MSXでドハマりしたゲーム
前に書いた記事のつづき。
あ、ドハマりの「ド」ってどういう意味なんでしょう。「度を越してハマる」の「度」なのか、「超弩級にハマる」の「弩(ドレッドノート)」なのか。まあ、どうでもいいか・・・。
さて、MSX熱をさらに強めたゲーム。
「ザ・ブラックオニキス」
知ってる方いますかね。
ジャンルはダンジョン型RPG。ウィザードリーや女神転生のような感じかな。当初はPC-8800向けに発売されたゲームなんだけど、MSXにも移植された。
ストーリーは、次のようなもの。
古くからの伝説によれば、永遠の命と莫大な富をもたらす宝石・ブラックオニキスが呪われた街ウツロのはずれのブラックタワーにあるのだという。この宝石を求めて、多くの冒険者達が地下迷宮へと消えて行った。(Wikipediaより引用)
要は地下迷宮を冒険して、その最下層にあるブラックタワーの入り口からタワーに入り、タワーの最上階でブラックオニキスを手に入れる、というもの。今のRPGのように魔王とか勇者とかそんなものはいない。何かをするとストーリーが進むなんてこともない。ひたすらレベルを上げて地下迷宮に潜っていくだけ。
シンプルだけどはまった。いや、シンプルがゆえにはまったのかもしれない。
このゲームに出会ったのは、前の記事で書いた友達の家。お兄さんのソフトだったらしく、普段は目にすることがなかったんだけど、たまたまお兄さんがプレーしているのを目撃した。
背景は真っ黒。画面の右上に表示された迷路を進み、途中、モンスターと遭遇するとそのまま戦闘になる。戦闘といっても、今のゲームのような動きはなく、コマンド入力とメッセージだけで行われる。画面左上には自分のキャラクターの生命力が、画面右上にはモンスターの生命力が、青色をした横向きの棒で示されており、ダメージを受けるとそれが赤くなっていく。
BGMもない。ピッという効果音だけ。コマンドもキーボートで入力していくので、見ているだけでは何をしているのか分からなかったが、その静かに淡々と進むゲームに、今までのゲームにはない大人っぽさを感じた。
前の記事にも書いたように、当時の私は大人っぽいことに憧れていたため、「あのゲームは何?」って友達に質問した。友達もよく知らないとのことだったので、今度、お兄さんがいないときにやってみようという話になった。
後日、ワクワクしながら友達の家に行った。友達がカセットを挿入する。MSX起動時のロゴにつづいて、真っ黒な画面にゲームタイトルのロゴが浮かび上がった。
スペースキーを押してゲームをスタートさせる。
まずはキャラクターの作成だ。このゲームは最大5人のパーティーを編成することができる。最初の段階で5人のキャラを作ることも可能だし、冒険途中で出会う冒険者を仲間にすることも可能だ。
とりあえず、友達と私の名前で2人のキャラクターを作成した。髪型とか服の色を決め、いよいよ冒険がはじまる。
スタートはウツロの街から。はじまったはいいが、何をしていいのか分からず、適当にさまよい歩く。
途中、他の冒険者に出会う。「話しかける」「戦う」「逃げる」の選択が可能で、とりあえず話しかけてみた。
攻撃してきた。そして全滅した。
あっけない終わり方だった。地下迷宮どころか、街の中で、しかもモンスターではなく同じ人間に全滅させられてしまったのだ。全滅すると「ゼンメツシマシタ」というメッセージが出て、タイトル画面に戻る。コンティニューとかそんなものはない。作ったキャラクターは、きれいさっぱり消滅する。
またキャラクターを作ってスタート。今度は、武器屋、鎧屋、盾屋を見つけて、装備を整える。地下迷宮への入り口を見つけ、今度はモンスターを倒しながらレベルが2になる。地下1階をうろうろしていると、下への階段を見つけた。
地下2階に下りてみる。ほとんどレベル上げをせずに下りたために、地下1階よりも強くなったモンスターによって、あえなく全滅してしまった。
時計を見ると帰る時刻。後ろ髪を引かれる思いで友達の家を後にする。帰りながらこう決意した。
「このゲーム、絶対に買おう!」
そして貯金を下ろしてもらって購入した。
そこから私は、寝ても覚めてもこのゲームしかやらなくなった。そして、データのセーブ方法や、パソコンの知識の壁にぶち当たることになる。
つづく。