高周波技術習得、2020年の振り返り
今年は、個人で高周波の勉強を始めた年で、その意味では記念すべき年になった。きっかけは、5Gのサービスが開始されたが、5G対応の機器を製造しているのは海外のメーカーが多く、国内メーカーの弱体化が感じられた。そこで、微力ながら高周波技術を高める努力をすることを決めた。
元々は、高周波回路技術者として仕事をしていたことがあり、全くのど素人ではなかった。参考書なども書庫に揃っていた。一番不足しているのは、測定機だった。自宅にあったのは、簡易型のスペクトラム・アナライザと信号発生機(0.1〜140MHz)のみだった。
そこで、測定機の調達から始めた。まず、簡易型のネットワーク・アナライザを購入し、続いて中古のパワーメータと信号発生機(9k〜3.2GHz)を手に入れた。これらの測定機で十分とは言えないが、できる範囲で実験を進めた。
参考にしたのは「高周波回路の設計と製作」で、実験用のプリント基板に面実装の部品をハンダ付けし、その特性を上記の測定機で評価した。それと、部品箱にあった高周波部品の特性を評価した。
上記の参考書は、高価な測定機を使用しなくても測定評価ができるよう、315MHzで試作をしていた。その帯域で使用できる送受信器の存在も勉強になったと思う。しかも、送受信器の価格は安価だった。
それに関連して、YouTubeの動画(主に英語)がよくできており、大変参考になった。それから、マイコンのArduinoも高周波の勉強に役立った。Arduinoには、高周波の信号が扱えるライブラリがあり、同時に温湿度センサーのデータを扱うためのライブラリも揃っていた。
これらの存在が、実際にセンサーデータを電波として送信し、受信してデータを表示することを可能にした。
以前、ZigBeeの通信モジュールが発売された時に試してみようと思ったが、モジュールをどうやって使うかが分からず断念した経緯がある。実際に無線モジュールを使ってデータを送受信できたのは進歩だと思った。
現時点では、315MHz帯でAsk変調したデータの送受信なので、5Gの送受信技術までは大分先のことになりそうだが、来年は5Gの技術に近づければと考えている。