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ティラノゲームフェス2023お薦め作品紹介④正義!キャラクターがかわいい&美しい作品

 5回の連続記事、4回目です!

  1. 謎と展開にハラハラするミステリー・サスペンス

  2. 未来は幸せ?それとも…なSF

  3. しっかりゲームプレイを楽しむ探索・アドベンチャー

  4. 正義!キャラクターがかわいい&美しい作品(今回)

  5. プレイするあなたの心と倫理観を揺さぶる一品

としてそれぞれ3~4作ずつ選び5日に渡り紹介しています。
今回は第4回、

「正義!キャラクターがかわいい&美しい作品」

になります!かわいいは正義!!美しいも正義!!!しかし、かわいい、美しいというのは単にグッドルッキングのことではありません。そこにゲームとしての創意工夫、そして愛情が込められているからこそ、かわいく、美しくなるのです。


1:千代に八千代にアユミズム

ジャンル:青春・恋愛ノベルゲーム
プレイ時間:1時間
一言お薦めコメント:なぜ僕にはあゆむのような幼馴染がいなかったのですか?
こんな人向け!:青春を全力で味わいたい人
注意:シナリオにおいて、特定の思想を差別・助長する意図は全くございません。
作中に個人の嗜好上苦手な要素が含まれていた場合は、合わなかったな~!とひっそりとUターンしていただけますと幸いです。

 幼馴染に二度目の告白をする、その一日をどう過ごすかを選んでいく青春・恋愛ノベルゲームになります。
 とにかく、このサムネイルのあゆむが私にどストライク過ぎてホームラン過ぎてそれだけで遊びました。ショートヘア大好きの私にぶっ刺さりました。
 
実際に物語を読み進めていくと、単に見た目だけはなく、あゆむとのやりとりやその姿が本当に愛おしくて、「こんな幼馴染がいて欲しかった…!!」と思わされます。あらすじに「最強に可愛い幼馴染」と作者自ら書かれているだけのことはあります…!
 そして今作はあゆむのかわいさに加えて、ゲーム全体のグラフィック、日常感にあふれたテンポの良い会話、やりすぎない程度のギャグ、そして定番のフリーBGMをてらいなく使うことから来るポップさと心地よさが交じり合い「ずっと見ていられる」作品になっています。
 その上でストーリー的な捻りもあって、それがこちらに爽やかな波紋を起こしてくれるのも今作の良さです。軽さもあるけど軽すぎない、ちゃんと大事なことが描かれている、そんな作品で、またあゆむに会いに行きたいなと思わせてくれます。
 私にとって青春ものの魅力とは、自分の過去の青春をリフレインさせて、「あんなことあったなぁ」「自分の時はどうだったかなぁ」「こういうことがあったら、当時の自分も今の自分もちょっと違ったのかな」など思いを巡る時間をもらえることだと思っています。今作はまさにその感覚をたっぷりと味わうことができました。ポップさと裏腹に確かなものがある素晴らしい作品です。

 今作、実況をしているのですが私があゆむのかわいさに悶絶しているところが気持ち悪いのでご了承の上ご覧ください!

2:BLACK HOLE DINER

ジャンル:ブラックホール擬人化対話ノベルゲーム
プレイ時間:15~30分
一言お薦めコメント:ほんわかと宇宙のスケールを感じられる
こんな人向け!:ちょっと休憩時間にまったり遊びたい人、宇宙が好きな人

 ブラックホールを擬人化(!)したブラホちゃんと料理や対話を楽しむノベルゲームとなります。作者自作だというポップで浮遊感のあるBGMが最高です。それにブラホちゃんのスタイリッシュなかわいさ、アメリカのダイナーの雰囲気を再現しつつコズミックに色彩を変位させた店のデザイン、僕らの世界の料理と似ているけどちょっと違う不思議な宇宙の料理と、全てが非常におしゃれで「宇宙空間じゃないけど宇宙だなと感じてしまう」統一された世界観を醸し出しているのが素敵です。今作は「素敵」という言葉が似合います
 また、ブラホちゃんの発言が非常に独特なスケール感で、見た目と裏腹に「あ、この子僕らと根本的に違うわ。これがブラックホール擬人化か、これが宇宙か」とちゃんと思わせてくれるのが面白いです。もっと色々なことを聞いてみたいと思います。途中に出るイラストもハッとするかわいらしさと空気感があり、宇宙感を盛り立ててくれます。非常に短い作品ですが、その中でちゃんと宇宙を感じられる良作です。

3:ままごとのショーティカ

ジャンル:密室対話型ノベルゲーム
プレイ時間:30分
一言お薦めコメント:物語が進むのが辛くなるぐらいに愛おしい作品
こんな人向け!:ノベルゲーム好きならおそらくは皆好きかと…!

 人形のショーティカによって突然不思議な部屋に閉じ込められそこで彼女と交流する作品です。会話を通じて彼女の過去を知ったり、かわいらしい彼女を撫でたり、閉じ込めたことを抗議したり、攻撃したり…。行動によって物語は進み、部屋とショーティカに変化が起きます。
 とにかくショーティカの差分が多く、一言一言どんどん動きます。その動きがとにかくかわいらしく、愛おしいのです。ショーティカの多彩な表情は同時にストーリーテリングとしても意味を持っています。そのいとおしさが、プレイヤーの行動を悩ませ、考えさせてくれます。
 監禁という状況、会話して知ることになるショーティカの物語、そしてこのあと来るであろう事態のことが想像されゲームを進めるのが辛くさえなってくる瞬間があるぐらい、物語とデザインが共鳴し素晴らしい世界観を作り出しています。あの時の姿とか大好きなんですけど、ぜひ自分で見て「はっ」としていただきたい…!本当に美しく、かわいく、切なさを感じさせてくれます。
 ショーティカがする昔話や言葉遣いからも、かわいらしさとその悲哀がとめどなく溢れてきて、感情を常に揺さぶってきます。抑制的なクラシックの曲が本当に今作には調和しているのも特徴です。今回のサムネイルのショーティカの姿がいいなと思った方は必ずプレイしていただきたいです。とにかく鮮烈で、思い出すだけで心の奥が少しキュッと締められる、そんな美しくも優しい物語です。

4:常夜の国のアリス

ジャンル:闇深和風微ホラーノベル
プレイ時間:1~2時間
一言お薦めコメント:ノベルゲームのお手本のように丁寧
こんな人向け!:猫好きの人、切ないホラーゲームが好きな人、「不思議の国のアリス」が好きな人

 夜が続く世界へと迷い込んでしまった少女が、脱出を目指す中で怪異に立ち向かっていくホラーノベルゲームです。

 今作、とにかく絵がいいんです…!

 もうこのサムネイルがいいじゃないですか!!造形が美しいのはもちろん、男性の両手の位置が物語をほのめかしているように見えて、背景の猫の視線が非常に意味ありげに二人を見ている、この姿だけで「これはいい作品だぞ」と確信が持てます
 キャラの造形、今の日本や過去の日本と少し違う異世界の描かれ方、全てが本当に美しいです。ヒロインの目の変化で物語のセリフだけではないニュアンスを語るという手法が使われていて非常に印象的です。一部は怖ささえ感じます。
 折に触れて表示される一枚絵は息を飲むような造形的美しさがありつつも、今の状況や登場人物の感情をわからせる機能的なすばらしさも兼ね備えています。特にEND2の一枚絵が印象的です。とても僕好みの怖さと美しさがあるのでぜひ見て欲しいです……!タイトルからもわかるように不思議の国のアリスがモチーフの一つとなっていますが、私たちがアリスに感じる美しさと不思議さがまた違った形で体現されています。
 また、今作の作者様には「ここまでの二作に必ず猫が出ていて、その猫の鳴き声に作者様の飼い猫の声が使われてる」という特徴がありますので猫好きの方はぜひ遊んでみてください!
 『猫と一緒に心の闇と向き合う』とあらすじに書かれている通り異界での出来事を通じて少女が成長をするという青春ものとしての一面もあり、彼女の成長を感じ取ることができるのも感動を増してくれます。
 とにかく作りが丁寧で遊んだ後思わず拍手をして「いいノベルゲームで遊んだなぁ」と口から出てきました。非常に要素の多い作品でありながらそれらが美しくまとまっている、お手本のような作品です。

今作は実況をしています!


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