私がガレキ美少女を泣かせた理由。〜立志編〜
模型趣味を本格的に初めて4年。普段はもっぱらプラモデルばかり作っているのだが、ひょんなことから初めてガレージキットを完成させた。その制作記を何回かに渡って書いていこうと思う。
それはまるで、瑞々しくも美味しいお米を作るカリスマ農家のように、麗しく破廉恥なビキニアーマー美少女を安定生産してくれるイラストレーター・ナダレ氏(@nadare3nWMM)が描くキャラクター「ソフィア・F・シャーリング」のガレージキット(エルドラモデル製)が完成した。とっても大変だった。しかし、大変に栄養価値の高い収穫だった。豊作だったのだ。美少女コンテンツは一次産業である。
思い返せば昨年の夏、ふらっと寄った本屋で買ったモデルグラフィックス2022年8月号「ガレージキット全工程特集」を見たのがきっかけだった。それはプロフィニッシャーのガレキ制作過程を1から10まで披露するというもので、これが素晴らしかった。HOW TOはもちろんなのだが、それよりも感銘を受けた点がある。編集部が納期5日という条件で発注したガレージキットが、仕上がり60〜70%というところで”完成”として記事になっているのだ。素人の私から見ても、”時間があれば"もっと出来たでしょ、という感じなのである。そんなのでいいのか。いいのである。記事用の写真や文章を練りながら作るガレキは大変だったであろう。しかし短い納期の中でやるべきことはやり、最大限に技術を披露してくれていた。納期は残酷であるが、時に寛大だった。
普段、仕事で納期に首を絞められながら生活している一読者の私はこれにいたく感動した。異能生存体か何かだと思っていたプロフィニッシャーも同じ人間だということが解ったのだ。SNSや模型紙で見かける超絶美麗なガレージキットの作例を見ては勝手に境界を引いていた私をして「これなら私もガレキが作れそう」と思わせるには十分な特集だった。気づいた時にはBOOTHでガレキを発注し終えていた。
そして事件は発生した。