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「謎は全て解けた?ミステリーってなんでこんなに面白いんだろう」【文化系ポッドキャスト「エンタのサブロク」第21回おまけ】


音声はこちらから!

おまけの話(視聴後に読んでね)

舞台裏

 先日エンタのサブロクは20回を迎えました。キリのいいタイミングなので、改めて「これからはどんな話をしていきたいか」という話をしました。その中で「久しぶりにジャンルについて語る回をやりたい」という話になりました。私たちの過去回ですと第二回でホラーについて話しましたが最近はあまりできていませんでした。

 もともとエンタのサブロクを立ち上げる際にそういうジャンルの話はしたいよねという話はしていましたし、私たちが強烈に影響を受けている「アフター6ジャンクション2」でもそのようなジャンル論をよくやっていますし、原点回帰という意味を込め「21回はジャンルの話にしよう」となりました。
 そこでジャンルを選ぶこととなり、ちょうど新本格ミステリーを読み始めたりマダミスサークル「みかんぷらねっつ。」に正式所属したりと最近の私がミステリーづいていることからテーマを決定しました。私の個人的な事情から決まったものですが、ミステリーは多くの人にとって親しみのあるテーマですしちょうどよかったのではないかなと思っています。
 事前の話し合いでは、私が読んだ「十角館の殺人」「殺戮へいたる病」を最中さんがすでに読んでいたのでそこはネタバレしないように触れること、そもそもみんな謎に惹きつけられるよねという話はしたいということを私の方から最中さんに共有しつつも、今回は打ち合わせが少なかったように感じます。まるで互いに「謎を持ち寄る」ように収録に入りました

二人のスタンスの対比がよく見える回

 今回打ち合わせが少なかったのもあるのか話に少し噛み合わないところもあったかもしれません。実際、最中さんも終わった後に少し気にしていましたし、編集で間やトークの一部を切るところもそこそこありました。一つの原因として、普段エンタのサブロクは「最中さんの話を日向日影が受ける」のが基本形なところ、今回は「日向日影の話を最中さんが受ける」というスタイルになっていたのがあると思います。
 それゆえにもしかすると普段より聴きづらい回だったかもしれませんが、とはいえ二人のコンテンツに対するスタンス・アプローチの対比が顕在化して面白い回になっていると思います。
 
具体的に言いますと、

日向日影:

物語が心を動かすシステムやメソッドとしてミステリーが持つ強さの話

二月最中:

二月最中:ミステリーという強さの元で描かれる物語で人がどう心を動かされるかの話

をしていたなと思います。この対比に互いの感性や志向が現れていると考えると非常に面白いです。
 ところで、このような構造は過去のエンタのサブロクにもあったかもしれません。例えば第一回で「実況」の話をしていますが、この時にも私がシステムの話をし、最中さんが物語の話をしていたなと改めて考えると気づきました。これを期に過去のエンタのサブロクを聴き直してみるのはいかがでしょうか(宣伝)


突然のミニコント

 今回、オープニングにおいてミステリーパロディのミニコントを取り入れてみました
 最中さんから「コントをやりたい」と打診され、私が「さすがにアドリブはきついのでやるのなら台本書いてほしい」と依頼し最中さんが台本を書いたものとなります。いかがでしたでしょうか?私はボイスなど台本を書くことはありますが他の方の台本で演技をすることはほとんどないのでとても面白かったです。
 TRPGやマダミスのロールプレイ、ゲーム実況でのセリフ読み、配信者としての喋りで昔よりはこういう演技もできるようになったかなと思います。それにしても最中さんはナチュラルにうまいですよね…。あと不死身探偵ってそういう意味なの…?


今年ももうすぐ終わり

 今年ももうすぐ終わりですね!
 一年間、この「エンタのサブロク」を続けられたのはひとえに聴いてくださる皆様のおかげだと存じています。今年は予定ではもう一本収録できればと思っています!まだ確定ではないですが公開されたらぜひ聴いてください!!


用語解説

とっぴんぱらり(とっぴんぱらりのぷぅ)

「めでたしめでたし」と同じように、物語の結句として主に昔話で使われる言葉
 もともとは秋田県の方言であり、秋田において昔話(方言では「むがしっこ」と呼ばれていたらしい)の最後に「聞いてくれてありがとう」という意味でつけられていた。また、万城目学の小説にこれをもじった「とっぴんぱらりの風太郎」というものもある。


森博嗣

 日本を代表するミステリー作家にして工学者。その見識を活かしてミステリーとSFを融合した作風で世界的に評価されている。代表作は「すべてがFになる」「スカイ・クロラシリーズ」など。文芸雑誌「メフィスト」出身でメフィスト賞の初代受賞者である。ミステリーをミステリィと書くことでも知られる。

…と通り一遍に書いてみたものの、実は日向日影は「すべてがFになる」を途中で断念して以来読めていません。これを期に再挑戦しましょうか。エッセイも多いのでそちらから入るのもいいかもしれません。


オッカムの剃刀

 哲学者ウィリアム・オッカムに由来する哲学の理論。「必要以上に多くの過程を立てるべきではない」「シンプルな理論で説明できるものこそが真理に近い」という考え。哲学・人文科学・自然科学・医学・ビジネスなどさまざまな分野で現在においても広く用いられている
 たとえば医師の診断において「一人の患者に多くの症状が出ているとして、個々の症状にバラバラの診断を下すより、全ての症状を説明できる一つの病気があるならそれが真の症例である可能性が高い」などと考える理論。
 対照的な概念として「ラプラスの悪魔」がある。


おばあちゃんのぽたぽた焼

 亀田製菓から販売されている砂糖醤油をぽたぽたと塗ったせんべい。
 独特の強い甘さとサクサクの食感がおいしい。日向日影は子どもの頃よくぽたぽた焼を食べていた。最近はせんべいを食べるなら硬いせんべいとぬれせんべいを行き来しているのであまり食べていない。
 個包装の裏に「おばあちゃんの知恵袋」という小ネタが書かれているのも面白いのですが、今公式サイト見たらおばあちゃんがNFTの話してるんですけど…?


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