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えいがさきスタッフトークショー付き上映会レポート

2024年10月7日@新宿ピカデリーで行われた、えいがさきのスタッフトークショー付き上映会に参加したので、トークショー部分(+河村監督の補足ポスト)のレポートを書きました
お話しされた内容的に公開を控えた方が良さそうなものは特になさそうでしたので、トークショーの全内容を記載しています。ただし発言の正確な再現はできず、ざっくりと項目ごとにまとめて再編集しています(項目分けしたため回答順ではありません)。ニュアンスを誤解している部分や聞き間違え、聞き漏らしなどがある点はご了承ください
また、当然ですがえいがさきのネタバレにあふれいますので未鑑賞者さんはご注意ください

以下、発言者は下記のように記載
監督河村さん    →か
シナリオ田中さん  →た
イラストめばちさん →め


シナリオについて

シナリオのこだわり

か:ソロをやって欲しいという要望から映画企画がはじまった。ソロ→ユニットときて、その上でまたソロをやるということを意識した
 ソロをやる舞台としてスクールアイドルグランプリを設定として考えて、そこからスクールアイドルグランプリのルールなどを考えた

た:仲間だけどライバル、ライバルだけど仲間というテーマは変わらず。一期と二期の経験を経た上で、ソロとして競い合うときにどうなるかを考えた

チーム分けをしたことについて

か:尺が限られてた。一部作で12人ソロをやることは現実的に無理なので、チームを半分に分けて、最終的に三部作にした。二部に回された子たちのファンに残念がられないかは心配だった

沖縄のメンバーの掘り下げポイント

た:クライマックスを誰にするかをまず考えた。OVAで成長した歩夢と元々プロ意識の高いランジュを最後にすることを最初に決めた
 そこから最初にフォーカスするキャラとしてしずく、彼方を出して、成長してきた部分について語ってもらった。最初にフォーカスされたキャラが中盤以降影が薄くならないようにシナリオ面で気をつけた
 エマの魅力は人に対してどう振る舞うか。その流れで天と小糸というキャラクターができた
 構成の中でかすみを歌わせることが難しくなったので、その分、シナリオでは大活躍してもらった

天と小糸の描写

か:どれくらいの尺感で描くかを悩んだ。描きすぎると「ニジガクをやれよ」という感想になると思ったので、かなり細かくボリュームの足し引きした

た:何回もシナリオをなおした。最後の2人の仲直りのやり取りを最初は目立たせないようにあっさりとしたものにしたら、監督からもっとがっつりやるように指示があった

天と小糸のすれ違い

か:どちらかが上手くてどちらかが下手だったから上手くいかなかったのではなく、単にコミニュケーションが取れてなかっただけ。小糸は天が上手いとわかったので、天を目立たせようとしてバランスを崩してしまったのだと思う

た:互いに尊重しすぎてしまってうまくできなかった。エマはそれを一瞬で見抜いたし、エマなら見抜けると思った

侑と歩夢の再会シーン

か:昭和のメロドラマのイメージ。小田和正が流れそうなイメージ
 侑が後ろから声をかけるところは、はっきりと後ろから聞こえるように音響さんに指示した
 (↓のお年玉については)シナリオ上は「お年玉使っちゃったよ」みたいなセリフが残っていたけど、ヤボかと思って絵コンテで削った

た:ムード作りもだけど、実はシナリオ上はどうやって来たのかとは決められていた。おそらくお年玉を全部使ってきた

MVについて

ダンスのこだわりポイント

か:テレビシリーズのダンスシーンは意図的に他の同好会メンバーを出さないようにしていた。逆にえいがさきではそれぞれのMVに全メンバー出すという縛りをつけた(沖縄組でない子の出番確保の意味もあった)
 また、「沖縄の風景も必ずだす」、「キャラの心象風景を必ず入れる(どういう心理状況で踏まえた上でMV内に架空のドラマ作りをしてもらった)」という指示も出した。テレビだとここはできなかった

ランジュのMV

か:絵コンテは佐藤さん。架空ドラマのモデルにしたところはあるけど正解はなく、想像の余地のある作りとした。皆さんの考察を佐藤さんとみて楽しんでる

彼方のMV

か:MVに入っていくところの「なりたいものが沢山あるわがままな彼方と 」という意識で宇宙とかにした
 ライブ上の小ネタを入れて欲しいとは指示した
 絵コンテは浅野さん(幻日のヨハネ副監督)。特訓シーンやイマジナリー遥ちゃんは浅野さんの発案

その他のMV

か:残りのしずく、歩夢、エマは監督が絵コンテ(監督が書くと小ネタ多めになる)を担当(※河村監督のポストによると、正確にはしずくはにじよんのほりうちさんと共同、エマはCGディレクターの岩崎さんがベースアイディア)

 エマのPV中の春夏秋冬ーー四季を巡るシーンは、同好会の加入順にした。春は元々のメンバーが花見しただろうなぁとか想像。夏の花火シーンは花火ができる公園を探して、お台場のあたりは禁止されてるとこが多いので、隣の区のぐるり公園にした

衣装について

しずくのダンス衣装

め:水着モチーフという話があった。一番最初にどかんとステージに立つので、見てるみんなをびっくりさせるように意識。最初はプールの水着と同じ方向性にしてたけど、あえて普段しずくが着ないような色に最終的にした。色決めはかなり難しかったので、色彩設計の赤間さんとかとみんなで沢山アイディアを出し合って決めた

か:沖縄だから水着にしたかった。冬だけど水着を強引に出すのにああいう流れにした。ただあまり露出が多すぎるとエッチがすぎるので、そこは露出を多くしないようにお願いした
 えいがさきのダンス衣装はあえてメンバーカラーは拾ってない

彼方のダンス衣装

め:人魚ではなく、魚人モチーフ。強い彼方ちゃんを表現したかった
 また落とし込みとして、ちょっと子供っぽいとこと大人っぽいとこ両方が見えるように意識した
 グローブは、最初水かきとか爪とかにしてたけどやりすぎと思って最終的にこの形になった

か:ちょっとハンギョドンっぽい

エマのダンス衣装

め:沖縄伝統衣装モチーフ。スカートは花笠。柄とか細かいパーツがなくても色味で沖縄だとわかるように気をつけた

か:下駄っぽいブーツがかわいい

ランジュのダンス衣装

め:歩夢とセットで考えた。普段のランジュの衣装は制服や軍服をモチーフにしているが、逆に歩夢のモチーフであるウェディングドレスにした
 スカート裾のフリルに同好会全員の色を入れられたのがよかった

歩夢のダンス衣装

め:ランジュの逆で普段はウェディングドレスとかモチーフにしているが、ランジュのモチーフを元にした(具体的に言及はなかったように思いますが多分軍服?)
 堂々とした歩夢の強さを表現するのに、普段の歩夢のピンクよりも強めのピンクにした。ピンクは女子にとって着るハードルが高い色だけど、今の歩夢なら着れると思った
 あみタイツは趣味。だけど今の歩夢なら履けるという思いもあった。作画さんには、作画が難しくなって申し訳ないと思った

私服について

か:二期で鎌倉のお泊まりで着回しを考えたのが楽しかったので、その流れ。キャラによって荷物が多い少ないとか、多くてもかわいいを優先するとか効率優先とか考えた。歩夢ちゃんは効率派
 自分だったらTシャツにジーンズで現地で買うとかしそうだから、偉い。パジャマ持ってってるのも偉い

彼方のMV中の宇宙服

め:ああいうのはトンチキになりやすいの気をつけた。ちなみに彼方の宇宙服の耳っぽい部分は、羊のツノをモチーフとして拾った

その他

えいがさきへの意気込み

か:テレビでできなかったことを完結編として思い残すことなくやりたい

た:三学期の結びの話として意識した

め:逆に映画だけどなるべく今まで通りを意識。ただ、完結編という寂しさはあった

桜坂劇場

か:桜坂劇場出せてよかった。元々存在は知ってた。しずく行くなら出さねばと思った

た:桜坂劇場は一番最初のロケハン

(なお、桜坂劇場は聖地巡礼しましたがこんなところです↓)

最後に

め:普段は会議室などで作っているので、今日はこうやって皆さんに直接お礼とお話しできてよかった

た:元々シナリオを作る時には「シナリオを最初に読んで芝居をするのはキャストなので、キャストがキャラの気持ちを理解しやすいようなシナリオにすること」を心掛けている。ラブライブ!はキャストがライブ、イベントでキャラになって表舞台に立つ、よりキャストの責任が強いコンテンツ。裏方として、キャストを応援できるようなシナリオにするという考えで作っていて、これを完結するまで続けていく

か:基本的にキャラはキャストが作り上げてきた。自分は後から関わったので、彼女たちが作って来たものを崩さないようにしつつ、さらにキャラたちの成長した姿を見せられるようにこれからも描いていく

スタッフトークショーについて(感想など)

トークショーはだいたい3-40分くらいで、司会のバンダイナムコフィルムワークスの方が質問して、それに対して各々が答えるという感じで進んでいきました。皆さんあまり表舞台でお話される機会が少ないからかかなり緊張されていたようですが、会場内のレスポンスが非常にあたたかい感じであったこともあり、全体的にはとても和気あいあいとした空気感でした

(↑の監督のポストにあるように途中マイクをゴンとならされるハプニングもありましたが、ご愛敬という感じで会場の空気はとてもよかったです)

服装は河村さん、田中さん、めばちさんともにえいがさきのTシャツ+鑑賞特典のめばち先生デザイン缶バッジでコーデを統一していて、特に河村さんが両肩にバッジをつけていたのが印象的でした

また、スクリーンにはトークテーマに沿った映画のシーンから撮ってきた画像が表示されていましたが、私服のパートで歩夢の「1日目~4日目」の服装が横並びに表示されたのは、設定画っぽくて面白かったです。2日目と3日目は同じワンピースをベースにアレンジを変えたコーデになっていたのに、ここで気づけました

個人的には他の記事にも書いたようにアニガサキのTVアニメオフィシャルBOOKを隅から隅まで読むくらいアニガサキのスタッフさんたちのお話が大好きなこともあり、今日のトークショーは本当に神イベントでした!

内容の中で特に聞けて面白いエピソードだなと思ったのは「ランジュと歩夢の衣装モチーフが普段と逆転している」、「エマのPVの四季の登場順は同好会の加入順」でした。他の内容を含め、全体的に今日のトークショーの内容を知った上でえいがさきを見たらもっと楽しめるような情報ばかりだったように思います

自分はこの内容を踏まえてもう一度えいがさきを見に行こうと思っています。みなさんもこの記事をもう一度えいがさきを見に行くモチベーションにしていただければ幸いです!

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