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12日目 初めてのお使いから始めよう

島根に帰省する度に、只本屋島根浜田店が動き出す。一番の功労者は妻の母、ひふみさんである。イベントや常設棚の整理には不可欠なレギュラーメンバーである。今回も私、妻、子、ひふみさんの4人で朝10時に熱田の家を出発。只本屋島根浜田店が年額3万円の育成スポンサーを務めるサッカークラブの「ベルガロッソいわみ」の試合にフリーペーパー店を出店するため、一路試合会場であるサンビレッジ浜田をめざす。

ベルガロッソいわみはJリーグ入りをめざす地域クラブで、昨年ホームエリアの広域化を図って「ベルガロッソはまだ」から「ベルガロッソいわみ」にチーム名を変更した。現在中国サッカーリーグ所属。J1、J2、J3、JFL、各地域リーグというカテゴリー順なので現在5部相当であるが、いわみ地域の皆さんと共に近年急成長している。

只本屋島根浜田店をどう展開すべきか?と模索していたとき、地域のプロジェクトに関わりたいユブネと、Jリーグセレッソ大阪のサポーターでサッカーファンとしての私、そしてフリーペーパー専門店店主で、地元浜田で面白いことがしたい妻の思惑が奇跡的に一致し、出店を継続している。まさか、妻がサッカー選手にサインをもらってはしゃぐ日がこうようとは。ベルガロッソ様々である。

会場で一緒に出店するのはいつもお世話になっている島根県立大の先生で、学生とフリーペーパーを作っている西嶋さんファミリー。小学2年生の娘さんが手書きで自主製作した絵本「ふしぎなへびのおみせ」が最高。読みたい人は、ぜひ島根に来て手に入れてほしい。

サッカーの試合を軸に地域の人が出会いつながっていく場はどんなカテゴリーでも素晴らしい。子どもたちはここで郷土への愛着を育むし、大人と触れ合うことで成長する。頑張る人を応援する心も学ぶ。5歳の息子とたこ焼き屋に並んでいると「これはね。“はじめてのお使い”だから、よーさんは只本屋に帰ってといて」と追い払われた。(息子には、よーさんと呼ばれている)

息子は脚に障害があるため、なかなか目を離すことができないのだが、500円を握らせて遠くからそっと見守ることにした。こけないように並んで待つ、やっぱりこける、お金を拾う、注文する、お金を払う、たこやきを受け取る。できた!この日一番の笑顔を振りまいて、たこやきの袋を下げて戻ってきた。Netflixで「はじめてのお使い」を観てから、やりたくて仕方がない様子だったのを知っている。スーパーに一人で行ってくると、ごねて泣いた日もあった。その夢がやっと叶った。ワーゲンの後部座席に座って自分で買ったたこやきを、ひふみばあちゃんと一緒にほおばっている。とても満足げだ。

試合終了後に、美又温泉に入って「きんたの里」で食事をして帰った。こういう帰省の過ごし方もあっていい。

20230917

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