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最近遊んだ・遊んでるゲームを一気にレビュー(2024年2月編)

1月版はこちらからお願いします。

2月はそもそも遊んだ作品が少ないんですよね。MTGアリーナの新環境が面白くて…。白青コントロールは至高……。

有料インディーゲーム

ALTER EGO

 1月Replicaを遊んだ際にGoogle Play Passの無料体験を使ったので、無料の間に他にも遊ぼうと思いまして、かねてより評判を聞いていた今作を遊びました。
 自分探し系タップゲームということで「オルターエゴは心理学用語だし性格分析が入ってるタイプの作品かな…?」と思いつつやったのですが、いい意味で全然違うゲームでした!!あれです、今作知ってた人、こういうゲームだったら言ってくださいよ!って感じです。
 はっきり自分の癖(へき)にぶっ刺さる作品でした。やばかったです。マジでのめり込みました。裏で作品にもっていかれそうになってました。文学がモチーフになっているところがあるので、そこで紹介されていた名作には読んでいないものも多かったため青空文庫を開いたりもしました。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」はまだ積んだままだ…!
 ただ、どんなジャンルなのかを言ってしまうと完全にネタバレになってしまうのでここでは言えません…。あれとかそれとかが好きな人なら絶対好き……ってそれも全ての作品のネタバレになってしまう…!

フリーゲーム

Sheepy:A Short Adventure

※日本語未対応の作品となっています

 羊のぬいぐるみが荒廃したサイバーパンク世界を冒険する短編アクションアドベンチャーです。短編とは本当にクオリティが高くこれがフリーゲームなのはサントラを売っているとはいえすごいことです。
 今作は音楽系youtubeチャンネルの作品ということもありアンビエント的なのBGMが全般的にすばらしいです。ただ、単に音が素晴らしいだけではなくその音楽と映像、ゲーム性、UI、ストーリーなど全てが高レベルで調和しているのが素晴らしいです。
 青を基調とした光源やズームやパンなどカメラワークにもこだわった映像、そして今作の白眉だと思っている強さやタイミングや方向性が計算されつくしたゲームパッドの振動、そして操作性の高さから来るアクションの気持ちよさが調和して、ゲーム体験と映像体験が素晴らしいレベルで両立していました。1時間強で終わる作品ですしぜひ遊んでいただければと思います。ジャンプアクションが場所によってシビアなところがありますがミスしたところからやり直せますのでストレスなくチャレンジし続けられるでしょう。
 日本語未対応ではあるのですが、操作方法とおおよそのストーリーはおそらく映像を見ているだけでもわかるでしょう。ただストーリーをより深く知るためのフレーバー的な文章を理解するのは英語が必要になってくるのでそこはご了承の上遊んでみてください。以下から公式のサントラを聴けば遊びたくなるはず!


アクアリウムは踊らない

 異界と化した水族館からの脱出を目指すホラーアドベンチャーゲームになります。水の表現がとても美しく、キャラクターごとの物語に引きつけられ、ちゃんと怖がらせてくれる、そして実はとても魂のこもった「熱い」作品です。パニックホラー系のツクールホラーですが謎解きや逃走の難易度も適度で楽しめる作品となっています。
 もともと前編の段階から素晴らしい作品でずっと期待していましたが、この度待ち望んていた完結を迎えました。非常に素晴らしい結末で私は感無量です。今作は個別でレビューを書いているのでぜひ遊んで、そして読んでみてください!とにかく圧倒的なパワーを持っている作品なので、見た目のクールさとは裏腹の熱を感じて欲しいです!

おとぎ人形劇 Hensel’s Gretel

 ヘンゼルとグレーテルをモチーフとした姉弟のホラーノベルゲームとなります。
 今作はタイトルが「ヘンゼルの『の』グレーテル」となっているのが「あっこれはダメなやつ(誉め言葉)」と思いプレイしました
 人形劇スタイルの語り口は非常にかわいらしく、だからこそそのほのぼのとした雰囲気からどんどん話が怖く進んでいくのが非常にぞくぞくします。 
 また、例えば人形とそれを結ぶ糸のあまりの多さが暗示的に恐怖を伝えてきたりと、ストーリーと恐怖を伝えるための演出が細部まで工夫されています。演出やBGM、映像など言外にメッセージをこめているので隅々まで味わってほしいです。あの決定的な一枚絵には強く心を動かされました。その上で全てを読み終えた後、作品紹介に書かれた「あべこべ」という言葉の意味が強烈に刺さったのを覚えています。怖いだけではなく「はっ」とさせてくれるようなこちらに訴えてくる作品です。特にあるエンドのラストは、私たちがゲームを通して物語を「見ている」ということを最大限に生かしたとても好みの演出で、本当に楽しませてもらいました。ぜひ全てのエンディングを見て欲しい作品です。

Forever Time

 5年間かけて作ったという映画好きな青年と写真家を目指す少女の物語です。分岐はほとんどないのでほぼ読む作品となります。
 「new cinematic novel game」を名乗る通り映画的な演出が各所に織り込まれています。実写を取り込んだ映像が動画や一枚絵で使われ独特のエモさを醸し出しています。また映像の切り替わりやBGM・SEも非常に映画的な演出が取れ入れられ、ノベルゲームではなかなか味わえない新鮮な驚きがあります。淡い色の中で、私たちの人生にありそうでなかった、友情ともロマンスとも違う繊細な感情の動きが描かれていて、地上波の夜中に気がつくとやっていそうな青春ものの邦画のイメージが浮かびます。また文章も素晴らしく、セリフ回しやモノローグ一つ一つがナラティブとして練られているのを読んでいて強く感じる作品でした。
 そして今作の最大の特徴は「構図」によるシーンや感情の表現が多用されていることだと思います。その表現があまりにも見事で、とにかく感情が動かされます。まさに「エモい」という言葉がびっくりでしょう。主人公を映した終盤の一枚絵は本当に強く思い出に残っていますし、最後に呈示された絵には思わず涙が流れました
 「一本の映画を見たような」、というより今作はノベルゲームという形式で作られた映画だと思います。ぜひ一本短編映画を見るつもりで触れていただきたいです。きっと心に何か一つお土産が残る、そんな作品です。
 また、作者様自らnoteに創作のきっかけや過程を書かれています。主人公の苗字が意外なところから取られていたり、イラストレーターさんとの数奇な出会いなど、「そりゃあ名作ができるわ」という、「物語」に溢れた素晴らしい記事になっていますのでぜひ作品と合わせてお楽しみください。


ドキドキ!?魔法学園[:ルーキー:]

 バーチャル空間で魔法バトルをする「魔法部」に入部した主人公と部員たちの奮闘を描いた青春ものノベルゲームになります。
 今作はとにかく今年遊んでいて最もシンプルにテンションが上がったゲームです。今考えるだけでも嬉しくなってきます。
 VRゴーグル的なものをつけてバーチャル空間に飛び込むのですが、デバイスをつけてバーチャル空間に飛び込むときの、そのデバイスの映像やUIがバッキバキに決まっていてとにかく必見です。あれを見たらみんなテンション上がるはずです!新しい世界へ飛び込んでいくワクワク感をこれでもかと高めてくれます。これが「入学」のワクワクと混ざり合うので本当に「この高校生活超楽しそう!この先どうなるの!!??」ととにかくテンションが上がります。また、キャラクターを3Dモデル(おそらくVroidStudio?)で作っているのでポーズや表情も多彩ですし角度もつくのでとにかく見ていて華やかで楽しく、これもテンションが上がります。テンション上がるしか言っていないけどそれぐらいテンション上がります!
 また、今作は部活ということでスポーツものとしての側面もあるのですが、それも本当に完璧で、あー作者様よくわかってる!!!って感じです。個人的にスポーツものの作品が面白くなるためには

  • 敵チームがただのやられ役ではなくて彼らなりの人間味が合って魅力的な存在である

  • 勝敗にロジックがある

ということが必要だと思っています。今作はまさに単純な強弱ではなくしっかりと展開や戦略、そして瞬時のひらめきによって勝敗がつきます。なので勝利に実感があって主人公が勝ったら本当に嬉しくなります。さらに相手の学校の部員も本当に素敵で最高なんです…。しかも前述の通り3Dモデルでポーズが多彩なので、各魔法ごとにポーズや表情が動いてそれもとにかくアガります。もちろん友人でありライバルである「魔法部」の面々も魅力的で、特に私の好きな文香がこれからあの切り替え芸をどれだけ見せてくれるのか楽しみですし、部長がヤバすぎます。みんな大好き部長をぜひ見て欲しいです。これからどんどんシリーズが続くと思うと楽しみでなりません!

おまけ

「おとぎ人形劇 Hensel's Gretel」と「Forever Time」、そして「アクアリウムは踊らない」を実況しています!三作ともエンディングがめちゃくちゃ刺さったし、自分でいうのもあれですがいい反応しているのでよければ見てね!


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