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宝塚のメイクが恐怖でしかなかった女がファンになるまで


舞妓、ピエロ、バカ殿、、、

白塗りがダメなんです。怖すぎて。

昔、父がほんのイタズラ心から
新聞に載ってたバカ殿をの写真を切り抜いて
私の勉強机に貼っていたことがあるんですが

それを見つけた時の私の大絶叫
驚いた父が失禁しかけたという逸話があります。

人間離れしたメイクがどうしても怖い………

そんな私が中学生の頃、
阪急電車に揺られながら視界の隅にチラチラと
写り込む宝塚歌劇団のポスターをみて思った。
すげえ顔だな」と。

当時宝塚のメイクにバカ殿やピエロと同じ様な
「人間離れした怖さ」を感じた私は、
極力ポスターを見ないよう俯いて通学してました。

……数年後、あのポスターをまじまじと眺め
えっ、今回のビジュアルめっちゃよくない?
とか言っているとはつゆしらず。

中学に入学してすぐの頃。
友達に「ダンス部が新入生歓迎会をやるらしいので
観に行かない?」と誘われ

興味ないけど当時はとにかく暇だったので
なんとなくついて行ったんですよね。

そしたらダンス部が占領している校庭の隅の方で
なにやら怪しい動きをしている3人組を発見してしまいまして(しかもよく見たらクラスメイト)

もはや私の視線は興味ないダンス部なんかよりも
その3人組に釘付け。面白そうだったのでちょっと話しかけてみると、

ちょっ今、宝塚ごっこしてるから!!
と言われたのを覚えてます。

よくわからないまま、
彼女達のただならぬ雰囲気に圧倒されていると

「次はオスカル様がバスティーユに行くとこね!」
(一斉にポジションに着く3人組)

「ゆ〜こう〜!!」

みたいなことが行われてて、

正直ドン引きでした。
(ごめんなさい)

ただ、3人の真剣さと異様な熱量……
それにだんだんジワジワきてしまって。
込み上げる笑いを必死に我慢しながらずっと見てると、なんか宝塚に興味が出てきちゃいまして。

「これの本家、見てみたい」
そう呟いた私に、翌日その中の1人が
ベルサイユのばらのDVDを貸してくれました。
まずはこれ、みてみんしゃい」と。
(実際に彼女はこう言い放ちました)

その日帰って速攻観て、
感動してテレビにすがりついて泣きました。

ごっこ遊びではただ「拳銃で撃たれてる人」だったのが、「目が見えないのを隠してまで最愛の人を守り続けた人」に変換された時の感動ったら
………ない。

翌日には校庭の隅で「宝塚ごっこをする4人組」
になってましたよね。

ただ当時はベルばらのストーリーが好きだったので、やっぱりあの特有のメイクには慣れなくて。
DVDとかでもめちゃくちゃドアップのシーンは
薄目で観たりしてたんですが

ある日その子が「チケットあるから観に行く?」
って言ってくれたんです。

学校帰り、劇場に向かう途中の電車で
その子が既に購入していた公演パンフレットを
見せてくれたんですが、表紙がトップスター様の
顔面ドアップだったんですよね。

正直心の中で「おやっ」と思ったんですが、
「いやいやいや、逆にこんなアップで顔を見れることなんてなかなかないぞ?」と思い直し、
恐る恐る表紙をみると

めちゃくちゃ美しい!!!!!!!

なにこれ……めっちゃ綺麗……お人形さん?
てか、近くで見れば見るほど綺麗………

で、初めて知ったんですよね。
タカラジェンヌって美人なんだなぁって。

で、もうそっからは沼です。
その後実際に劇場でみたタカラジェンヌは
写真や映像より何倍も美しくて。

ちゃんと見もせず、ポスターみただけで
「宝塚苦手」とか思ってた自分が本当にバカらしい。

もちろん歌もお芝居も素晴らしくて、
「こんな世界があるんだ………!」
と間違いなく人生で一番感銘を受けた瞬間でした。

そしてなにより、宝塚は私に
偏見を捨てることの大切さ」を教えてくれた。

偏見を捨てれば
こんな素晴らしいものに出会えるんだ…!

中学生の時に学んだこの教訓は今も胸に
深く刻まれています。

間違いなく宝塚が私の人生を豊かにする
きっかけを与えてくれた気がします。

心から宝塚に出会えてよかった。
宝塚は私の人生の転機です。

ありがとう、宝塚ッ……万歳ッ!!!!!!!


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