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傲慢なさくらん、返り血を浴びる【恥は書き捨て?本当にあった恥ずかしい話】

この↓話の続き

返り血を浴びてしまった…。

いや。

攻撃するつもりなんて、無い。

切るつもりなんて、なかったのだ。
もちろん。

かわいい息子。
そして、その妻。

だけど私は間違いを犯してしまった。


誰かと共に暮らすということは、時に「我慢する自分を受け入れる」ということだ。
自分が我慢をしてでも、良好な関係を継続したいと願うなら、我慢という選択肢もアリだ。

それで私は。
日々のさまざまな、愉快とは言い難い出来事を、多少我慢してスルーしてでも、彼らとの良い関係を保つことを選んだ。

それは自分自身がした選択だし後悔はしていない。

ただ。
私もひとりの人間性である。
憤りも感じるし、堪忍袋の緒も切れる。

息子の妻が、息子に向かって「死ね!」と言った大きな声を聞き、どうにもこうにも耐えきれなくなった私は、大きなため息をつき、玄関のドアを大音量で閉めて外出した。

オトナゲナイ?
オトナゲナイ…。

ですよねー。
あはははは…。

それでも。
冒頭で引用した記事の通り。

他人に「死ね!」なんて言葉をぶつけないほうが良いと私は思う。

利己的な理由ばかりであるが
①「死ね!」と言った相手が死んだ場合、自分が一生苦しむ。
②近くで聞いている子どもが意味もわからず真似をする→お友だちに向かって「死ね!」って言う→集団生活で問題になる→親の責任だと言われ親である自分が苦しむ。

間違っても「言われたほうの立場に立ってみろ」なんて思わない。相手の立場に立てる人は、そもそも他人に「死ね!」なんて言わないだろうしね…。←伏線。笑


からの翌日。

このところずっといざこざしている息子夫婦。
一触即発だ。

同じ空間にいる、こっちも、疲れる…。

もう、言っても良いんじゃないだろうか。
ずっと、こんなに我慢してきたんだから、そろそろヒトコトぐらい言っても良いんじゃないだろうか。
100我慢してるんだから1ぐらい伝えても良いんじゃないか。

この傲慢な思考こそが「緒が切れてる」状態なのだが、私は浅はかにも自分を正当化し始めた。
自分を正当化し始めたら、それは破滅へのスタートだ。

が。
それには、もちろん気が付かず…。

私は、私を、正当化した。

そうして、間違いを犯した。


息子の妻のところに行って目の前に座った。

そして言葉を発した。

「『死ね』って言わないで欲しい。」
さらに続ける。
「言った相手に万が一のことがあったら、一生苦しむよ?それに子どもが真似する。わけもわからずにお友だちに『死ね』って言うようになるかもしれないよ?」

ここでも私は自分の犯した間違いに気が付かない。
それどころか「ようやく言えた!」と、浅はかにも、喜びを覚えていたのだ。

だがしかし。

息子の妻が発した言葉は、こうだ。
「言われても?死ねって言われても、言い返さないで我慢しなくちゃダメなの?」

…。
ダメだけどな。苦笑

でも、そうか。
一方的に暴言を吐いていたわけではないのか。

私が知らなかっただけで(聞こえなかっただけで)お互いに罵りあってたのか…。

それを知ったら。
その相手にも同じことを伝えなければならない。

そうしてまた、私は間違いを犯した。

息子のところに行って、同じ言葉を口にした。

「『死ね』って言わないで欲しい。」
さらに続ける。
「言った相手に万が一のことがあったら、一生苦しむよ?それに子どもが真似する。わけもわからずにお友だちに『死ね』って言うようになるかもしれないよ?」

しばらく黙っていた息子が、新たに一触即発の相手となった私に、半笑いで言った。
「なに?急に説教?自分だって前の夫に『死ね』って言ってたよ?俺、覚えてるよ?自分のことは棚にあげて、説教?」

え?
まてまて?
私が元夫に「死ね」って???

記憶に無いし、死んで欲しいなんて願ったこともない。元夫どころか、誰に対してだって、死んで欲しいなんて思ったことはない。

死んで欲しいと願ってそれが叶うぐらい恐ろしいことが起きるなら、自分が死にたい。マジで。

私「え?私が??そう言ってたの??覚えてない…。」
息子「まあ、覚えてないなら、それだけ些細な言葉だってことだよ。それよりさ。前の夫に『死ね』つて言って本当に死んだとしたら、一生後悔するの?」

…。
考えてみた。
私「いや、するでしょフツーに。てか、誰にだって私のせいで死んで欲しくないけどね。」
息子「ふーん?俺は別に…。まあ良いや。」

しばらくの間、記憶を掘り起こしてみる。
私が?
死ねって?
元夫に???

すると息子が戻ってきて言った。
「理由はなんにせよ、その言葉を聞きたくないって話?
だったら、そう言えば良いんじゃない?
その言葉を嫌いな理由なんて人それぞれだし、自分の考えをこっちに押し付けないで欲しいんだけど。」

ど…。
ド正論…。

はっ!
ようやくここで、私は私が犯した間違いに気が付いた。

なにかを伝えるときの主語は「私」でなければならないのだ。

それなのに。

こんな一触即発の状態で生きている、尖った人たち相手に「あなたは」という、半命令の形で言葉を発してしまったのだ。

そりゃ。

返り血、浴びるわな…。


気を取り直す。
「そりゃそうだよ。誰だって住環境は良いほうがいいもん。そんな言葉は聞かないで、穏やかに暮らしたいよ、私は。」
正直に伝える。

息子が応える。
「わかった。聞こえる場所では、その言葉は使わない。なるべく家では喧嘩もしないようにする。」

伝える順番を間違ってしまったがために返り血を浴びてしまった私だが、息子には私の気持ちは伝わり、息子夫婦は(家では)喧嘩しない(ようにする)と言ってくれた。

け…。
結果、良し?????


ちなみにだが。

いざこざの翌朝。

息子が出勤したあとの、息子の妻と私の会話。

私「ところで仲直りしたの?」
嫁「仲直りっていうか…。普通に話しかけると普通に返事してくるって感じ…。」
私「そうか…。にしてもさ。今回のいざこざで思い出したことがある。」
嫁「え?なに?」

私「あいつ(息子)って…。めちゃくちゃ、めんどくせぇ男だな!笑」
嫁「あ!言っちゃった!笑」

笑「若い頃は、あの面倒くさいのと毎日やりあってたんだけどさ。結婚したから、もう私の管轄じゃないし、肩の荷が降りて、すっかり忘れてた!あの、面倒くささを!笑」
嫁「良いときは本当に最高の夫なんだけどねぇ…。」
私「ごめんね、あんな面倒くさいの押し付けちゃって…。」
嫁「なに言ってるの!こちらこそごめんね?嫌な思いさせちゃって。普通の時なら、あんな言い方しないと思う。私といざこざしたせいで夫くん、かなり気が立ってたから…。」
私「いや、伝える順番を間違えた私が悪かったよ。ごめんね。」
嫁「謝らないで~。ごめんね!」

私「でも。返品不可だから。もう引き取るつもり無いから、あとはお願いします!笑」
嫁「夫くんに見捨てられないように、なんとか頑張ります!!!」

同じ相手の愚痴?によって心が一発で通じ合う。

めちゃくちゃ単純で浅はかではあるけれども…。

女同士も、なかなか良いなぁ。笑


後書き。

これを記事にするまでに私には少し時間が必要だった。
久しぶりに攻撃された私の弱々な心は、けっこう小さい傷がたくさんできてしまい、滲んだ血が止まるまで時間を要したのだ。

ちなみに元夫に「死ね」と言ったのは「さくらと離婚するぐらいなら俺は死ぬ」と言った元夫に心底呆れて「それなら死ねば?」と発したこと。←伏線回収。笑
だと思う。
記憶にあるのは、そのぐらいだ。
でも、いろいろ忘れてるのかもなぁ…。
人間の記憶なんて都合よくて曖昧だもんな…。

それでも今は。
我が家には日常が戻った。
私と息子たちとの会話も元通りだし、息子夫婦間の会話も(表面上は)穏やかになされている。


まとめ。

人になにかをお願いするときは。

主語は「私」

それが鉄則。

本当はこのことを記事にするのは、かなり恥ずかしかったのだけれども。

この。
私の犯した間違いが誰かの転ばぬ先の杖になりますように。

という切なる願いと愛を込めて!