2020.07 道北旅行<1日目:札幌→猿払>
渡道して2週間が経った。
金曜日の授業がほとんど無かったので、週末を利用して宗谷方面へ行くことにした。気軽に道内旅行に出かけられるのが札幌に住む良さだろう。
今回はえきねっとを利用しているので朝はゆっくり。
札幌駅ではグリーン車無しの旨が放送されていたが、ホームへ上がるとノースレインボーエクスプレスが停まっていた。
中1で初めてスーパー宗谷に乗ったときもノースレインボーによる代走だったが、この車両も先は長くないだろう。実際、2022年秋に引退した。
札幌 0730→名寄 1003 JR函館本線・宗谷本線 特急宗谷号 稚内行
久しぶりの北海道らしい風景に興奮しながら旭川を通り、名寄へ。
3年ぶりの名寄。駅舎の屋根の色が変わっていた。
バスの発車まで1時間あるので、名寄の街を少し散策する。
名寄公園を訪問。静かで綺麗に整備された公園だ。池のほとりで朝食を食べた。
ここで学生証を落とした。
公園内には排雪列車「キマロキ」が静態保存されている。マックレ―車やロータリー車の保存だけでも貴重だが、保存されているのが廃止された名寄本線の線路上というのもまた凄い。
まだ時間があったので名寄駅の近くにある名寄教会へ。明治42年に建てられた市内最古の洋風木造建築である。
駅へ戻り、バスに乗り込んだ。美深を通り宗谷本線の小さな駅・恩根内へと向かう路線である。
名寄駅前 1110→びふか温泉 1201 名士バス 恩根内線 恩根内行
宗谷本線とは異なり天塩川の左岸を通り、びふか温泉で下車。
温泉に入るのではなく、美深チョウザメ館を見学する。
チョウザメは日ソ間の漁業交渉の過程で1963年に種苗交換が行われたのが最初という。その後、積雪寒冷地での飼育試験として1983年に美深町で研究が始まったため、今ではチョウザメの町としてPRされている。
天塩川の残存である三日月湖を渡り、国道沿いにある道の駅へ。
ここからは40分ほど歩き、最寄り駅を目指す。
周囲にはいかにも北海道らしい風景が広がっていた。
途中、美深ハーブ園と名付けられた花畑があった。
小さな集会所の前にあり中心部からは離れているが、綺麗に手入れされていた。
国道40号から離れ、天塩川を渡る。
3年前にも同じ道を歩いた。
紋穂内駅が見えてきた。秘境駅とされ3年前は駅巡りで訪れた駅を、観光地の最寄駅として利用する日が来るとは思っていなかった。
ボロボロの待合室も当時と変わらない。駅ノートは新しいものになっていた。
小さな駅で一人きり列車を待つ時間は本当に贅沢。
昔のように鉄道を旅行の中心に据えることは無くなったが、こうして観光や街歩きの合間に小さな駅を訪れるのは続けていきたい。
紋穂内 1349→美深 1357 JR宗谷本線 普通 名寄行
紋穂内駅は翌年春のダイヤ改正で廃止されたため、これが2度目にして最後の訪問となった。
普通運賃で宗谷本線に乗るという経験も少し嬉しい。
美深駅に到着。かつて日本一の赤字路線だった美幸線が分岐していた。
次の列車の時間まで1時間もあるので街を散策する。
まずは美深神社に参拝。
北海道の街はどこへ行っても歩道が広い。
続いて町役場を訪問した。
小テストを受けなければならなかったので、役場に近い公園でパソコンを開いて勉強。コロナ禍だからこそできる受講だろう。
町全体としてチョウザメを推しているため、マンホールにもチョウザメが描かれている。
小テストのためあっという間に1時間が過ぎた。
普通列車があまりに少ないため、ここから音威子府まで1区間だけ特急を利用する。
美深駅で音威子府までの切符を購入したら補充券での発券だった。普通に使う切符をこうして発行してもらうのはテンションが上がる。
美深 1451→音威子府 1527 JR宗谷本線 特急サロベツ1号 稚内行
特急で1駅の隣町だが30分以上かかり、北海道の広さを改めて思い知らされる。
音威子府で下車。3年前は降りていないが、1回くらい来てみたい駅だった。
人口800人程の小さな村だが、交通の結節点なだけあって駅舎は立派である。かつて天北線が分岐していた。
30分の接続でバスに乗り換え。ちょうど枝幸行きの特急バスもやって来た。
音威子府 1605→浜頓別ターミナル 1727 宗谷バス 天北宗谷岬線 鬼志別行
天北峠を越えオホーツク海沿岸へ。
天北線の代替バスであるが、中頓別まで乗客は他にいなかった。浜頓別までの区間は2023年に廃止されるという。
浜頓別ターミナルには多くの高校生たちが待ち受けていた。彼らにとってバスは欠かせない通学手段に違いない。
併設された道の駅で夕食を買い、浜頓別の街を少し歩く。
役場周辺は工事の真っ最中だった。
中心街から少し離れ、クッチャロ湖へ。
日本最北のラムサール条約登録地であり、春と秋には数千羽のコハクチョウがやって来る。
夕日を見るには少し早すぎた。もう1か所行けるかもしれない。
この辺りで学生証が無いことに気づいた。
市街地を抜けると一気に視界が広がる。西の丘陵の向こうに沈もうとする夕日は日本でないみたいだ。
バスの時間を気にしつつ海側へと進む。熊が出てこないかヒヤヒヤするが、そんな心配を忘れさせてくれる景色だった。
ベニヤ原生花園に到着。残念ながら花の見ごろではないが、オホーツク海も見渡せた。オホーツク海を見たのは人生でまだ2回目だ。
帰り道も熊の出没に怯えながらバス停にたどり着いた。翌日の行程の都合上、最終のバスで更に北を目指す。
この時間でもまだ明るいとは、夏の北海道を感じる。
ベニヤ原生花園 1923→浜鬼志別 2027 宗谷バス 天北宗谷岬線 鬼志別行
時折天北線の駅名のバス停を聞きつつ、浜鬼志別の市街に着いた。
本日は猿払村・浜鬼志別に宿泊。他に泊まっていたのは工事関係の方がほとんどだった。
2020/07/03