【Nick Drake "Road" 研究】第2回 ギターリフの弾き方 (i. 導入編)
張り切ってマニアックすぎる話から始めるのも何なので、この曲のメインとなるリフの弾き方をご紹介します。
メインリフの譜面
譜例1は曲中で最も使用頻度の高いリフです。
ヴァリエーションは色々あるのですが、まずはこの形から練習すると良いでしょう。
・譜例1
(クリックorタップで拡大)
前回示した通り、チューニングはEADEBEでカポは3フレットです。
異弦同音の響きが空間的な広がりを感じさせますね。
では、1小節ずつ丁寧に見ていきましょう。
第1小節
まず左手はこのフォームで押さえます。(※右利きの場合、以下略)
①~④は人差し指~小指
右手はアルペジオです。1・2弦は薬指を使った方が弾きやすいと思います。
4拍子ですが、第1~第2小節にかけて8分音符16個が「3・3・3・3・4」でグルーピングされています。(譜例2)
・譜例2
特に、真ん中の「3」は第1小節から第2小節へとまたがっているので拍を見失わないよう注意が必要です。
第2小節
そして、4番目の「3」の冒頭に当たる第2小節の1拍目裏で、左手の押さえ方が下のように変わります。
人差し指はそのままで、5弦の小指を離して薬指で一つ下の4フレットを押さえます。
押さえ変えと同時に、右手は親指で5弦を弾きます。アクセントを意識した方がより「らしく」なるでしょう。
3拍目では、やや強めにアクセントをつけて親指で5弦開放を弾き、裏拍でハンマリングします。
その際に(弾かない)4弦も同時に押さえます。次にすぐ4弦2フレットを弾く必要があるからです。
つまり、上の図のようにスタンダードチューニングで言うところのEmのフォームでハンマリングすることになります。
第3小節
今度は素直なリズムのアルペジオです。3拍目で小指を離し、次の小節のタッピングに備えます。
第4小節
第3小節の人差し指を残したまま、1拍目裏で左手薬指を使って6弦4フレットをタッピングします。そのとき5弦は自然にミュートします。
ここで鳴らした6弦の「シ」の音は便宜上8分音符で書きましたが、実際は1拍半伸ばします(譜例3)。
・譜例3
*
今回は以上になります。
少しくどかったようにも思いますが、自分がギターを始めた頃に読みたかった解説を目指しました。
(続)