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意外と近いよ!大洗からショウサイフグのカットウ釣り/大洗 弘清丸
※掲載終了の「@niftyつり」から2015年6月7日の「ゆるゆる釣り部」釣行記を一部修正して移植しました。茨城方面はあまりいかないのですが、埼玉方面からだと高速道路が混まないので、神奈川方面よりも楽かもしれません。
茨城県の大洗でショウサイフグのカットウ釣りに挑戦!
今年は東京湾のショウサイフグ、いわゆる湾フグが好調みたいですね。釣れている時の湾フグほど楽しい釣りもなかなかないので、じゃあ私もと思ったんだけれど、車が向かった先は茨城県の大洗港。いや、ほら、あれだ、こっち方面のフグもなんだか好調みたいなんですよ。
カットウ釣りだけに様々な葛藤があったのですが、たまにはやったことのない場所で釣るのもいいかなと。今の時期は白子持ちのフグが集まってきているらしいしね。
私は埼玉在住なので、茨城側って千葉側に比べると物理的に遠いんだけど、高速道路がバシっととつながっているので、大洗あたりでも時間的にはだいぶ近いんですね。帰りの渋滞もほとんどないし、なんだか釣り場の選択肢が増えた感じでラッキー、ラッキー、イバラッキー。
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常磐のショウサイフグのタックルと仕掛け
ショウサイフグのカットウ釣りは、オモリ10号くらいの湾フグスタイルと、25号を使う外房スタイルがあるけれど、大洗の弘清丸さんはオモリ30号が標準となる。
タックルは外房用や常磐用として売られているカットウフグ専用竿があればそれがベストだけど、なければ代用として使えそうなのは、カワハギ竿、カレイ竿、あたりですかねレンタルタックルもあるそうなので、最初はそれでもいいかもしれません。
そして外房用のカットウフグ竿を持っていない私が使用するのは、湾フグ用の竿だったりするのです。なんだか登山靴を履いてこいっていわれたのにランニングシューズできちゃうくらい無理がある竿のようだが、やりようによってはこれがけっこう使えるのだ。もちろん竿が折れるというリスクは高いので、マネする必要はもちろんないし、まったくおすすめもしないけれど、まあこんな釣り方もあるんだなというくらいの気持ちで読んでください。
リールは小型のベイトリールで、道糸は2号くらいが標準だけど、まあお好みで。さすがに4号とかになると潮に流されるからNGですが。私はPE1号を巻いた小型ベイトリール。前から憧れていたスマック機能(親指でのちょい巻き機能)とかいうのが付いたリールを買ってみたよ。
道糸の先にはフロロカーボン5号1メートルのリーダーをセットしておく。リーダーがないと仕掛けが絡んだ時に泣きたくなるので必須。食わせるのではなく引っ掛けて釣る釣りなので、リールのドラグはギチギチに締めておく。
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仕掛けはオモリ30号のカットウ仕掛け。釣具屋にいけば様々なタイプが売られているし、船宿でも標準的なカットウ2本針の仕掛けが売られていますよ。オモリの色によって、その日の食いが違うという話もあるので、もし複数買うのであれば、色を変えてみるといいかもしれません。
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そして私の仕掛けはというと、極シンプルな手作り誘導仕掛け。タチウオ用のハリに8号のハリスでカットウ針をぶら下げて、上部に30号の無垢の中通しオモリをセットして感度バッチリの誘導式にしたもの。
外房や常磐ではカットウ針2本が一般的だけど、湾フグが1本なんだから、釣れないことは無いだろうという考えです。2本だとほら、仕掛けが絡んだり、フグが外れなくなったりするイメージがあるんだよね。まあこのあたりもお好みでいいんじゃないでしょうか。最近の市販仕掛けは良くできているから、そんなに絡んだりしないみたいだしね。
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さすがにこれだけだとシンプル過ぎるかなという不安もあるので、ここでチョイ足しアレンジしてみましょうか。
ジャジャーン、ホログラムテープ4色入り。これの好きな色をオモリに巻くことで、一気にドレスアップ!モテ度もアップ!
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この時価10円分くらいのアレンジに、効果がどれだけあるのかはわからないけれど、こういう準備が好きなのよね。
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船宿で用意されているエサはアオヤギの剥き身。これをカットウではなく、オモリのところにある軸の長いハリにたっぷりと付ける。湾フグで使うようなアルゼンチンアカエビや一つテンヤで使った残りのエビとかを持ち込んでいる人もいました。
そして私は船宿のアオヤギに、冷凍庫から怪しくなった状態で発掘されたイカをぶつ切りにしたものを組み合わせてみることにした。フグの活性が高いと、アオヤギやエビだとすぐツンツルテンにされてしまうので(その前にさっさと釣れという話なのだが)、そこにエサ持ちの良いイカを加えることで、2度目、3度目のアタックチャンスが期待できるという作戦だ。
まあこの作戦は、フグの活性が良ければの話なんですけどね!(高度な伏線)
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湾フグ竿で無理矢理釣る常磐フグの釣り方
船長からのアドバイスとしては、「タナは海底で、軽い空合わせをたまに入れるのが大切だっぺ」とのこと。状況や釣り方にもよるが、20秒に一回とかね。弘清丸だけに、ああせいこうせい、いうとかいわないとか。
湾フグ竿でオモリ30号を使う常磐のフグを釣ろうとする場合、オモリを海底に付けて糸を張った上で竿先を曲げない「ゼロテンション」は、東京湾に比べて水深が深く揺れも大きくなりがちな常磐の海ではちょっと難しいので、思い切ってオモリを海底からギリギリ浮かせてしまうスタイルが好み。もちろんおすすめはしないんだけど。宙吊りっていうやつですか。いや、宙釣りなのかな。
それにしても、よくいく千葉の房州弁とは一味もふた味も違う船長の茨城弁になんだか感動だ。日本って、ちょっと場所が変わるだけで、本当に言葉遣いが全然違うよね。いつもと違うエリアの船宿にいくのもたまにはいいなあーと、釣りとは関係ないところで感動したりして。
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穂先がフニャフニャと柔らかい湾フグ竿で、30号のオモリを持ち上げるとどうなるかっていうと、穂先が竿の硬い部分に対して90度くらいまで曲がる訳です。これだとアタリがとりにくいかと思うのだが、これはこれで穂先をヘラブナ釣りのウキに見立てると、なかなかわかりやすかったりするんですよ。おすすめはしませんが!
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そして竿の構え方は、右手でリール部分をしっかりと押さえ、左手でリールの少し先を下からそっと支える訳です。アタリがあったら、右手よりも左手の動きを意識して、竿を救い上げるようにフッと合わせる。コマセシャクリの要領ですね。
右手一本で合わせようとすると、なかなか力がいるし、一瞬反応が遅れたりすけれど、この支える左手で合わせるスタイルだと、まず右腕が疲れないし、柔らかい竿でも合わせが決まるような気がするんですよね。
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そしてこの釣り方で役に立ったのが、憧れていたスマック機能。左手で竿を抑えたまま、クラッチを切ったり、スマックでチョイ巻きしたりして(クラッチを戻すこともできる)、微妙なタナ調整が右手一本でできるんですよね。親指がまあまあ疲れるけど。
もちろんこのスマック機能、なければないでハンドル操作をこまめにすれば事足りるけれど、あればあったで便利なもんです。
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そして竿先にアタリがでたら、軽い感じで即合わせ。もし掛からなかったら、そのままゆっくり竿先を下げて、次のアタリを待つ。激しく合わせてフグを散らさなければ、すぐにまたアタリが出ることが結構あるよ。
そして見事にフグが掛かれば、竿がズーンと重くなるので(これが気持ち良いのよ)、そのまま竿先をしっかりと上げて、走られちゃうとオマツリしちゃうので、一気にリールを巻いてぶっこぬく。
天気がいいけどフグがいないぞ
さて6月7日に大洗港から出航した常磐のカットウフグ。時期的にはそろそろ産卵のためにフグが固まってくる釣りやすい季節らしいんだけど、この日はどうも様子がおかしい。
天気は穏やかなんだけれど、前々日が大雨で、前日がギリギリ出船する程度の強風。表面上はとても釣れそうな感じなのだが、文字通りの水面下では、フグ達のハンガーストライキがはじまっているようだ。
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最初のポイントはほぼアタリがなく、すぐに場所を移動。フグのアタリっていうのがどんなだったか思い出せないくらいに、船の上で何も起きない。お、これってやばい日だったりする?
それでも次のポイントでは、たまーに竿を曲げる人も出てきて、本命であるショウサイフグの顔が見られ始めた。まったく釣れないということでもないようだが、しっかし渋いなー。フグのやる気スイッチ、どこにあるんだろー。
あまりにも釣れないと載せられないから、この記事がカット(ウ)になっちゃうぞ。
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そろそろ私も釣らねばと気合を入れ直し、オモリを海底ギリギリ上でキープする感覚や、左腕での合わせ方など、なんとなく俺流のスタイルが決まってきたところで、空合わせした仕掛けをそーっと下ろしているときに、なんとなく穂先に違和感を感じた。
そこでスッと合わせを入れると、ズシーンとくる気持ちのいい衝撃が待っていた。そうそうそう、フグ釣りってそういえばこんな釣りだった。竿先の角度を上げたままでグリグリとリールを一気に巻き、フグに逃げる隙を与えずにスポーンと抜きあげる。
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うんうんうん、やっぱりショウサイフグは楽しいな。間違え探しみたいな小さいアタリをとらえ、ハンターが引き金を引くような気分で合わせを決め、相手に主導権を渡さずに船上に引っ張り上げる強引なやり取りという一連の流れがスムーズに決まると、とっても気持ちがいのよね。
その強引な巻き上げっぷりは、あたかも町娘の帯を強引にひっぱるお代官様の如し(実際にそういうことはしませんが)。あるいはざるそばを一気にすするような爽快感。これでもう少しアタリが多ければ完璧なのだが。
どうにかポツポツ釣れました
その後もまったくアタリがないということではないけれど、やっぱり前日までの荒れた天気でフグが潜ってしまっている感じ。船長達の無線トークは、今いる自分のポイントのダメ自慢大会みたいになっており、景気のいい話がまったくきこえてこないぞ。「何匹釣れた?」ではなく、「カタは見られた?」という感じ。
それでも他の船からの「今日はもう諦めちゃったよ」という自虐的な言葉に対して、我らの弘清丸船長は、「なにいってんだ、まだ始まったばっかだっぺよ」と、小まめに流し変えてくれるので、ポツリポツリと集中力を切らさない程度にアタリはある。
状況が悪い中で、一匹ずつ丁寧に拾っていくような展開。常磐なのにまるで湾フグみたいな気分なのだが、天気自体は穏やかななので、たまにくるアタリを待つ感じは、のんびりしていて悪くない。そしてそのたまにのアタリがしっかりとれると、これが気持ちいいのよね。しかもサイズはまあまあなので、気持ちよさがしばらくは腕に残ってくれるから飽きないのよ。
この年になると、カロリーの多いものをたくさん食べるよりも、おいしいものを少しずつっていう食事が嬉しいじゃないですか。今日はそんな釣りなのかなー。
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船長の操船技術と気合のおかげか、この船は他の船に比べたら釣れているようで、「まだ船中5匹だっぺよー」なんて無線が聞こえてきたときに、私はどうにか4匹釣っていたりして。
できれば20匹とか釣りたかったけど、今日の感じならツ抜けで10匹釣れれば御の字かなー。
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常磐の海は外道も多彩!
この日はなかなかフグのご機嫌が悪かったが、そのかわりにあまりフグ釣りではみられないような外道がけっこう釣れていた。いつもの外房あたりよりも少し北の海だけあって、外道の顔ぶれもちょっと違う。
北の海の外道、略して北海道である。いやどうだろう。全部表が茶色で腹が白い白身魚だぜ。
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こういう展開のとき、うっかりサメとかエイとか長靴とかを釣ってしまいな私だが、グググーンと私の竿を曲げたのは、うれしいことに立派なマゴチだった。マゴチは私にとって宿命の魚といってもいい存在なのでうれしいぞ。
マゴチは船中で5本くらい上がっており、フグ釣りでこれだけ釣れるんだったら、もしかしたらサイマキを使って専門的に狙ったらおもしろいんじゃないかとも思ったが、それをやると今度は逆にフグの猛攻を受けるんだろうね。釣りって難しいわねー。
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後半にようやくハッスルタイムが到来!
こんな感じでまったりとした時間帯が多かったのだが、それでも後半になると潮が変わったのか、フグのお腹が空いてきたのか、明らかに活性が上向きになり、グーンとアタリも釣果も増えてきた。こうなるとそりゃもう楽しいのである。
アタリが増えてくると、自分のフグ感度も活性化してきて、もやっとした小さいアタリを連続でキャッチできたり、竿先にアタリを感じる前にフグが寄ってくるのが何となくわかったり、もしかしたら俺って釣りが上手になってしまったのかもと思えてしまう瞬間が多々あるのだ。
まさにスターをとったマリオ状態。この感覚を味わうために、ショウサイフグ釣りをやるといっても過言ではないだろう。この釣り、すごい中毒性がある気がする。フグで中毒ってやばそうだけどさ。
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カットウ釣りというと、引っ掛け釣りみたいで邪道なんじゃないかという葛藤を抱いている人も多いかもしれないが、小さなアタリをとって合わせる奥深さは、カワハギやマルイカに通じるものがある気がする。
そんなこんなで終わってみれば、ツ抜けどころか21匹。アレアレいつの間にという感じだが、大器晩成な良い釣りでございました。
天気はいいけど食いが悪いという状況でこれだけ楽しかったので、次は天気も食いも良い一日に当たりますように!そしてフグには当たりませんように(可食部分だけ持ち帰るので当たりようがないけどね)!
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ということで、たまには茨城の海へと足を運ぶのもいいかもしれません。高速道路を使えるので、実はけっこう近いことがわかりました。
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