【Nick Drake "Road" 研究】第4回 ミス
今回は箸休めにちょっとマニアックな話を書きましょう。どうしても重箱の隅をほじくりたくなる私の性格が反映された素晴らしい記事になっています。(自画自賛)
ニック・ドレイク完璧主義説?
ニック・ドレイクと言えば、神経質で完璧主義。新人の癖に気に入らないアレンジャーはクビにして友人をゴリ押し、爪を守るために洗い物をしない…いや、それはどうかと。笑
1997年のロバート・カービー(先述の友人のアレンジャー)のインタビューにこんな言葉があります。
なるほど、それはすごい。
とは言え、演奏ミスがない訳ではありません。
私に聴き取れる範囲では、Roadには2ヵ所あります。
ミスタッチによる重音
上の動画で言うと1:01にジャッと別の弦を弾いてしまった音が聞こえます。
意図せぬノンレガート
間奏の山場のリフには「ドレソファー」というフレーズが4回出て来ます。そのうちの3回目の部分なのですが、1:24を注意深く聴いてみましょう。ここの「ドレソファー」は指が当たってしまったのか、「レ」の音が伸びていません。
(これはなかなかマニアックな指摘でしょ笑)
ミスがあるからこそ
いや、こんなこと書いてますが、ケチを付けたいのではありません。
楽曲を損なうようなミスではないし、寧ろミスがあるからこそ、音楽的で美しいなと思うのです。
Roadに限らず、From the Morningも弦のビビり等のノイズが聞こえたり、ルーズな演奏だからこそ美しい。
リフが繰り返されるうちに少しずつ変化しているのも、かっちり決めていた可能性もありますが、即興の余地を残したアレンジだったのかもしれないし、もしかすると意図せず弾いてしまった部分もあるのではないでしょうか。
ということで、冒頭に引用した発言は、多少なりとも誇張されていると私は考えています。もちろんニック・ドレイクが優れたギタリストであることに異論がある訳がなく、というか、言うまでもなく大ファンなのですが。