10日目 チョコレートから始めよう
あと一駅で塩屋に着く、というときに須磨駅で停車する3分間が好きだ。いい塩梅にじらしてくれる。塩屋5丁目にある文化住宅の1階をめざして車の入らない路地を歩く。というか、登る。潮のにおいがかすかにする。最初から開いていたでしょ?と疑うほどあっけなく鍵が開くと玄関ではなく、2mほどコンクリートの土間があるところが気に入っている。ここが、ユブネの塩屋事務所。
サービスグラントさんから依頼を受けた某企業の社員取材記事を校正してライターさんに戻す。取材に同席はしていないのでZOOMの録画と文字起こしを見て初稿に手を入れる。
それから、明日の長田区市民ライター講座の講義資料を整える。「書く」ことを「情報を集める・選ぶ・伝える」の3回に別けてアクティブラーニング多目でプログラムを作っているので、「なかなか文字を書かない」ライター講座となっている。明日が最終日。市民ライターになる受講生に編集者の視点を持ってもらうため、受講生同士でお互いの原稿に添削をいれるワークがある。これはライター出身の自分が編集者ポジションの仕事をすることで圧倒的に文章力が高まった経験による。
15時。旧グッゲンハイム邸の事務所で、シオヤプロジェクトの皆と提出して助成金採択を受けた「ネットワーク型空き家相談窓口と分散型ストックヤード事業」のキックオフミーティング。ユブネで全体のプロデュースとクリエイティブ、申請事務等を担当する。今日の参加者はアリさん、サラさん、なおきくん、ユブネ。なおきくんの着ていた「喫茶思いつき」のTシャツが気になる。「喫茶思いつき」は四人姉妹で営まれている兵庫区の老舗喫茶である。
プロジェクトの主担当は山森さんだ。詳しくは書けないが塩屋のまちと建物の物語をまち全体でつないでいくようなプラットフォームの構築になる。塩屋は歩けば知り合いが増えるまち。そんなところだ。さっき5丁目の事務所からグッゲンに来る間でさえ、山森さんに紹介され二人も知り合いが増えた。
お昼を食べ損ねたせいか、テーブルにあったチョコレートがとっても気になる。手を出したら止まらなくなってきた。話している間もチョコレートがどんどん減る。明らかにお昼を食べ損ねたせいである。アリさんも、なおきくんも「めっちゃチョコ食べるやん、ひがしくん」と思っていたかも知れない。ごめん。食べていいかも聞いていない。
三宮の阪急オアシスで惣菜とミッケラーのビールを買って帰った。
20230915