に少ない。
が、人物撮影で使うような逆光キラキラ状況だとちょっと話が変わってきます。
開放と一段絞ったF2.5で、背景は椿でしょうか、濃い緑色の葉っぱが太陽光を反射してギラギラしてる良くある感じの状況です。
ボケが暴れているのはいつもの事で気になりませんが、点光源描写は固めで柔らかいイメージはありません。 でも大概こういう感じに写ると思うので特別何かがある訳ではないですね。
多少点光源には渦巻きが見えますが、気にはなりません。
F2.5では暴れも落ち着き点光源の硬さも和らいできましたが、まだ少々不安定感があり、大きな問題として、早くも絞り羽根形状が露呈しました。
自然光環境下、1段しか絞っていないのに9枚羽の円形絞りにしては耐性が低いですね…
その辺りをハッキリさせる為、イルミネーションで確認します。
イルミネーションは点光源描写、羽形状や口径食を確認するのに役立ちます。 青いイルミだとアラが出やすいので青をメインにしています。
開放から、F2、F2.2、F2.5、F2.8をトリミングしました。
開放
開放
F2
F2.2
F2.5
F2.8
これは、、、円形と言って良いのか微妙過ぎるwww
開放は無理矢理円形とは言えますが、完全な円ではないです。
レンズを見ると弟分やPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAと同じく、このレンズも絞り開放の状態から絞り羽根が見えており、その影響が出ていて〝完全円形と呼べる絞りは存在しない〟です。
弟分程酷くはありませんが、Planar T* FE 50mm F1.4 ZAのように絞ると丸くなると言う事はなく、緩やかにではありますが更にカクカクしてゆく。
縁取りは殆どないのですが、多めの渦巻きが結局縁取りみたいになっていて、なかなか強めなので影響が出ると考えられます。
所々縁が過剰に目立ち煩く感じるので状況によっては影響が出る可能性が高いのですが、1段絞れば殆ど問題なく、F3.5辺りで気にならない状態になります。
口径食は思いの外穏やかですが、削減するにはF4.5程度は絞る必要があり、その時には羽形状が既にカクカク。 気にならない程度がF2.8~F3.2程度っぽいので、絞り羽根形状との兼ね合いから、F3.2やF3.5辺りの絞りが描写が安定し安心して使えるように考えられます。
現実的なところ、輝度が高くコントラストの高い状況、要するにイルミネーションとか、夜間ですとか、そういう状態だと気になる事が多いと考えられますが、通常の使用に於いては露呈する事は多くないと想像する事と、ラボ的なテストで予測してもホントのとこ判りませんね。
主目的が〝おねーちゃん撮り〟なので実際に試してみましょう。
model : 川原みなみ
開放
口径食とボケの暴れが目立ちますがピンはキッチリしていて性能が良い事が判る描写。
開放
このくらいの距離だとピンはちょっと甘い感じがします。
前ボケは二線ボケになり易いですが、ボケ量は少なく大人しいので無視して良いレベル。 こういう二線ボケは嫌いじゃないです。
F2
手前は煩くなっていますが、絞れば問題ないパターンです。
model : 安栄美音
開放とF4
周辺減光の影響なのか開放の方が暗く感じたのでちょっと増感気味。
開放は点光源が無様に潰れ煩く情けないのは仕方がありませんが、この葉っぱがピカピカな良くある状況ではF3.2とかF3.5くらいは絞りたくなる感じです。 点光源自体は良い感じに思えますが、ボケ量を増やすと羽根形状が露呈して危険かも知れません。
全身を開放とF2.8で。
開放ではボケが暴れており見栄えが良くないのと、光量が十分な明るい晴天下でもやっぱりピンが甘いのでちょっと絞る方が確実ですね。
F2.5で寄りました。
近接だとあまり絞らなくても平気ですが、まだ後ろボケに落ち着きがなく暴れているように感じます。
F2.8です。
難しい状況なのでアラが見えるのは仕方がないのですが、かなり良い感じです。 ま、こういう状況は絞り込めば良いだけなんですけどねw
明るい時間帯は無難にこなしていて文句ありません。
F2.5とかF2.8だと周辺は今ひとつ安定しておらず、最低F3.5くらいには絞らないとスッキリした感じにはならないのですが、それさえしておけば破綻する事は殆どなく後ろボケはド安定です。
懸念していた強い点光源も特に気になる事はなく、最後のカットは点光源が心配だったのですが、問題ない感じです。
光源描写に問題が出やすい夜間はどうでしょうか。
あいにくイルミネーションの季節ではないので、普通の夜です。
双方F2.5
相変わらず性能の良さを見せつけています。
点光源周囲の変色は少なく感じる問題ないレベルですが、渦巻きが硬さを演出していて円形を維持出来ていない絞り羽根のカクカクと口径食が目立ちます。
F2.5
ボケ量を少なくすれば渦巻きもカクカクも目立たなくなりますが、口径食は変わりません。
一部点光源が主張していますが、これは〝所々縁が過剰に目立ち煩く感じるので状況によっては影響が出る可能性が高い〟だと思いますので、口径食の削減も含め、もうちょっと絞った方が良いですね。
開放
絞ってもカクカクなのでどうせなら、と思い開放で撮りましたが、やっぱ歪んだ点光源は好きじゃないし主張が強いなぁ。
ボケ具合は良い感じなので、点光源の主張の強さと〝所々縁が過剰に目立ち煩く感じるので状況によっては影響が出る可能性が高い〟が尚更目立ちます。
夜間はやっぱり厳しいですねぇ…
軸上色収差に起因すると思われる光源周囲の色づきが少ない(殆ど気にならない)のは好印象なんですけど、常に点光源の有無を意識する必要があるので無神経に撮る訳にはいかないなぁ…
得手不得手が判りやすいキャラではあります。
全体的に、人物撮影の距離でも絞り開放で十分な先鋭感を発揮していますが、口径食とボケの暴れは相応にあるので1段以上、出来れば2段絞りたい感じです。
ボケに関して溶け方に問題はありません。 ボケというのは通常主題ではなく、主題を邪魔しない存在であれば良いので日中普通に使う分には何の問題もないですね。 二線ボケの少なさは特筆すべきで、前ボケの方が出やすい傾向はありますが確率は少なく、前ボケを入れなければ通常なにも気にする事はなく無神経に撮れます。
夜間は、ちょっと避けたい気持ち。
これは仕方がないのですが、普段F1.4を使う感覚だと、開放F値が抑え気味でも口径食を削減するには1.5段以上絞る必要があるので、開放F1.4がF2.5とかF2.8で撮影可能な状況でF3.5とか更に絞らないとダメなのは使いづらく、F1.4とF1.8の違いを見せつけられた格好ですかね。
使い勝手で気になったのは〝寄れない〟事です。
弟分も寄れない弱点がありましたが兄貴も同様で、おねーちゃんを撮る分には全く困らないものの、スナップのような用途では使いづらい。
そもそも平均的な50mmレンズは最短撮影距離が45cmとか寄れないレンズが多く、Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAは50cmと数値上は5cm差なので差は少なく思えますが、実際に使うと案外と差があります。
小型軽量で取り回しもし易いもんだから、ついつい寄ってしまうと言う事もあるのですが。
下はF2.5ですが軸上色収差が確認できます。
APOレンズやらEDレンズやらUDレンズってのを使っていないので、使っているレンズより出る事は出ますが、少ないですね。
絞ってゆけば解消するはずで、開放でもあまり目立たないので過剰に気にする必要はないと思います。
フレアやゴーストは相応に出ますが、通常使用する限りは気にならないと思います。 けど、この〝気にならない〟は感覚の問題なので。
この感想文の為に最近50mmの使用頻度が高かったのですが、やっぱり50mmは50mmで85mmの変わりにはならず、双方を同様に〝ポートレート向き〟とする昨今の世情は違和感が有りますね。
これが100mmであれば使い勝手は85mmと大きく変わらず、趣向や作画意図、焦点距離的状況(要するに狭い場所)の問題になってくるのですが、50mmでは85mmと同じ感覚で撮影する事は出来ない。 その逆も然り。
逆に1本で合わせるには中途半端で最適だと思いますが。
昔の人が「ズームレンズは単焦点3本分」と言っていた事はまさに真で、その焦点距離にはその焦点距離なりの扱いがあって、同様に扱うのは宜しくないです。
あと、これは趣味というか感性の問題なんですけど、同じ場所で撮った二枚を較べて欲しい。 このレンズ固有の話ではなく、50mmクラスの話。
1枚目がSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAでF2.5、2枚目が85mm F1.4をF2.5で撮ったもの。
単純なボケ量とかじゃなくて、まぁ、それも含めてなんだろうけど、50(55)mmと85mmとでは空気感というのか絵面から発する何かが全然違う訳でして、状況やら何やらが違えば違う感じになると思うし、善し悪しに関しては趣味とか感性の問題ですけど、同じではない事は確実なので、やっぱ同列に考えちゃいけない。
あ、先に載せている開放で手にピンを持ってきたカットに較べて光源描写は良い感じになってますよね。 開放はボケ量が多いだけで、必ずしもボケ質が良い訳じゃないです。
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを一通り見てきました。
検索すると「神レンズ」と称している方もいるのですが、発売からたったの三年後、より明るいレンズ(Planar T* FE 50mm F1.4 ZA)に全ての描写であっさり追い抜かれる神様ってヤバいですねwww
このレンズの良さは〝小型軽量ながら適当に明るく絞り開放から十分にシャープな描写をする〟です。
回避不可能な弱点があるので〝神〟と呼称するほど絶対的/強烈な存在ではなく、むしろF1.8(F2)クラスらしい〝ちょうどいい〟感じの性能です。
描写で考えたら後発のPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAに勝る部分は無いに等しいと感じますが、運用に際して重視するのは描写性だけでなく可搬性が重要な局面も多々あります。 先に書いたようにPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAはデカイし重いし(高額だし)、そこまでの性能は必要無い人や状況もあるので、寄れない事と夕刻から夜間の光源描写を妥協すれば、殆どの場合、Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAでいい。
〝でいい〟と言う程安価ではありませんが、弟分に較べたらぼったくり感は少なく感じるので、ボケ質という要素を完全に忘れ去った弟分と較べたら日中であれば撮影対象や状況を選ばず安心して使用出来るC/Pに優れた良いレンズだと思います。
多少欠点があってもF1.8と言うのは、あらゆる状況に対応する事を要求されるクラスではないのでそれは問題になりません。
発売時にはこれしかなかったし値段が値段なので〝あらゆる状況に対応する事を要求されるクラス〟で有った訳ですがwww
冷静に考えて、F1.8がF1.4を超える事は設計年数が同程度であれば不可能な事も良く判る結果で、数万円足すと同じF値で撮影した場合、殆ど全ての描写で確実に上回る更に明るいPlanar T* 50mm F1.4 ZA SSM (SAL50F14Z)が射程内なので、ガチでおねーちゃんを撮るという用途に関しては素通りしても問題ないと思いました。
〝小型軽量ながら適当に明るく絞り開放から十分にシャープな描写をする〟事を重要視すれば別です。 何度も繰り返しますけど、ここはホント魅力に感じます。
FE 50mm F2.5 Gの狂気とも思える価格を考えたら安く感じるし、弟分と比べればC/Pがよく思えますが、倍程度の価格差でPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAがゲット出来ると考えると微妙過ぎる点も考えざるを得ません。
あと3割程安価であれば間違いなくスーパーレンズで、Planar T* FE 50mm F1.4 ZAを所有していたとしても普段使い用として「(資金があるなら)買わないのは愚か」、とまで言いたい気分ですが、一般的にF1.4とF2(F1.8)の価格差は大概3倍くらいで、撮影状況によっては全く差がなく無駄な買い物になる事もある訳ですけど、同じF値となると、FE 50mm F1.8を使用した事がないので判りませんが、、、うーん。
FE 50mm F1.2 GMとは殆ど3倍なので(Celebrityの)サブとしてはそっちかな。 おほほほ!
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