外房大原の解禁初日!ショウサイフグのカットウ釣り/大原 利永丸
やってきました!外房大原でのショウサイフグ釣り解禁日!
今年はなんだか東京湾のショウサイフグ釣り、通称「湾フグ」が偉いことになっているらしい。
「一日一匹釣れればいい釣りだから湾フグ(ワンフグ)なのさ……」なんていう冗談は今わたしが作ったものだが、今年は10年に1度だか20年に2度だかの当たり年だそうで、小型主体ながらもトップが100匹を超えるなんて言う日もあるのだとか(匹数制限しないのかな)。
よし、それでは一丁わたしもフグ釣りにいってこようかなと向かった先は、なぜか外房の大原港だったりする。東京湾の船宿なら確実な釣果が期待できそうなところなのだが、ここはあえて10月1日に解禁を迎えた大原のフグでキメてみたいと思う。
この日はまさに解禁日ということで、昨日までの釣果実績というものがまったくなく、どっちに転ぶか予測がまったくできないのだが、解禁っていう言葉に魅力を感じてしまったのよね。お世話になった利栄丸さんは、2010年の11月に訪れた際、大原港におけるフグの匹数上限である80匹を達成した船宿なので、きっと今度も大漁だ!
外房のショウサイフグの仕掛けと釣り方
ショウサイフグの解禁日となる10/1は、前日まで台風の影響で出船を見合わせており、この日も多少のうねりが残っている可能性が大。底荒れすると海底の砂に潜ってしまうなんて言われているフグのご機嫌はいかがだろうかと心配しつつ、出船前に船長から釣り方をレクチャーをお願いしたところ、「前回と同じでいいよ!」という熱いお言葉が返ってきた。4年前の事なんておぼえてないよ!(なので自分の記事を読み返しました。インターネットって便利ですね)
まあそんなことを言いつつも、「今日はオモリはちょっと浮かせた方がいいかも!」というアドバイスをいただいた。湾フグ釣りだとオモリを海底につけた状態で糸を張るゼロテンション状態での釣りが基本となるが、荒れ気味の外房だと竿先がどうしても上下に揺れるため、ならばいっそオモリを浮かせてしまった方がアタリがとりやすかったりするんですよね。もちろんゼロテンションで攻めてもOK。また根掛かりを避けるという意味でも、ゼロテンションならぬフルテンション状態の宙釣りは、私みたいな万年初心者にはいいかもね。
ということで、ショウサイフグ釣りの仕掛けを説明するとですね、普通の釣りと大きく違うのは、エサを食わせてハリを口に掛ける釣りではなく、エサを食いに来たところを下にぶら下げたカットウバリというイカリのようなハリで引っ掛けて釣るところ。
引っ掛け釣りということでバカにする人がいるかもしれないけれど、これがやってみると楽しいのである。フグがエサをついばむアタリはとても小さく、ショウサイフグったらセンサイフグ。そのアタリを上手にとって掛けられると、これがたまらなく気持ちいいのだ。
ほとんどの釣りは魚が自分からハリをくわえてくれるけれど、この釣りは自分で積極的にアタリをとらないと一生釣れない。置き竿なんてもってのほか。その点では、どんな釣りよりも己の合わせの技術が試される釣りといえるかもしれない。
仕掛けは25号のオモリを使用し、一つテンヤとかタチウオとかで使用する大きなハリでエサをぶら下げる。そしてそこから引っ掛けるためのカットウバリを吊るすというのが基本的な構造。
最近はいろいろなタイプが市販されているようだが、私は極力シンプルで攻めてみようということで、ギラギラしたいい感じのナツメオモリにルアー用のスプリットリングでタチウオ用のハリをぶら下げ、そこからハリス8号25センチくらいでカットウバリをつけただけというものを用意してみた。仕掛けが絡みにくいようにハリスをチューブに通す場合も多いが、1本針だしこれでいいかな。チューブを通さないならもっと太いハリスがいいかも。強度の問題というよりも、ハリスにある程度の張りがないと絡むのよ。
エサを付ける際は、食わせのためのエサではないので、ケチらずにたっぷりとつけるのが基本。エサが減ったらどんどん付け足していってください。黒っぽい肝の部分が好きなようなので、もしオレンジのベロだけになったら、全部外して付け直してもいいかもね。
ちなみに常連さんの中には、アオヤギと合わせてマル秘のエサを付けている人もいたみたいです。なんでも匂いと動きがポイントだとか。
ショウサイフグ釣りは小さなアタリを拾って掛けていく釣りなので、竿はその釣り方に合ったカットウフグ専用のものがベスト。釣具屋にいけば専用竿が各種たくさん売っているので、予算とフィーリングで買っていただければがいいのだが、そんなに竿を買えないよ!っていう人も多いはず。そう、私がそうなのだ。
そんな人はがんばってお金を貯めてやっぱり専用竿を買うか、船宿のレンタルタックルでやるか、手持ちの持参した竿でやるかとなる。
お金はちっとも貯まらない。レンタルタックルでもいいけれど、竿なら家にたくさんある。ということで、今回は外房用のカットウフグ釣り専用竿ではない竿を3本持ち込んで、使い比べてみることにした。前日に釣具屋で30分ほどダイワのアナリスターカットウを手に取ったけれど(すごく手に持った感じがいい)、今回は奥歯をぐっと噛みしめて我慢したんですよ。
持参したのは、1.8メートルのカワハギ用、1.5メートルの謎が多いアナゴ用と思われる古い竿、そして1.7メートルの湾フグ用である。まずは一番使いやすそうなカワハギ用からスタートしてみましょうかね。リールはPE2~3号を巻いた小型両軸が基本となるが、1号の細い道糸でやっちゃう人も多いみたい。その場合はフロロカーボンのリーダーを付けた方がオマツリなどのときに傷がつくリスクを減らせるかな。
本日御同行いただいた右隣のWさんは、湾フグ用の先がちょこっと折れた竿と、小型電動リールにPE1号という組み合わせ。水深が深くても30メートルくらいのフグ釣りで電動リールなんていらないでしょって思うかもしれないけれど、最近は使っている人が結構多く、無駄な体力を使わずにアタリをとることだけに集中できるため、これがなかなか良さそうでしたよ。
そして左隣のTさんは、最近お気に入りだという野毛屋監修の健流フグ竿。これも湾フグ用の竿だが、一応オモリ負荷25号まで対応しているらしい。リールはPE1号の手巻きかな。
さてフグは釣れたでしょうか?
出船後、しばらくは解禁初日ということで、どこにいるのかわからないフグを探しながらのクルージング。やっぱり初日はどこで釣れるのかは船長にもわからないみたい。そのかわり、ナイスな群れを見つければ、大型入れ食い間違いなしっていうプラス思考で船が止まるのを待つ。
ということで、最初のポイントは水深18メートルほどの浅場から。昨晩確認した天気予報よりもだいぶザッパンザパンと揺れている船の上から仕掛けを落とす。何度釣りに来ても、この第一投っていうのは気持ちがいいよね。
気持ちサミングしながらなるべく糸がまっすぐと降りるようにして、オモリが底についたのを確認したところでリールをちょこっと巻き、船が揺れて竿先が一番下がった時にギリギリオモリが底をつかないくらいに調整する。このときにオモリが底に着く高さだと、それがアタリと勘違いしちゃう。まあ、この辺りはお好みなので、揺れに合わせて底トントンでもいいかもしれない。
ちなみに両隣は、オモリを底に付けて糸を張るゼロテンションで頑張っているみたい。
ものすごく久しぶりとなるフグ釣り、さてさてどんなアタリが出るんだったかな。すっかり記憶から飛んでいる上に結構な荒れ模様でアタリがまったくわからないのだが、オモリの負荷で曲がった竿先をしばらく眺めていると、なんとなく船の揺れとは違う動きを見せたような気がした。
すかさず反射的に合わせてみると、なにやらフッと竿先が軽くなったではないか。フグは掛かるとゴツーンと強烈な重さを感じるはずなのだが。なんだか猛烈に嫌な予感に襲われながらリールを巻くと、まったくのノーテンション。超軽い。
あーーーーーーーー!
まさかの展開である。最初の合わせて仕掛けが落下。どうやらリーダーとサルカンの結び方がダメだったようで、合わせただけで外れてしまったようだ。新しい結び方、全然覚えてられていなかったらしい。合わせただけで外れるってどういうことだ。
あー、もう!だれだよ、この仕掛けを結んだの!
ああ、おれだよ!バカバカバカ、オレノバカ!
いやだがしかし、だがしかしである。これがまさかのトラフグ40センチとかが掛かった時に外れたのであれば、より悔いは大きかったことだろう。ここは悪い膿を先に出してしまったと前向きに解釈して、新しい仕掛けで頑張ってみようではないですか。
ということで取り出したのが、自作仕掛け第二弾。これはアナゴ釣り用に自作した半誘導テンビンに無理矢理スプリットリングをかましてタチウオ用ハリとハリスを繋いだというもの。チャームポイントは白いビニールテープを巻いて結束バンドで縛り付けて、貝っぽいヴィジュアルにしたところ。非売品だよ。
さあ、気をとりなおしてリスタート。今度こそはとアタリを探っていると、竿先が気持ち揺れるような小さなアタリに遭遇。よしこれだとハリスの長さ分だけ小さく合わせると(大きくあわせてハリで引っ掛けるというよりも、小さくあわせてハリにフグを乗せるイメージ)、グイッという懐かしい手ごたえ。よっしゃと竿先をさらに持ち上げるが、どうやらこれは外れてしまったようだ。
うーん、残念。ちょっと合わせのタイミングが遅れたかなと反省しつつ仕掛けを回収すると、あるべきはずのアレがない。アレだ、アレアレ。そう、カットウバリがないのである。
えええええええええー!どうやらこっちの仕掛けは、カットウをつなぐハリス部分の結び方が甘かったようで、ちょっとの張力でほどけてしまったようだ。
あああああああああああああああー、わたっしーのハーリがー!(聖子ちゃんカットで熱唱)
そんな感じで私がぼやぼやしている間に、釣れている人はポツポツと釣っているようで、なかなかのサイズも上がっている様子。数よりもどれくらいのサイズが釣れるのかが一番の関心だったのだが、これなら期待ができそうだ。ちゃんと糸が結べればだけど!
竿をアナゴ用に変えてみました
私が持ち込んだカワハギ用の竿は、25号のオモリをぶら下げた状態でピュッと合わせを入れると、穂先だけではなく全体がフニャンと曲がってタメを作ってしまい、カットウの動きが一瞬遅れてしまうような印象がある。ちょうど湾フグ釣りをキス竿でやったような感じですね。
このほんの一瞬の遅れがけっこうな曲者で、フグがエサをついばんでいる瞬間をとらえられないのはこのせいだと竿のせいだと決めつけて、ここで竿をチェンジすることにした。たぶんうまい人ならこの竿でも全然釣れる気もするのだが(ちなみにカワハギは結構釣れた覚えがある)。あるいは慣れの問題かもね。
次に取り出した竿は、中古釣具屋で800円にて購入した1.5メートルくらいの謎多き古い竿である。説明書きとかが一切ないのだが、たぶんアナゴ用と思われる。しなやかな穂先と一切曲がる気配のない頑固な胴、そして短い全長はフグ釣りにきっと最適!
いつか外房でフグを釣る日に備えて、消費税が5%時代に購入したこの竿だが、使ってみるとなかなか良かった。この短さだと本当に手の延長線みたいな感じで扱え、竿のせいで合わせ遅れるということがない。手を上げたと同時に仕掛けがしっかりと持ち上がってくれる。よって釣れなかったら私のせい。
穂先の感度も最新モデルのフグ竿と比べれば固いだろうが、使うほどに慣れてくるはず。リールを付けたところから下の部分がちょっと短くて、持っていて疲れる感じはちょっとあるかな。
この竿に変えて変えてからアタリも感じやすくなり、若干辛めな海上のコンディションながら、フグ釣りがだんだん楽しくなってきた。
よし、あたった!
あわせた!
おしい、チップした!(ハリがフグに触ったけど掛からないこと)
チップした……チップした……チップスター!
なぜかウマヅラハギが連発する
この日は大原のショウサイフグ解禁日ということで、群れの場所を探して移動しながらの釣りとなったが、しばらくするとようやくポイントが定まってきたようで、船中ポツポツとフグが上がりだしたようだ(自分のことで精いっぱいのため写真なし)。
そして何度かのチップを繰り返したのち、私の竿にもガツンとした手ごたえ到来!
これこれこれ(心の中で手を揉みながら)。穂先がモゾモゾっとする程度の小さなアタリに対して、素早く、そしてなるべく小さく合わせを入れると(大きく合わせを入れるとフグが逃げるといわれているけれど、湾フグよりは水深があるしオモリが重いので多少は強めなのかな)、一瞬ゴミでも引っ掛けたのかと思ってしまうようなゴツーンとくる強烈な手ごたえ。
そこで躊躇せずにそのまま竿先を持ち上げて、リールを早めに巻きまくると、なんだこれはという強烈な抵抗が伝わってきた。あれ、フグってこんなにパワフルだっけ?あ、もしかしてショウサイフグじゃなくてアカメフグ?いやいやまさかのトラフグなんじゃないの?とかいいながらアカエイだったらどうしよう…なんて考えながら糸が緩まないように巻き続ける。
一発目から筋肉痛になるんじゃないかという引きを見せたのは……ナイスサイズのウマヅラハギでございました。なるほど、この固い皮を貫くとは、F1カットウ、やるじゃないか。そういえば4年前はイナダからスタートだったっけ。そう考えると、まあどっこどっこいかな。
ウマヅラハギも広い意味ではフグの仲間。そしてウマヅラもフグヅラも似たようなもんなので、きっと近くにフグもいるはずと思いながら仕掛けを入れ直すと、しばらくしてまた強烈な引きがやってきた!
これはさっきのウマヅラと比較しても引けを取らない強力さ。この大きさのフグだったら、1匹で終わっても夕飯はバッチリ。まだ鍋には早いから、フグ刺しと唐揚げがいいかなーなんて思いながら抜きあげたその魚は……
はい、またウマヅラハギでした。そりゃさっきのウマヅラと勝るとも劣らない引きを見せた訳ですね。せっかくなので血抜きをしてクーラーにしまっておきましょうか。
空合わせを入れながらリズムをとりましょう
ショウサイフグのカットウ釣りは、フグと人間との真剣勝負。エサをついばむシグナルが道糸を通じて竿先にあらわれたら、その瞬間に仕掛けを持ち上げてフグを掛けるという釣りだ。テレビでよくやっている万引きGメンみたいだけど。
船の上から海底のフグが見える訳ではないので、1.5メートル先にある穂先をじっと睨みつつ、竿を持つ手に神経を集中し続ける訳ですよ。これがなかなか緊張感あふれる戦いで、しばらくすると肩が凝り固まってしまい、肝心のアタリがあった時に、うわっと驚いて合わせを見送ってしまいがち。
そこで船長からのアドバイスが、「軽く空合わせを入れる」ということ。空合わせというのは、アタリの有無にかかわらず合わせを入れることなのだが、フグ釣りではこの空合わせが肝心なのだとか。
その真相を多くを語らない船長だが、言葉の意味を勝手に推測してみると、もちろん空合わせをすることで、気づかないうちに寄ってきたフグが釣れる場合があるということが一つ。この日はエサの減りがそれほどでもなかったが、活性の高い日は気が付いたらエサが全部なくなっていたなんてこともある釣りだ。
そしてもう一つは、空合わせが野球でいうところのピッチング練習や牽制球の役割をして、肩の力が抜けて、本番の合わせがうまくいくという効果が大きいのではないだろうか。適度に空合わせを入れることで、自分の中にリズムができていく気がする。
さらにいえば「軽く」というのが大切で、バッシンバッシンと強烈な空合わせをしまくったら魚が逃げてしまうけれど、軽く仕掛けを上下させることでエサが目立ち、フグを寄せるという効果があるのかもしれない。
そんな訳で空合わせを入れつつ、じーっとフグのアタリを待っていると、船や波の動きとはちょっとだけ違う穂先の揺れを感じたような気がした。本当に微妙。なんとなくっていうやつですよ。
反射的に極力軽く、ねこじゃらしで猫をあやすかの如き合わせを入れると、ズンというしっかりとした手ごたえ。これこれこれ。これこそきっと。次こそはー。
どうやらフグの活性もボチボチとあがってきたようで、海の様子は荒れ模様ながら、ポツポツとフグが釣れ出した。
さすがに入れ食いという訳ではないけれど、飽きない程度にはアタリがあり、そしてそのうちの何割掛けられるかが勝負となる、個人的には一番好きな展開である。まあ気が付かないアタリというのが、その何倍もあるんだろうけれど。
いやー、フグ釣り、楽しいわ。
湾フグ用の竿に変えてみよう
現在使っているアナゴ用と思われる竿でも十分釣れているのだが、両隣が外房なのに湾フグ用の竿で楽しそうにやっているので、私も持参した湾フグ用の竿でやってみることにした。リールもPE1号を巻いたやつに戻す。
湾フグと外房におけるフグ釣りの一番大きな違いは、使用するオモリの重さである。前者が10号前後なのに対し、後者は25号と私の計算が確かならば2.5倍も重いのだ。これは水深の違いや海の荒れっぷりの違いからくるものだと思われるが、オモリの重さが違えば当然竿の具合も変わってくる。
25号の重さに対応すべく、外房用の竿の方が丈夫にできているのだが、湾フグ用の竿だってでっかいアカメフグが釣れても折れない程度の丈夫さはある。いっちょ自己責任でやってみようじゃないですか。
ゼロテンション状態を保った釣りであれば、竿はまっすぐの状態になるので問題ないが、この日はそこそこの荒れ模様。オモリを底から浮かせた状態で待つ宙釣りでは、穂先がグニャンと曲がってしまうようだ。まあ、そりゃそうか。
しかし、だからといってアタリがとれないかというとそんなことはなく、曲がった穂先がまるでヘラブナ釣りの浮子のように感じられ、これはこれで釣りやすいような気もする。そういえば、合わせの強さもヘラブナ釣りをイメージするとちょうどいいかもね。まあヘラはちゃんとやったことないんだけどさ。
何回かのアタリっぽい動きを見逃しながら、どうにか竿の柔らかさに慣れてきたところで、仕掛けを沈めている途中で仕掛けが浮き上がる謎のアタリが到来。巻き上げるとビビビッとくる泳ぎが達者な魚の手ごたえ。これってイカ釣りとかアカムツ釣りでよくある展開ですね。
なんだろなーっと思ったらー!
フグのカットウ釣りでサバが釣れるなんて初体験。しかし、サバの暴れっぷりでも動じない竿ということがよくわかった。あとはこのフニャフニャした穂先の竿とショウサイフグのアタリの関係を体で覚えれば釣れるはず。
しばらく穂先を凝視していると、本当に微妙な間違い探しみたいなアタリ到来。これかなっと思いつつ軽く合わせれば、はい釣れた―。
うん、この竿も楽しい。宙釣りでは曲がりっぱなしの穂先だけど、それでも曲がりながらも様々な情報を私に伝えてくれるので、慣れれば十分アタリがとれる。なんだか本当にヘラブナ釣りみたいな気分。
そして根掛かりとかで無理をしたり、穂先に糸を絡めたり、仕掛けを巻きすぎたりしなければ、やすやすとはれたりはしないようだ。竿に無理させていることには変わりないので、まあ自己責任というやつですが。
釣れることで集中力が高まり、集中力MAX全開バリバリモードになってくると、フグがエサの近くに寄ってきているのも、道糸を通して微妙な違和感としてなんとなく分かるんですよ。ちょっとオカルトっぽいけれど、もはやフグの呼吸音がわかるくらいの勢い。いやそれは言い過ぎか。
合わせの際にオモリが派手に跳ねるような合わせを入れなければ、合わせ損ねてもまたすぐにフグが寄ってくるので、エサさえ残っていれば二度目、三度目のチャンスがあるシステムなのもいい。
湾フグで使用するエビよりもアオヤギはエサの持ちがいいので、釣り初心者には湾フグよりも外房のほうがストレスは少ないかな。そして何度か沖釣りをやったことがあるのであれば、この釣りは挑戦しないともったいないよ。
ショウサイフグの血抜きについて
さてフグを釣りに行ってくるよという話をすると、毒があるのにどうするのっていう話になるのだが、船宿で資格を持った人が捌いて、可食部分だけにしてくれるから問題なし。釣った魚をさばいてくれるサービスなんて、たぶんフグとアナゴだけだ。
釣ったフグは海水を入れたバケツに泳がせておくのが一般的だけど、数を釣るとどうしても酸欠で沖上がりの前にお亡くなりになってしまう場合がある。そうするとフグ自身の血が身に回ってしまいがち。もちろん中毒になるとかならないというレベルの話ではないのだが、見た目も味も落ちてしまうので避けたいところ。
そこでおすすめなのが、釣り場移動の際などにエラをパチンとハサミで切って、バケツの中で泳がせて血を全部流させてしまうこと。それからクーラーに移せばきっとバッチリ。イシモチやカワハギだと思って扱ってあげてください。
後半になってアタリが本格化!
船長曰く、この日は後半になってようやくフグが起き出したそうで、それまでの穂先だけにあらわれる微妙すぎるアタリから、手元にもカツカツと伝わってくるようなハッキリとしたアタリが増えてきて、エサもよくとられるようになってきた。
この日は過ぎ去ったはずの台風の影響が最後まで残り、だんだんと海が荒れ、そして雨まで降ってくるというコンディションだったのだが、フグが釣れていたので全然問題なし。こんな天気だとわかっていたら延期していたので、知らなくてよかった。
雨とはいっても凍えるほどの寒さでもない。風とはいってもアタリがわからないほどでもない。波といっても船酔いするほどでもない。ただし、集中力と体力は通常の倍ほど消費するようで、二日間ぐらい頭と体が使い物にならなかったです。まあ、それくらい楽しかったということですね。
この日の釣果は、なんだかんだで17匹。数としてはそこそこだが、サイズが大きいので大満足。ちなみに竿頭は41匹ということで、個人的な目安である竿頭の半分には届かず。でもまあ4年振りとしては頑張った方ではないでしょうか。
船長からのアドバイスとしては、「餌多めに付ける事と、軽くカラ合わせが大事です!」とのことなので、その言葉を胸に刻んで、ぜひチャレンジしてみてください。
ショウサイフグ、おいしいよ
ショウサイフグはトラフグやアカメフグほど評価は高くないけれど、やっぱりフグなのでうまい魚に間違いなし。ちょっと身に水分が多いので、軽く塩をしてキッチンペーパーなどに包んで冷蔵庫で寝かせたり、刺身にするなら昆布締めとかもいいかもね。青魚なんかよりは、だいぶ日持ちのする魚です。
個人的なおすすめは、ちょっと贅沢な感じもしますが唐揚げですかね。これからの季節なら、もちろん鍋もいいだろうし、もし釣れ過ぎたら干物にして冷凍しちゃってください。ちなみに皮には毒があるので、一応ヒレ酒はNGです。
ということで、とっても楽しいショウサイフグ釣りでした。引っ掛けだからとバカにしてたら、ダメよ、ダメダメ、ダーメ人間ー!(等々に筋肉少女帯で)