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54日目 リハ友から始めよう
沖縄の病院で受けた手術から大阪のリハビリ入院まで、とうわと一緒だったあっくんのお家にお呼ばれして川西まで。退院してからまだ4ヶ月ほどだというのに「3年前のことのように思えるね」とお互いの入院生活を振り返った。歳はとうわより1つ上だが、電車や好きなものが近いこともあって空き時間に何度も遊んだし、「とーわーくーんー」と言って歩行器で病室まで来てくれたのが懐かしい。いわゆる「リハ友」である。
同じSDRという手術を1週間違いで受けている。3月から6月までの入院生活を一緒に過ごした。初夏の屋上でびしょ濡れになりながらの水風船大会では、私は彼らの格好の標的として狙われた。親子入院だったので私も2ヶ月は一緒に過ごしたのだ。妻の恭子さんも「きょんちゃん」と呼ばれて仲良くなった。ところが「おとーさんは・・・し・ら・んー」そりゃないぜ、あっくん(笑)車で駅まで迎えに来てくれたとき、私がかけているサングラスを真似てあっくんも子ども用のサングラスをかけだした。久しぶり!
こうした再会のとき、子ども同士はよそよそしいもので、同じ部屋にいるのに最初は全く別のことをして遊んでいる。なかなか近づこうとしない。きっかけは、とうわがトイレに行きたいと言い出したことだった。バリアフリーのために子ども部屋に備え付けになった広いトイレに、あっくんが案内してくれると、とうわもそれに従ってトイレに入っていく。トイレの床に座ったまま、とうわを見つめるあっくん。それを気にせずズボンを下ろして用を足すとうわ。見つめ合う2人。なんだこの構図は。ノンバーバルコミュニケーションである。
お互いの意思疎通ができたのか、それ以降すっかり病院のときのような距離感を取り戻して遊び始めた。入院中にとうわがヘビーローテーションで歌っていた「オトナブルー」に退院後にすっかりはまってしまったというあっくんと一緒にYouTubeで熱唱してダンス。2人ともこんなに体を動かせるようになったのかとその成長にしみじみとする大人たち。いつも通り冗舌な大人口調にもどったとうわに「やっと調子でてきたやん!」とあっくんママ。親同士もお互いのリハビリや進学のことなどを話した。
別れを惜しんで帰宅すると、もう次、いつまた遊びに行く?明日?日曜日?と気持ちの高ぶりを抑えきれない様子のとうわ。翌朝起きると「あっくんにまた会いたくなって涙がでてきたんだよ」と言う。今度は神戸でまた会おうね。
20231029