はやぶさ2の通信方式
はやぶさ2については、地球に岩石を持ち帰ったことが話題になったが、高周波技術の観点から通信方式について調べてみた。
参考にしたのは「小惑星探査機はやぶさ2とその通信」と題した文章だった。この文章は、専門家の講演内容を文章化したもので、信頼できると思った。
リュウグウと地球との距離は、2億8000万キロもあるそうだが、このような距離で通信ができるのは驚異だと思った。よほど特殊なことをやっているのではと想像した。
ところが、上記の文章を読んだところ意外にシンプルな方式であることが判明した。その方式とは、
・周波数 コマンド X帯:7.1GHz
テレメトリ X帯:8.4GHz あるいは Ka帯:32GHz
・変調方式 コマンド PSK/PM
テレメトリ PSK/PM
ここで、コマンドとは地球から探査機に送られる指令のためのデータで、テレメトリとは、探査機から地球に送られる探査機の状態を示すデータとなる。
周波数は、Ka帯を除けばアマチュアでも使える周波数帯域だが、これらの電波を送受信するための設備で地上局で使われるパラボラアンテナは、直径が64mもある。これは、マナチュアに全く手の届かない代物だった。
しかも、地球の自転の関係で、世界中に分散されているパラボラアンテナが必要となるので、マナチュアが手を出せるような領域ではないことが分かった。