株式会社RESONATUREができるまで
2019年1月25日、株式会社デンソー(以下、デンソー)の中村耕治氏と共同で、ワンストップ冒険旅行サービス「offto(オフトゥ)」を提供する株式会社RESONATURE(以下、RESONATURE)を設立した。今日は、大企業発の新規事業アイデアをスタートアップとして始めるに至った背景を話したい。
はじまりは大企業の新規事業共創活動から
offtoの元アイデアは、もともと僕の古巣であるイノベーション・ラボラトリ株式会社(以下、i.lab)と当時i.labのクライアント企業であったデンソーの共創活動から生まれた成果の一つ。プロジェクトでは、ユーザーへの提供価値を検証する体験型イベントの実施やビジネスモデル、オペレーション体制の検討を行なった。当時、僕はi.lab側、中村さんはデンソー側のプロジェクトリーダーを担っていた。どうすればデンソー社内において新規事業をスタートできるのか、夜な夜な一緒に考えた。しかし、プロジェクトのいくつかの成果はデンソー社内で活かしていこうとなったものの、offtoの元アイデアに関しては、既存事業とのシナジーが弱いこと、またデンソー社内の組織再編などを理由に7ヶ月間の活動休止を余儀なくされた。
事業を「出島」的に開発する
2018年10月下旬、事業化に向けた議論を本格的に再開することになった。あらゆる可能性を模索する中、本事業をデンソーやi.labからは切り離し「出島」(スタートアップ)として開発していく方針が決まり、関係者間に一気に前向きのモーメンタムが生まれた。最終的には、僕はi.labを退職、中村さんは戦略的に副業として、それぞれが出資金を出し合う形で、RESONATUREを共同設立した。
3人目のメンバー・デザイナー木津久貴氏の加入
offtoの事業計画を作り込んでいる中、3人目の仲間探しも並行して行なった。僕は新規事業創出支援のコンサルティング、中村さんは人間工学研究がビジネス上のバックグラウンド。我々だけではサービスの価値を具現化することに限界があることを感じていた。ユーザー視点でサービスの価値を具現化できる人、そしてアウトドアが持つポテンシャルの高さを信じ、僕らのビジョンに強く共感してくれる人が必要だった。振り返れば、3人目のメンバーは最初から木津さんしかいない!という直感めいた何かがあった。だから彼にしか声をかけなかった。元々、木津さんとはイノベーション教育プログラム「i.school」を通じて知り合っており、お互いにアウトドアが好きなことからキャンプやサーフィンを一緒にやるなど、プライベードでも親しくしていた。2018年11月上旬、彼を藤沢駅の飲み屋に連れ出し、口説いた(後日談だが、普段飲みに誘わない僕からの突然の誘いだったので、この時点で何かあるな、と感づかれていた笑)。その後、中村さんとも一緒に飲んだ。最初に声をかけてから3回目ぐらいだろうか。ようやく木津さんが首を縦に振ってくれた。こうして3人でのRESONATUREがスタートした。