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彼と同じ家に帰りたい-中高年シングルマザーが(三度目の。笑)結婚を考えた日

付き合い始めの頃、出会ったばかりの恋人に言ったことがある。

「今さら結婚なんてする気はない。もう子どもも作れないし、新しい家庭を作る気も無い。自分の家もあるし、ひとりで生きていくのにも困らない。万が一結婚して私が亡きあと、配偶者と子どもが遺産のことで揉めても困るし、もう、結婚はしないつもり。」

・・・・・。

サイテー。
サイテーだ!

かわいげのない女だぜ!

たいした資産もないくせに、よう言えたな。笑

でもそれに対しての恋人の答えは
「僕は好きな人が結婚したいって言ってくれたら、するよ」
だった。

かわいい人だなぁ。←ノロケ。


モノゴトには理由がある。

私が可愛げなく恋人に「結婚しない」と釘を打ったのにも、理由がある。

まず、子どもたちに「恋人を作っても良いけど、結婚だけは絶対にしないで」と強く言われていたこと。

それから、その前にお付き合いした男性にプロポーズされて断れなかったこと。
まあ別れたので結婚はしてないけれど「結婚する気は無い」って言えなかった。

私は「何かを断る」ことが苦手なのだ。

プロポーズでさえも、断れない。

それで二回も結婚して、二回も離婚してしまった。笑

だから、あとで困らないように、最初から「結婚するつもりはない」と予防線を張っておこうと思ったのだ。


それから。
彼と一年半を過ごしてきた。

イザコザも(そりゃあもう!!!)たくさんあったけれど。

紆余曲折を経て、一度別れてみて。
彼が私の人生にいないことに耐えられなくて。

「もうこの人とは別れない」と覚悟を決めて復縁して(いや、復縁してもらって、だな。笑)

いま私は恋人と楽しくて幸せな日々を送っている。

復縁した日に「結婚しよう」と彼に言ってもらて「うん」とは言ったけれど、それはやっぱり「いつか、できれば、ね。」という程度の気持ちで、現実に何かをしたいとは思わなかった。

結婚しようって彼から言ってもらったのが嬉しかったし、すぐにOKの返事をしたのは彼を安心させて喜ばせたかったからだ。サービス精神旺盛な中高年カップルなのだ。私たちは。

それで。

時折ふたりで将来の話をしたりしたけれども、正直「だったらいいね」程度の気持ちだった。


それが。

先日のツーリングデートの次の日。
仕事が終わって家に帰ろうとしたその瞬間、ふと思った。

「彼のいる家に帰りたい」
と。

そうして、そんな自分に驚いた。

自分の家に帰りたくないわけじゃない。

自分の家は好きだ。
自分の家庭も好きだ。
自分の家族(子どもたちと孫たち)も好きだ。

でも、ふと。
「彼との家に帰りたい」
そう思ったのだ。

それで。

気持ちが「実る」って、こういうことなんだなぁと思った。

「結婚しよう」って言われて嬉しくて(断りにくくて)「うん」と答えて結婚するのだって、人生だ。
子どもも授かったし、あれはあれで私の通る道だったし後悔は全く無い。

でも。
相手から望まれて応えるカタチではなくて。
こうやって。
「一緒の家に帰りたい」と自らが思ってから結婚出来ていたとしたら、もう少し違う人生があったかもしれないなぁ。

「相手がしたいっていうから」って結婚するのも悪くはなかったけれど(何しろ子が欲しいとすれば、出産にはリミットがあるからねぇ…。まあまあの年齢だった私は、うかうかしている時間が惜しかったのだ。)

自分の気持ちが「実った」と感じての結婚だったら、もっと違う何かが待っているのかもしれない。

そう思うと、なんだか、わくわくした。


「彼と同じ家に住んで、一緒に生活して、まいにち同じごはんを食べる」ような。
私は、そんな生活がしたいって願っているということが明確になった。

それを彼に伝えた。
とっても喜んでくれた。
(サービス精神旺盛な中高年カップルなので、そのあたりの反応には不足ナシ。笑)

もちろん。
私にはまだ小学生の子どもがいる。
だからしばらくは子育て優先で、本当に暮らせる日は、まだまだ先だろうけれど。

我が子が巣立つ、その日まで。
いまの気持ちのまま彼と一緒に日々を重ねていきたい。

これが私の、いまのところの願いだ。

結婚も事実婚も同棲も週末同棲もいいけれど、やっぱりまだまだ先の話ではある。

でも、それがすぐに叶わないことすら、なんだか、嬉しい。

叶うまでに、もっともっと、私の気持ちが実ればいい。

そう、思っている。


モノゴトにはベストなタイミングがある。

いままでは誰かの気持ちを優先して動いてばかりの人生だったけれども。

焦らず、自分の気持ちが実るまで、待ってみるのも良いモノだなと。

そんなことを考えながら「機が熟す」の記事を書いた。

きっと。
熟するまで待てる心の余裕ができてきたのだな、私。

歳を重ねて、できるようになったこと。
たくさんある。

頑張って生きてきて良かったな。