P.V.L.日記 父子入院3日目 入浴
今日もお風呂で次の人がいない。入浴順で幸いなことに次の人がいない時があると至福の入浴が待っている。約40分で子どもを着替えさせ、お湯を張り、体を洗い、浴槽と脱衣所を掃除して子どもに服を着せ、お部屋まで帰るのは修行である。
正確には約40分で「嫌だ!!お風呂入らない!」とぐずる子どもを力ずくで着替えさせ、自分も服を脱ぎ、お湯抜き栓を押しまくる子どもと何度も格闘しながら勝利してお湯を張り、ボディソープを出しまくるのをスルーして体を洗い、シャワーで消防士ごっこを始めても怒るのを諦め、なんとか先に出て汗だくで服を着て、浴槽と脱衣所を掃除してる最中に粘着ローラーのシートを引き出されて境目がわからなくなったぐちゃっぐちゃがほどけず、もうええわ!と時計を見たら・・・うわー!後5分したら次の人が来てしまう!超特急で子どもに服を着せ、パジャマは間に合わずオムツ姿のまま抱っこして、最後にもう一度陰毛等のチェックを欠かさずに部屋に帰るのだった。
今日は2日連続で後続の人がいない。まさにゴールデンウィークに起きた奇跡である。
今日のPTとOTは午前中に集中していたので、午後から暇になった。洗濯を済ませて屋上に上がるとビルの向こうに大阪城が半分だけ見えた。「病院の屋上」というものに縁がなかった人生だったので、初めて「病院の屋上」というものに来た。洗濯ものが5月の柔らかい日射しと風を受けて心地よさそうに泳いでいる。ベンチがある。伊丹空港へ飛ぶ飛行機の機影が青空をよぎっていく。「病院の屋上」というには申し分のない屋上である。足りないものと言えば、洗濯物の隙間から声をかけてくる白衣のドクターくらいだろうか。この病院は大半がセラピストさんなので白衣姿をさっぱり見かけない。
リハビリが終わり暇な時は「家づくり」に限る。約四畳半の相部屋のテリトリーをどう仕上げるか?「水回りは繊細な場所だから丁寧に」とは昨年、相部屋生活1ヶ月を完走した妻の言葉だ。確かに。水回りは丁寧にしよう。
出来るだけ物を収納してシンプルに整え、衣料タンスをスタンディングのワークスペースにすることに決めた。これがまた私の身長にジャストサイズで、このまま家に持って帰ったらさぞ仕事がはかどるのではないかと勘違いするほどである。とはいえ、殺風景なこの部屋をなんとかするべく、近所にホワイトボードシートを買いに出かけた。(続く)
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