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最近見た映画の評価と簡易コメントと今後の視聴予定
今年見た映画の感想と評価を軽くまとめ。
庵野秀明
『シン・仮面ライダー』(2023)
評価:E(不作) 100点中35点
<簡易コメント>
評価はこちらに書いたので割愛。
吾峠呼世晴
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020)
評価:F(駄作) 100点中10点
<簡易コメント>
評価はこちらに書いたので割愛。
黒沢清
『旅のおわり世界のはじまり』(2019)
評価:A(名作) 100点中80点
<簡易コメント>
押しも押されもせぬ黒沢清監督の作品だが、とりあえず前田敦子がとても魅力的に撮られていることはわかった。中盤とラストで挟まれる突然のミュージカル(?)は驚いたが、AKB時代から歌唱力がアップしていてビックリした。ドキュメンタリー調の映画なのだが、ひたすら前田敦子中心で進むので最後まで退屈せずに見られる。成長したなあ前敦。
北野武
『その男、凶暴につき』(1989)
評価:S(傑作) 100点中90点
<簡易コメント>
北野武という映画作家を世に知らしめた処女作。本来は深作欣二が撮る予定だったものを突然に変更になったのだが、そのことを感じさせないくらいの傑作であり、荒削りな面もややあるものの、後の北野映画で開花していくあらゆるエッセンスが詰まった傑作。特に中盤でのカーチェイスとラストの銃撃戦は映画史に残る出色の名シーン。
『3-4x10月』(1990)
評価:B(良作) 100点中75点
<簡易コメント>
北野武が作った中では「実験作」といえる一作だが、沖縄を舞台にしているという点で後の『ソナチネ』(1994)への布石も感じさせる。日常の野球から沖縄のヤクザ映画になっていくプロセスも見事であり、最期の主人公のトラックで突っ込むシーンのカットもまた絶品。ただし、ラストのオチのインパクトがイマイチ弱く、また野球シーンもやや冗長なのでこの点数。
『あの夏、いちばん静かな海』(1991)
評価:A(名作) 100点中85点
<簡易コメント>
評価はこちらに書いたので割愛。
『ソナチネ』(1993)
評価:S(傑作) 100点中100点
<簡易コメント>
北野映画の金字塔の1つであり、事故前の作品群の中では文句なしの最高傑作。「その男」から積み上げてきた北野武の映画作家としてのエッセンスが全て凝縮されている。わけても沖縄に来てからは無駄なカットが1つもなく、殺し屋が登場してからは名シーンしかない。事故後も踏まえると最高傑作は『HANA-BI』になるが、その『HANA-BI』に比肩する傑作。
『Dolls』(2002)
評価:S(傑作) 100点中95点
<簡易コメント>
評価はこちらに書いたので割愛。
『座頭市』(2003)
評価:A(名作) 100点中85点
<簡易コメント>
評価はこちらに書いたので割愛。
三隅研次
『座頭市物語』(1962)
評価:S(傑作) 100点中90点
<簡易コメント>
評価はこちらに書いたので割愛。
小津安二郎
『東京物語』(1953)
評価:SS(殿堂入り) 100点中120点
<簡易コメント>
小津映画のみならず、全邦画でベスト1を挙げろといわれたら間違いなく本作が真っ先に挙がる。後期小津の集大成というだけではなく、邦画黄金期の集大成といっても差し支えない。本作に出会っていなければ、私は間違いなく映画の世界に改めて足を踏み入れることはなかったであろう。ラストの原節子が見せる「とんでもない!」からの潤んだ瞳は珠玉のカット。小津安二郎以上に原節子の色気を引き出した監督はいない。
溝口健二
『残菊物語』(1940)
評価:A(名作) 100点中85点
<簡易コメント>
戦前の溝口映画で残ってる数少ないフィルムの1つ。後期に向けての「1シーン1カット」が完成したというだけではなく、キャメラワークがとにかく絶品。ただし2時間23分は長いのと、あとは溝口映画といえばやはり田中絹代なので『雨月物語』や『山椒大夫』には後塵を拝するであろう。
ジョン・フォード
『香も高きケンタッキー』(1925)
評価:S(傑作) 100点中95点
<簡易コメント>
蓮實の『ジョン・フォード論』(2022)でやたらに絶賛されていたので視聴。確かに全ての映画の中で馬をこれほど美しく撮った監督はおらず、人物以上に「馬」が魅力的に撮られていた。競馬のシーンも悪くないのだが、日常に出てくる馬がこんなにも美しく撮られている作品は今の所ないと断言して差し支えない。話がありきたりな分ショットが楽しい一作。
バスター・キートン
『キートンのゴー・ウェスト!』(1925)
評価:A(名作) 100点中80点
<簡易コメント>
キートンのスラップスティックの中ではまあまあの名作といったところで、前半がやや退屈気味。牛のシーンは悪くないし、後半の街になだれ込んで違う牧場に綺麗に収まるカットが絶品なのだが、いかんせんそこに持っていくまでの話の流れがもたついてしまったので、そこでやや点数を差し引かれた。そこのもたつきがなければ傑作になり得たかもしれない。
『キートンの探偵学入門』(1924)
評価:S(傑作) 100点中95点
<簡易コメント>
押しも押されもせぬサイレント映画の傑作なのだが、時間が44分ととても短い尺なのでもたつきやダレがなく、ラストまで楽しいリズムとテンポで明るく楽しく見られる。分けてもあのカーチェイスからのマリオカートの元になったと思しきカットは映画史に燦然と輝き続ける名カットであり、これを見られることへの驚きと感謝を申し上げたい次第である。
『セブンチャンス』(1925)
評価:SS(殿堂入り) 100点中120点
<簡易コメント>
個人的には今の所小津安二郎の『東京物語』(1953)に比肩する最高傑作の1つ。こちらはスラップスティックの金字塔という感じで、花嫁がキートンを追いかけていくところからの岩がなだれ込んでくるところのカットは「どうやったらこんなカットが誕生するんだ?」と思わせる奇跡のレベルであり、それ以降どのアクション映画もスラップスティックもこの領域には到達できていない。出会えてよかった。
『キートンの蒸気船』(1928)
評価:A(名作) 100点中85点
<簡易コメント>
題材としてはありがちなものだったので前半が少し退屈ではあったが、後半で嵐が来てからの建物破壊と蒸気船のシーンの伏線回収がお見事。ただ、『セブンチャンス』(1925)のあの伝説のカットを見た後だったので幾分物足りなく感じてしまい、相対的にこの位置付けに。だが、全盛期のバスター・キートンにハズレはない。
伊丹十三
『タンポポ』(1985)
評価:E(駄作) 100点中10点
<簡易コメント>
評価はこちらに書いたので割愛。
クリス・メレダンドリ、宮本茂
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023)
評価:B(良作) 100点中70点
<簡易コメント>
評価はこちらに書いたので割愛。
西野亮廣
『えんとつ町のプペル』(2020)
評価:D(凡作) 100点中50点
<簡易コメント>
評価はこちらに書いたので割愛。
今後見る予定の映画
今のところは以下の予定。
『非常線の女』(1933)
『晩春』(1949)
『麦秋』(1951)
『羅生門』(1950)
『生きる』(1952)
『七人の侍』(1954)
『用心棒』(1961)
『椿三十郎』(1962)
『影武者』(1980)
『乱』(1985)
『夢』(1990)
『雨月物語』(1953)
『山椒大夫』(1954)
『近松物語』(1954』
『万引き家族』(2018)
『Kids Return』(1996)
『HANA-BI』(1998)
『首』(2023)
『怪物』(2023)
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)
『機動警察パトレイバー the Movie』(1989)
『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(1993)
『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995)
『イノセンス』(2004)
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(2008)
『白雪姫』(1937)
『ファンタジア』(1940)
『トイ・ストーリー』(1995)
『トイ・ストーリー2』(1999)
『トイ・ストーリー3』(2010)
取り敢えず邦画とアニメが中心、洋画は気が向いたらそのうち。最新作だと北野監督の『首』と是枝監督の『怪物』が楽しみ。
え、岸辺露伴?興味がない(笑)