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恐山に行ってきた話

日本三大霊場の恐山に行って来ました。 恐山は青森県の下北半島にあるとても有名な霊場です。下の写真でいうとイタコらしき女性が座っている場所です。

恐山ではまず奪衣婆と懸衣王が三途川の前でお出迎え。奪衣婆はお馴染み、服を脱がす婆さんです。懸衣王は剥いだ服を受け取り枝にかけて、枝のたわみで罪の重さを測るんだとか。ちなみに、三途川の橋は現在通行止でした。

三途川の橋を過ぎれば、奥の方に六大地蔵がいらっしゃって、すぐ手前が入り口です。

入館料を払い、門をくぐると左手に記念写真用施設。そのさらに左手にイタコの口寄せの看板が見えます。さらに進み、啞形吽形を見つめながら真の門をくぐると右手に男湯、左手に女湯となっています。よくわからないと思いますが、そうなのです。そのまま進むと、右手に手水、左手に御守り処です。さらにさらに進むと本殿となっています。本殿で手を合わせます。

さてそのあとは、順路に従ってお参りにまいります。恐山では順路を巡って一番下の無間地獄から、最上の極楽浜まで向かうという流れになっていて、1つずつ段階を経て解脱するというストーリーです。

とにかく地獄というものはほとんど岩場で、硫黄の匂いと所々に積まれた石が荒涼とした地獄を表現しているようでした。なんなら極楽浜のすぐ隣も硫黄の匂いに満ちています。

順路に従い歩いていると、遠く離れた手前の順路で恐山のガイドの声が聞こえて来ます。有料の恐山ガイドがいるのです。今回、こちらは依頼していませんが、他の参拝者が頼んだのでしょう。よく通る男性の声が聞こえて来ます。
「以前は53人いたイタコも今ではたったのひとりで、……」
……えー…マジか…なにその話…雇えば良かったのかぁ…?

比較的お参りに来る人も多く、いかにも同好の士といった感じの声もそこかしこから聞こえて来ます
「えー?まさかあそこまで行くの?!高野山の時はパスしたじゃない……」
……めっちゃイヤイヤっすね……

兎にも角にもぐるりと周り、寂れた地獄と美しい極楽浜を楽しんだところで、本殿の裏の不動明王を見ていないことに至り、かなり辛い思いをして全て見切ったのでした…。

しかし、恐山とは日本の三大霊場。恐山と直接の関係はないかもしれませんが、イタコもいる土地です。本当の本当に切に願ってここへいらっしゃる方も沢山いると思いますし、積まれた石には願いや供養の詰まった供えものなどあるので、決して茶化すことはできません。しかし観光地としての側面もないとは言えないため、心の置き所というか態度を決めかねるというか、難しい部類の観光地ではあるなと思いました。正しくは観光地ではなく、信心の現れとして参りにくるというのが正しい態度でありましょう。

地獄とは、硫黄の匂い立ち込める岩場ばかりの閑散とした土地ですし、硫黄があるということは、温泉があるということとも言えましょう。地獄とはいわば温泉、なのです。入り口側の男湯女湯にも納得の結果です。

それはさておき。

極楽浜の美しさはなかなか素晴らしかったのです。写真として残すには少々難易度の高い場所でした。東屋に座り、のんびりと極楽浜を眺める老夫婦にもやや心を奪われてしまったことをここに記しておきます。

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