2020.03 卒業旅行小笠原<3日目>
3日目は予定通り父島を歩いて一周した。
7時に出発する予定が起きたのが6時半だったため、40分遅れでのスタートとなった。友人2人はレンタサイクルで一周するらしい。
まずは村役場を訪問。
村のメインストリートも朝早くは静かだ。
おがさわら丸の横を通過。ははじま丸は既に出航している。
清瀬の交差点で中心の道路と別れ住宅街へ。この辺りには郵便局や気象庁の宿舎がある。
小笠原高校の横を抜けると、その先にはもう人家が無い。
5分ほど進むと車道の終点。近くに釣浜展望台があるので行ってみたが、特に何も見えなかった。
釣浜へ降りるほどの時間は無いので、山道に入って長崎展望台を目指す。
この道は電信山散策路。戦前は海軍電信所が置かれており、戦跡もいくつか見られた。
集落の展望が素晴らしい。
右手にはずっと集落を見ながら進む。
途中でヤギを発見した。前に進もうとすると次から次へと出てきた。人間によって移入され、現在は植生への影響が問題視されている。
辺りが段々と開けてきて、対岸に兄島が綺麗に見えてきた。兄島は本格的な人間の定住が行われたことがなく、自然の保存状態が良好である。
しかし歩きづらい。島の北端、しかも切り立った崖の上の尾根道なので風が強すぎる。特に南風が強く、北斜面の崖に落ちないよう姿勢を低くして進んだ。
途中で急に強くなってきたので足場を確保して一時停止。ただ風がやむのを待った。
少し弱まったところで岩場を抜け、階段を上がった。階段の下は岩の直登になっており、階段が無いと考えたらぞっとする。手すりがあるので先ほどより安心できた。
この山を登りきるとあとは下るだけ。幸いにも尾根の真上ではなかったので風が弱まった。
遠くに見えた車道の急坂を見て、徒歩を選択して良かったと思った。
長崎展望台で友人に追いついた。ここからは久しぶりの車道歩き。
島の東側の車道は森の中を進んでいく。途中で山道に入り旭山へ。
工事の方と出会い、アカガシラカラスバトがいることを教えてもらった。父島に数十羽しか生息していない貴重な鳥らしい。
植物の説明板を読んでも固有種だらけ。さすがは世界遺産の島である。
旭山の山頂からは市街地も島の南の方もよく見えた。おがさわら丸の大きさを改めて実感。
ここで友人と再び合流し、3人で登山口まで戻った。ここからは緩い上り坂だったので追いついたり抜かれたりを繰り返した。
続いては初寝浦の展望台。崖が続く東海岸に突然砂浜があるのは不思議な光景だ。
アップダウンの多い車道を進むと、国立天文台やJAXAの施設がいくつも見えた。離島ならではの観測条件が多いのだろう。
下り坂が増えてきたので段々と遅れをとるようになってしまった。中央山の登山口からはずっと下り坂なので、小港海岸まで先に行ってもらうことにした。
この辺りはアカガシラカラスバトの保護やヤギによる食害を防止するため、道路沿いにフェンスが設けられている。
少し進むと自然歩道への入口が。途中に展望地もあるうえ、オガサワラノスリも見えるらしい。迷わず山道へと入っていった。
電信山のように整備されておらず、数百メートルおきの標柱だけが頼りだった。1つ目の展望地への道は大きな葉の木によって塞がれており断念。
2つ目は、木の間をかいくぐり、途中の岩場を鎖伝いに登ってようやく辿り着いた。風が強く、バランスを崩したら小笠原の大自然へ真っ逆さまのロケーションだ。
その分景色は綺麗だった。海の景色ばかり見ていたので、山が広がる光景は少し新鮮。
3つ目の展望地は展望がほとんど無かった。
山道を抜け、小笠原神社に参拝。小笠原諸島を発見した小笠原貞頼を祀っている。
扇浦海岸へ下りると久しぶりに人家を見た。
ここから小港海岸までは上り坂。足がだいぶ疲れてきたので一歩一歩が体に応える。そして遂に足がつった。
休みながら頂上まで頑張り、ここから標高5mを延々と下っていく。小港海岸まではもうすぐなのに中々着かないのがじれったい。
ようやく小港海岸の入口に到着。母島にはバスが無いので、ここのバス停が東京都最南端のバス停である。
お腹も空いたので小港海岸で昼食を食べた。砂浜が綺麗。
ジョンビーチを目指して歩く。森に入る前に足の消毒を欠かせない。
友人らは時間の関係でブタ海岸で折り返すとのことだったので、中山峠で落ち合うことにした。
途中ですれ違った方に、ザっと雨が降るよと教えてもらった。中山峠に屋根が見えたので急いで登山を続ける。ちなみに足はずっとつりかけている。
頂上で合流。雨が降って来たので急いで下山する。
途中から本降りになってしまったが、なんとかバス停まで辿り着いた。バス停に大きめの木があったので雨宿りすることにした。自転車の友人らは先へ向かい、扇浦海岸で待ち合わせる。
大きな木の下でトトロのようにバスを待った。バスが来る頃にはすっかり晴れてきた。
ここから扇浦までは先ほど歩いたので、バスに乗っても一周完歩にはなるだろうという理論。
小港海岸 1405→扇浦海岸 1413 小笠原村営バス 村役場前行
無事に扇浦に到着。途中で乗ってきた海で泳いでいそうな人も扇浦で下車した。
ここからは東海岸と同様、各自で市街地まで戻ることにした。西海岸は平たんなのですぐに自転車組に置いて行かれてしまったが。
途中の境浦海岸には船が沈んでいる。濱江丸という船で、戦時中に南方方面の物資輸送に用いられた。父島近海で魚雷の攻撃を受け漂流・座礁したらしい。
トンネルを何本か抜けると、いよいよ市街地が見えてきた。
市街地に入る前に海洋センターに寄り道。展示施設はコロナ対策で休館中だが、屋外水槽のアカウミガメを見学できた。
製氷海岸まで来ると帰ってきた安心感がある。かつて近くに製氷工場があったことに由来し、サンゴ礁がすぐ近くまで広がっている。
奥村のスポーツ公園地区を抜けるともう港に戻ってきた。おがさわら丸と旭山が西日に映える。
少し歩いて村役場に帰還。一周+αで25kmを8時間かけて歩いてきた。
普通の人ならこのまま宿へ戻るが、夕日を見たくなったので展望台へ向かう。時間的には少し早いが、今回の入港日で唯一夕日が見られそうなので混むかもしれない。
市街地を見下ろしつつ登っていく。役場の近くの公園で休憩したからか、不思議と足取りは軽い。
途中で5人程抜かしつつ一気にウェザーステーション展望台へ。その名の通り、頂上には気象庁のレーダーがあった。
また、父島の入口に位置しているため、旧日本軍の史跡もいくつかあった。
残念ながら曇り。風が強く肌寒い。
17時の鐘を録音しようとしたが、風が強く聞こえないほどだった。
曇りのため諦めて帰っていく人も多かったが、せっかく来たなら最後まで挑みたい。小雨の中をウインドブレーカー1枚で凌いだ。
17時半頃、太陽が顔を出した。一瞬だけで景色としては微妙だが、最高の経験が出来た。
その後は太陽も鯨も現れず、日の入りの17時41分を以て撤収した。
帰りは夕闇の中下山し、市街地に着いた頃にはすっかり夜の装いだった。
2020/03/16
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