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25.1.13(月) 山へシバかれに

新年明けまして最初の山行は、長野市のソウルマウンテンこと飯綱山。山岳信仰の霊山としても知られるこの山は、自宅から車で30分ほどと比較的行きやすい。

以前から冬山登山に興味はあったものの、初心者にはハードルが高いと、二の足をふんでいた。しかし、前日に立ち寄った須坂の園芸店『ソイル』で、スタッフのハルさんに「飯綱山なら雪山初心者でも大丈夫」と背中を押され、その日のうちに長野市のアウトドアショップ・ナチュラルアンカーズでスパイクチェーンを購入。思い切って登ってみることにしてみた。

朝8時。登山には比較的遅い出発だが、登山口までは車で30分。慌てる必要はない。山の近くに住むメリットを実感する。最寄りのコンビニで朝食と昼飯を買い、颯爽と車を走らせる。(ちなみにコンビニで売ってる「BE-KIND」っていうナッツバーめっちゃうまいのでおすすめ。自然の甘みと食感がクセになる)

うますぎ

登山口の駐車場に着くと、予想通り連休中日とあって、ほぼ満車状態。準備を整え、意気揚々と登山開始。飯綱山は夏場なら子連れでも登れる、比較的初心者向けの山として知られている。とはいえ、標高は約2000mとそこそこあるので、舐めてかかると痛い目を見る。

それにしても雪山というのはこうも美しいものか。いつもはむき出しの木々も、ごつごつとした岩肌も、真っ白な雪に覆われ、まるで別世界のよう。視界いっぱいに広がる銀世界に、心を奪われる。

雪を踏みしめながら、黙々と歩みを進める。意識を足元に集中するにつれ、日常のざわめきが遠のいていく。木漏れ日がきらめく雪面。そよ風に舞う雪の音と、冷気で折れる微かな枝の音。ふと足を止めると訪れる深い静寂。後ろには雪をかぶった山々が果てしなく連なっている。「耳を劈くような無音」ってこういう事を言うんだなと実感する。

二時間ほど歩くと、いつの間にか山頂が目前に迫っていた。足元では新品のスパイクチェーンが心地よいリズムを刻む。そのテンポに乗って黙々と登り続ける。頂上に立つと、360度の大パノラマが目の前に広がる。前回登ったときはガスガスだったが、今回は運良く晴れ間が見えた。山頂の隅っこに場所を見つけ、迷惑がかからないように一服。青空に紫煙が溶けていく。最高だ。バックからコンビニで買ったおにぎりを取り出す。キンキンに冷え切っているが、歩き疲れた体には沁みる。続いてナッツバー。大きくかじりつくと、甘みが全身に広がっていく。

しばしの余韻を楽しんだ後、下山。日頃の運動不足で腸腰筋に痛みが走り、雪の上を転がり落ちるかのように下っていく。だが、雪のクッションのおかげで痛くはない。思わず笑みがこぼれる。途中すれ違う登山者のスノーシューを横目に、次はあれをやりたいなぁと、楽しみを膨らませる。

鳥居が埋まるほどの雪。スノーシューあったら楽しかっただろうな

下山後、冷え切った体を温めるため、長野市の日帰り温泉「うるおい館」へ直行。もはや長野市民の福利厚生と言っても過言ではない。最近のマイブームは、水風呂で体を冷やしきったあと、外気浴で更に追い込み、打たれ湯でじわじわと温めること。温冷のコントラストがたまらない。おれはサウナより断然こっちのほうがいい。

帰路の車中、次はどの冬山に行こうかなと思っている自分がいた。しっかりと冬山の魅力に目覚めてしまったっぽい。最近は仕事漬けの日々の中で、謎の万能感に浸ることもあった。だが、こうして大自然にたましいをシバいてもらうと、謙虚さが芽生え、生きる力がみなぎってくるような気がする。

年初から良い山行になりました。

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