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これからのアウトドアとの付き合い方

本活動の背景

新型コロナウイルスがもたらした暮らしの変化
2020年春。新型コロナウイルス(以降、コロナ)のパンデミックによって、僕らの暮らしは一変した。日々の暮らしや働き方、人との付き合い方、移動、学び方などにおいて、これまでとは異なる行動様式を求められるようになった。それによって僕らの価値観も変化した。

アウトドアとの付き合い方も一変した。3月初旬には、キャンプ場が3密を回避できる場所として一時的に注目されたが、外出自粛を受けて全国的に休業へ。アウトドアアクティビティ全般も移動中や滞在場所での感染拡大リスクや、万が一の怪我・遭難時の現地医療体制の圧迫などが論点となり、基本的に自粛の流れがあった。

働く×遊ぶの実験的ワークスペース”MAKITAKI”
ところで、代々木公園西門から徒歩2分の場所に、MAKITAKIというシェアオフィスがある。僕らofftoメンバーも入居しているこのシェアオフィスのコンセプトは"外遊び好きが集まるシェアオフィス"だ。ただ遊ぶだけではなく、ただ働く場を共有するだけでもない。「働く」と「遊ぶ」を交えた実験的なワークスペースとして2018年暮れに始まった。MAKITAKIに集まる人は、”アウトドア”との関係性が近い仕事に携わる人が多い。そんな人たちとコロナ禍における「働く」と「遊ぶ」について議論するにつれ、本活動を始めるきっかけともなった次の疑問が生まれた。

僕らの身の周りで起こったこの暮らしや働き方の変化はこの先も続くのだろうか?続くとしたらどんな未来が待ち受けているのだろうか?暮らしや働き方も変われば、きっと遊び方も変わる。この先、僕らはどんなふうにアウトドアを楽しむようになるんだろうか?

コロナ禍は誰か一部の人に起こっていることではない。世界中のほぼ全ての人が自分の身の周りで、暮らし方や働き方など何かしらの変化を体験している。自分ごととして起こったこの行動様式や価値観の変化から、手触感のある未来を想像し、その未来において外遊びやアウトドアとの付き合い方がどうなっていくかを考える。それをプロジェクト化し、成果物だけでなくプロセスも含めて発信する。MAKITAKIらしい活動になると直感した。

ワークショップでアイデア創出 - なぜ?
MAKITAKIメンバーでプロジェクトを創り、それを実行していくための手段はきっと無数にある。ぶっちゃけなんだっていい。今回は”敢えて”ワークショップ形式でこれからのアウトドアとの付き合い方を提案する製品・サービス、空間、イベント、コミュニティアイデアを創出した。ワークショップを通じて、参加者が自分の身の周りで起こっている変化を題材に未来を妄想しアイデア出しをするため、その過程で気づいた課題や創出したアイデアに対して、思い入れが生まれやすくなる。その思い入れこそが、アイデアをアイデアで終わらせず、プロジェクトを創り実行するための一番の原動力となると考えた。

アイデア創出ワークショップの企画・実施

目的と成果物イメージ

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ワークショップの目的はMAKITAKIで実施するプロジェクトアイデアの種を創出すること。成果物イメージとしては、モバイルワークスペース(OFFICE CARAVAN by TRAIL HEADS)やsnowpeak×三井不動産が手掛ける半ソト空間、コワーキングジムのようなこれからのアウトドアとの付き合い方を提案する製品・サービス、空間、イベント、コミュニティのアイデアと設定した。

プロセス:理解・創出・実施のフェーズに分ける

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ワークショップは、理解フェーズと創出フェーズに分けて、それぞれ2.5時間ずつ行った。ワークショップ後は実施フェーズとし、アイデアを精錬し、実施するためのフェーズと位置付けた(今まさにいくつかのプロジェクトが動き始めている)。
理解フェーズでは、参加者自身の身の周りで起こった暮らし方や働き方の具体的な変化の事例をもとに、コロナまたはそれに類する疫病と付き合っていくこれからの暮らし方や働き方について議論した。そして、その未来において外遊びやアウトドアに対してどんなニーズが潜んでいるかを深堀議論した。
創出フェーズでは、理解フェーズの議論結果である未来の外遊びやアウトドアに対するニーズ(=目的)を解決する製品・サービス、空間、イベント、コミュニティのアイデア(=手段)を創出・選抜した。

実施方法:zoomとオンライン付箋ツールを利用

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コロナ禍ということで2回ともにオンラインで実施。お馴染みzoomのbreakout room機能と、古巣の一般社団法人i.schoolが開発するオンライン付箋ツールApisnoteを使用して、創造的議論を行った。オンラインで創造的なワークショップを実施するためのノウハウや留意事項については、巷に詳しい記事がたくさんあるのでここでは割愛する。今回初めてファシリテーションをやってみて、オンラインならではかつ重要だと感じた3点を以下備忘録として記しておく。

❶ファシリテーターからの講義や個人ワーク、グループワークは、10分間1セッションを基本として設計する(例:2.5hなら全部で15セッション)
理由:オフラインでのワークショップよりも、どのワークも1.2〜1.5倍ぐらいの時間がかかる。10分単位の設計にしておくことで臨機応変な修正・対応ができる。

❷休憩は1時間ごとに取る(=6セッションで一区切り)
理由:ずっと画面を見て議論すると疲れる。小学校の1授業の長さぐらいが多分ちょうど良い。

❸質疑応答の時間や、ワーク結果についてコメントする時間を多めに取る
理由:参加者とのインタラクティブなコミュニケーションを活発にするため。オフラインに比べて、ファシリテーターは参加者の反応を見ながら喋ることが難しい。結果として一方的になりやすく、参加者が置いてきぼりになることが多い。zoomのチャット機能はガンガン使うべし。

1. 理解フェーズ

1-1. 身の周りで起こった変化から、これからの暮らし方・働き方を考える

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ワークショップ参加者には事前課題として、コロナによって自分の身の周りで起こった暮らし方・働き方の具体事例を1人につき3事例ずつ、写真とテキストで用意してもらった(写真、黄色の付箋)。
ワークショップ当日は、2つのグループに分かれ、一人ずつ順番に事前課題を共有することから始めた。聞き手は「なぜそのような変化が起こったのか?」「類似事例はないか?」の観点で付箋に書き出し、写真のように関係する事例に紐付けた(写真、白色の付箋)。
暮らし方・働き方の具体事例は、例えば「外出mtgが少なくなり、自分が気持ち良いと感じる働く場を探すようになる」や「部屋中をウロウロしてサボる時間が増えた」、「運動不足を解消するために寄り道を多くするようになった」「時間への制限が薄くなり、身体が求める睡眠時間分寝ることができるようになった」などが挙げられた。

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全ての事例について共有が済んだ後に、その変化が1-2年後の未来にはどうなっているのかについて思いを巡らせた。まずは個人ワークで妄想したことを付箋に書き出し、その後グループの他メンバーとその内容について質疑応答を繰り返しながら深堀議論した(写真、水色・黄緑色・紫色の付箋)。

自分たちの身の周りで起こった暮らし方や働き方の変化を議論の起点としたことで、妄想された未来は誰かがどこかで言っていた未来ではなく、参加者にとって手触感があり、具体的にシーンが思い浮かぶものが多く出揃った。
例えば、「広いベランダや庭のある物件が人気になる」や「海や山の近くにコワーキングスペースやコワーキングスペース付きホテルが増える。さらにより長期的に滞在する人が増え、レジャー以外の店舗も増える」、「LDK→LDKWの作り方が一般的になる」、「住居格差が拡大し仕事のパフォーマンスにも影響が生まれる。それに伴い、住空間つきの仕事環境の提供も加速する」などが挙げられた。

1-2. 外遊びやアウトドアに対するニーズの抽出・議論

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理解フェーズの最後には、1-2年後の暮らし方や働き方を具体的にイメージアップした際に、そこにいる人たちが外遊びやアウトドアに対してどのようなニーズを持っているかについて抽出・議論した(写真、赤色の付箋)。
例えば、「自然豊かなところ(バカンスではなく)に長期滞在したい」、「仲間同士/集団で地方移住がしたい」、「仕事の隙間時間でアウトドアを楽しみたい」、「アウトドアフィールドで感じる五感の刺激を都会でも感じたい」、「新しい切替の場所が欲しい」などのニーズが抽出された。次のワークに向けて、最終的には各グループで7個程度のニーズを選んだ。

2. 創出フェーズ

2-1. これからのアウトドアとの付き合い方を提案するアイデアの発散

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いよいよワークショップの山場に突入。理解フェーズで抽出・議論した未来の外遊びやアウトドアに対するニーズ(=目的)を解決する製品・サービス、空間、イベント、コミュニティのアイデア(=手段)を創出した。

アイデアを思いついた人から口頭で共有を始めてしまうと、意見の強い人やある方向性だけのアイデアに偏ってしまうことがある。そのため、まずは個人で10分間、アイデアをひたすら出す時間を設けた。創出したアイデアをグループ内の他メンバーと共有後、再度個人でのアイデア出しを行った。2回目のアイデア出しではグループの他メンバーが出したアイデアに乗っかるアイデアも歓迎した。

2-2. アイデアの選抜
本来であれば、アイデアの選抜はそれだけで2.5hのワークショップが設計できてしまうぐらい時間のかかる作業だ。今回はワークショップ後のプロジェクト化に向けたモーメンタムの醸成を最優先とし、「自分がプロジェクトリーダーとして進めたいアイデア(黄色付箋)」と「誰かのサポートとして進めたいアイデア(水色付箋)」にそれぞれ投票をする形でアイデアを選抜した。

グループA:アイデアと投票結果

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グループB:アイデアと投票結果

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本活動のこれから

ワークショップ終了後、早速Slackチャンネルができ、いくつかのプロジェクトが動き出している。今後は対外的にも、プロジェクトの進捗やその過程で得た気づきや失敗談を発信していく予定だ。
MAKITAKIでは一緒にアウトドア業界を盛り上げてくれる仲間を募集中です。ワークショップやプロジェクトに参加したい方、コラボしたい方、力を貸してくれる方、面白いなと感じた方などなど、いつでもお気軽にMAKITAKIまでご連絡ください!