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ティラノゲームフェス2023お薦め作品紹介①謎と展開にハラハラするミステリー・サスペンス

 今年も私が普段からお世話になっているフリーノベルゲームのプラットフォーム「ノベルゲームコレクション」の祭典、「ティラノゲームフェス2023」が迫っています!

というわけで私がここまで遊んだフェス参加作品の中から心からお薦めしたい作品を紹介していきます!
 今回から5回の連続記事として、

  1. 謎と展開にハラハラするミステリー・サスペンス

  2. 未来は幸せ?それとも…なSF

  3. しっかりゲームプレイを楽しむ探索・アドベンチャー

  4. 正義!キャラクターがかわいい&美しい作品

  5. プレイするあなたの心と倫理観を揺さぶる一品

それぞれ3~4作ずつ選び5日に渡り紹介します!今回は第1回、

「謎と展開にハラハラするミステリー・サスペンス」

になります!ノベルゲーム、アドベンチャーゲームでは王道ジャンルですよね!謎を解くだけではなく、そこで繰り広げられる人間模様、やりとりの魅力も強く感じられる作品をご紹介します!


1:星影の館殺人事件

ジャンル:怪異ホラーミステリー×コマンド選択式アドベンチャー
プレイ時間:7~10時間
一言お薦めポイント:レトロで超ハイクオリティ
こんな人向け!:優雅なミステリーをたっぷり味わいたい人

 1935年の洋館を舞台とした殺人事件とその背景に潜む秘密に迫る怪異ミステリーです。ファミコン時代によくあった往年のスタイル再現したコマンド選択式アドベンチャーとなっています。その再現度が見事で、古き良き時代を感じる作品となっています。また情報が自動で整理されていたり、理不尽な謎解きはないようにされていたりと再現性の高さと同時に現代的に遊びやすくなっています。コマンドを重ねていくことで実際に自分が捜査しているという感覚によって今作の世界にのめりこんでいくでしょう。
 ミステリーと怪異ホラーを合わせたストーリーも魅力的で、人間ドラマとしても本当に味わい深い作品です。「殺人事件」という異常事態を通じて人の多面性や本質、醜さと裏返しの美点が描かれるというミステリー・サスペンスの面白さの一つが堪能できますし、事件の真相に迫るところではしっかりと本格ミステリーのカタルシスも味わえます。
 言うまでもなくドット絵と8bit風のサウンドも最高で、特にボタンを押したときのSEは「これこれこれ!」という気持ちよさが味わえます。
 とにかく全方位にクオリティが高い作品で、これが無料でできるなんてすごい時代です。時間をしっかりとって今作のこの重厚な物語世界へ飛び込んでほしいと思っています。

 今作はニコニコゲームフェスのための紹介動画を私が担当させていただきました。ぜひそちらもご覧の上プレイしていただければと思います。

2:カイゾクロジック

ジャンル:海洋冒険ミステリー
プレイ時間:1~2時間
一言お薦めポイント:短い時間で探偵ものらしくスカッとできる
こんな人向け!:スカッとしたい人、海に行きたいけど行けない人

 大航海時代に海賊船で起きた殺人事件をめぐり、容疑をかけられた仲間を救うため主人公が捜査と推理を繰り広げる短編ミステリー作品です。
 短編で、謎解きも比較的シンプルな作品ですが情報が本当に見やすく整理されていて、楽しく考えることができます。海賊船の構造や、海賊たちの様々な生態をうまくミステリーの舞台へ変えているのが非常に見事でぜひそこを見てほしいです。短編ながらしっかりミステリーとしての喜びが担保されている良質な作品です。
 また、セリフやBGM、映像から海の広さや海賊たち、そして大航海時代の活気が伝わってきます。こういう生き方って実際はひどく大変なんだろうけどちょっと憧れたりしませんか?今作はそんなロマンも感じることができます。主人公、容疑者、悪役、船長、船員、全てのキャラがしっかり今作の舞台で映えていて魅力的なのもとてもよく、そんな魅力的な海賊たちのやりとりの軽妙さも今作の魅力です。特に「ベーノン」というキャラが私は大好きで、スピンオフで彼がさらに活躍する姿見られないかなぁ…、なんて思ってしまいます。

今作は実況をしています!

3:古都の謎解物語 幻の湖の演舞劇

ジャンル:不思議な東洋ファンタジー探索アドベンチャー
プレイ時間:1~2時間
一言お薦めポイント:旅気分が味わえる、明るい謎解きアドベンチャー!
こんな人向け!:万人向けだけど、旅情ミステリー好きには特にお薦め!

 架空の東洋的世界を舞台に、学者見習いである主人公の卯月がある演舞について学術調査をしていく探索アドベンチャーとなります。
 謎解き系の作品は事件の解決であったり脱出を目指すといった、特殊で危機的な状況を舞台とした作品が多い中、学術的調査と言う今作のテーマにまず惹かれて遊びました。その通り今作はゆったりとした気分で遊ぶことができます。リラックスしてゲームを遊びたいときにとてもいい作品です
 また、平宮京という架空の東洋的な地域の民俗が作りこまれています。AIをうまく使って作られたちょっと不思議な光景や、各所にある資料や書籍を通してその通俗に触れることで「他にはどんな歴史があるんだろう」「ここ行ってみたいなぁ」と思わされます。旅レポだったり、「浅見光彦シリーズ」などの旅情ミステリーが好きな方にもお薦めです。
 今作はキャラクターに前向きで親切な人が揃っていることも特徴です。そのようなキャラクターたちのカラッとしたやりとりは見ていて非常に気持ちがよく、今作にとても合っています。ストーリーも含めて全体にカラッとした雰囲気の作品で、いい意味で軽く楽しめる作品です。セリフ回しがうまいのでキャラクター性もすぐつかめますし、笑うところは笑えて、「うんうんよかった!」と唸れるところもあります。
 全体にプログラム・ピクチャー的な面白さと質の高さがあり、ぜひ続編を期待したくなる作品です。終わり方も素晴らしい切れ味で一本のテレビ時代劇を見たような満足感があります。ノベルゲーム、流行する作品はエクストリームなシチュエーションで好みが分かれるものが多い中(私もそのような作品は大好きですが)、今作は本当に万人向けなのでこれからの展開が楽しみな作品です。
 今作はこちらの記事の中にレビューがあります。



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