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アバターファッションの未来

■世界中でStayHome

コロナ禍の影響で世界中の人々がStay at Homeを強いられる状況になってしまいましたが、限定された環境の中でどんな過ごし方ができるのかを多くの人が模索しています。

そんな中、あらためてオンラインの中で楽しめるカルチャーが見直される兆しも見えてきました。

■あつ森ブーム

家の中で出来るゲームのユーザーが増加し、とりわけ『あつまれどうぶつの森』は過去最高のヒットとなっているようです。

ここで注目したいのは、「あつ森」の中で着る服の中にリアルブランドが登場してきたという所。

マークジェイコブスは現在販売されている商品と同じデザインを配布

ヴァレンティノは、2020年春夏とプレフォールコレクションのルックからメンズ・ウィメンズのアイテム約20種類を配布しています。
(各Instagram内にIDが掲載されていて、それを持ってきぬえさんの所に行けばもらえます)

オリジナルの服は、マイデザインプロエディタのこんな画面から簡単に作れます。

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■メタバース

2000年代後半に流行した「セカンドライフ」という仮想空間の中で自由に生活ができるメタバース空間の中で、世界中の人々同士が会話し、土地や島を持ち、空間内で制作された家や家具、衣服やアクセサリー等、様々なアイテムがRMT(リアルマネートレード)可能なリンデンドルで売買され、リアル世界でも潤う人々が現れた事があります。

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僕もその時にメタバース内でトラスを組んでステージを作り、リアル世界で活動するアーティストの方たちとコラボし音楽ライブを開催したりして手ごたえを感じていました。

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しかしその大きなうねりも、サービスを楽しむために高いPCスペックが必要だったり、SNSが未発達でユーザーコミュニティが広がりにくくどこも過疎ってたりして、一部のギークな人々のみのトレンドとして終わってしまい、セカンドライフ以外にも立ち上がった多くのメタバースサービスが消えていってしまいました。

■シーグラフLAで

かなり前の話ですが、デジハリ大学院に在学していた2008年、LAで開催された世界最大のCGやテクノロジーの国際会議・祭典"SIGGRAPH(シーグラフ)"で、世界各国のアバタースタイルを調査し「アバターの未来考察」をテーマにまとめた研究が審査を通過し、現地ポスター発表したことがあります。

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この研究で伝えたかったのは超ざっくりまとめると、

「誰もがアバターを持つ未来が来て、そこから発展するカルチャーがある」

という事。

当時、この研究内容を見ていただいたオンラインゲーム会社社長から、レベニューシェアで一緒にアバターファッションやりましょう!とお声掛け頂いて、連携できそうなファッション企業にアタックしまくりましたが、どこもまさに"けんもほろろ"状態で、そもそもまだ「アバター」という映画も公開前で、ほとんどの人が「アバター」という概念すら理解していないような時代背景もあり、全くとりあってもらえず、残念ながらこのプロジェクトは成功させる事ができませんでした。

それから時が流れ、コロナ禍のオンライン世界が突如到来した訳です。

■アバターの種類

今後は、よりリアルな自分の外見に近い「オフィシャルアバター」と、内面や趣味嗜好を拡張反映した「拡張アバター」を持つようになるだろうと考えています。

最近では自分をスキャニングして安価にアバター化できるサービスも出てきていますね。

3Dスキャニングの精度もかなり上がってきていますが、2D化した自分や、あつ森のようなデフォルメされた3Dキャラクター(アバター)のほうがカスタマイズの敷居が低いかなと思います。

「オフィシャル」「拡張」で場面によってアバターを使い分けていくような状況が生まれてくるのではないでしょうか。


■メタバース百貨店

先に触れた「セカンドライフ」の中でもリアルの百貨店やファッションモールが出展した事は当時話題になりましたが、本格的にスタッフが接客して商品を販売するまでは至りませんでした。

2002年にファイナルファンタジーXIがFFオンラインゲームとして初めて登場した時、しばらくこのワールドにどっぷりはまっていて、中で友達と会話したり一緒に戦ったり、武器や装備を買ったり交換したりしていましたが、

ふと、これってカード登録もしてるし、FF内にリアルと紐づいた百貨店を作って接客してダウンロード商品やリアルな商品も届くメタバースコマースしたらいんじゃね?と考えて、スクエニ社員だった人、ネットモールサービスの人、色々な人に投げかけてみたりもしましたが、ハードルも高い事なので実現には至らず。

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もしその頃にどこかがサービススタートして、メタバースコマースのプラットフォームが今完璧に出来ていたら、リアル店舗を自粛閉鎖しても売り上げを作る事が出来て、Amazonの独り勝ちに食い込めたんじゃないかと思ったりしていました。

そんな中、先月(2020年4月)三越伊勢丹がバーチャルイベントに出展、

VR空間上で伊勢丹新宿店の建物を再現し、アバターの衣装やアクセサリー、架空の住居などの3Dアイテム、リアル店舗に出店中ブランドのデジタルファッションと一部ではあるが実在の商品も購入することもできる状況を作りました。

今後に期待ですね。


■VTuberとファッションショー

2016年頃から「キズナアイ」など、CGやイラストで作られたユーチューバーキャラクターが登場し、何百万ものフォロワーを獲得して現在に至るまで人気を集めています。

以前所属していたデジハリ杉山研究室のメンバーも、昨年「VTuberファッションショー」を幕張メッセで開催したりして、新しい世界を切り拓いています。


■アバターファッションの未来

今後は幅広い世代がオンラインコミュニケーションに慣れ、多くの人がアバターを持つ時代になってきます。

ゲームキャラクターなんかも自分の分身「アバター」といえるので、既にそういう時代にどっぷり突入しているとも言えます。

では、自分の分身に何を着せるのか?を考えると、自分の趣味嗜好を反映させたいと思う人が多くいても不思議ではないでしょう。

例えば、今日着る服をアバターにも着せるとか。

アバターファッションの入手がもっと簡単になるといいですね。リアルの買い物とPOS情報連動して、アバターにも同じブランド、デザインの服やアクセサリーが自動的に付与される、または購入できるとか。

誕生日やクリスマスプレゼントなどギフト需要もあると思います。

デジタルだから越境販売も簡単在庫もない

ラグジュアリーブランドのコレクションルックは現実社会ではなかなか購入できないけれど、アバター用には気軽に着たりできる。(またはロイヤリティの高い顧客のみ、そのアバターファッションを気軽に手に入れられないようにコントロールもできる)

世界には数えきれないほどのブランドがあり、毎シーズンデザインが創られては消えていきますが、デジタルアーカイブ化すれば永遠に残すこともできる。

SNSの巨人「facebook」もセカンドライフのようなメタバース「Horizon」をスタートするとアナウンスしています。

ファッションブランドも沢山参入してくれば可能性が広がりますね。

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いずれにしても更なるプラットフォーム形成が必要でそれがコロナ禍で加速し、オンラインでカルチャー形成の土壌が整ってきたといえるでしょう。

今後の動向にも注目していきたいと思います。



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