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アカメフグ狙いの湾フグ釣りへいってみた/浦安 吉野屋
※掲載終了の「@niftyつり」から2012年1月3日の「ゆるゆる釣り部」釣行記を一部修正して移植しました。当時同じサイトで連載していた宮本さんの記事に触発されての釣行です。
宮本さんの記事を参考に初釣りへ
あけましておめでとうございます。って年が明けてからだいぶ日にちが経ちましたが、今回は1月3日にいってきた私の初釣りの話なので、新年のご挨拶から始めてみました。今年もよろしくお願いいたします。
で、初釣りに選んだのは、東京湾のフグ釣り。通称『湾フグ』。年末にアマダイ釣りでいい思いをしたので、悪い意味で調子に乗らないよう年の初めに気を引き締めようと、いきなりボウズ覚悟のマニアックな釣りからスタートしてみた。
なぜ湾フグなのかというと、年末に当サイトに掲載された宮本英彦さんの記事を読んで(現在は非公開)、気分が盛り上がったからに決まっている。
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吉野屋さんでの湾フグ釣りは、すでに何度か体験しており、今回で確か3度目くらい。「引っ掛け釣りなんて…」と敬遠していたのは昔の話。たくさん釣れる釣りではないけれど、小さいアタリを拾うゲーム性の高さにメロメロメロンパンなのである。
メロメロとかいって、他の釣りもやりたい気の多い釣り人なので、実際にいくのは年に1回くらい。だから、釣りも終わるころなって、「なるほど、こういう釣りなんだな」となんとなく理解し、次の釣りまでにすっかり忘れているのがお約束だったりする。あぁ、永遠の素人フィッシング。
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ところで吉野屋というと牛丼の吉野家みたいな名前だなと誰もが思うだろうが、吉野屋のとなりには吉牛ならぬ吉久という船宿もあるよ。
釣れなかったら、吉野家で特盛り食べて帰ろうかな。
記事を見て、みんなも釣りにいきましょうという記事です
今回の記事は、宮本さんの記事に感化されて、自分も釣りに行ったらこうだったよというお話。私も一応記事を書いている側ではあるのですが。
何を伝えたいかというと、記事を読んで釣りにいった気になるだけではなくて、興味をもった釣りがあったら、どんどん船宿にいってくださいねというお誘いだ。
この日は正月三が日の最終日ということもあり、フグ狙いの船は膨れたフグ並みにパンパンの満船。これはちょっと厳しい釣りになるかなと思ったら、急きょ2艘出すことになり、おかげで空いていた右ミヨシに着席することができた。これは新春から縁起がいいかも。
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宮本さんの記事にもあったが、吉野家さんの特徴は釣り方の説明がとにかく丁寧なこと。仕掛けのつなぎ方、エサの付け方、誘い方にアタリの取り方など、出港前に時間をかけてじっくりと教えてくれる。他の船で湾フグをやったことがあっても、このノウハウは聞いておかなともったいないオバケが出る。
宮本さんの記事をしっかり読んだ上で、さらにこの説明を聞けば、湾フグがどんな釣りなのか、しっかりとイメージして釣りに挑める。まあそれが実行できるかは別問題なのだが。
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ちなみに今回は取材ではなく、普通にお客として乗船しており、暇になったら(老後ですな)自分の個人サイトにレポートでも載せようと思っていたプライベートな釣りなのだが、あまりに面白かったので、さっさとここで掲載させていただくことにした次第である。
ショウサイフグではなくアカメフグを狙う
普通、湾フグというとショウサイフグを狙うのが一般的だが、今はアカメフグ(本名はヒガンフグ)のほうが調子いいとうことで、吉野家ではこちらを狙っている。伊勢のお土産といえば赤福、今シーズンの湾フグはアカメフグなのだ。
アカメフグのポイントは根掛かりの多い場所という話なのだが、やってきた場所は、なるほど根掛かりしそうな岸壁だ。
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私が使用する仕掛けは、カットウのみのシンプルなもの。以前は上に食わせ針を3本付けていたのだが、肝心のカットウのアタリが分かりにくくなってしまうので、今は付けてない。食わせ針を使っている人は、一度はずして直接リーダーにカットウをつないでみると、その感度の違いがわかると思う。
ただ、もちろんこれは好みの問題で、カットウよりも食わせのほうがアタリがはっきり出るし、カサゴなどの外道が釣れる確率もアップするのでどちらでも。食わせ針を上手に使って釣る人もいるし、富津のフグ釣りだとカットウ禁止なので、食わせ針だけだったりもする。
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細かい釣り方は宮本さんの記事や吉野屋さんでの説明に譲るが、一応自分なりにざっくりと説明。
まず仕掛けを落とし、竿が水平になったところでゼロテンション(竿先がギリギリ曲がらず、糸が張らず弛まずの状態)になるようにして、ヒョイと上げた竿先をゆっくりゆっくりと下ろして、ゼロテンションとなるところで数秒キープ。そしてまたひょいと竿先を上げて、あとはその繰り返し。合わせは力を抜いて小さくヒョイっと。
船長の話だと、この釣りのコツはどれだけゆっくりと仕掛けを降ろせるか、ということらしいのだが、この日はそこそこ風が吹いていたので、ミヨシはそれなりに上下に揺れている。そのため、海面から竿先の高さを一定にキープするのが難しく、船の揺れを予測して竿先の位置を上下させるという技が必要になる。
船の四隅は有利な場所だというけれど、フグ釣りの場合、ミヨシ側はこういう難しさがあるようだ。
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このポイントは底に貝殻などの障害物がいっぱいあるようで、確かに寝掛かりが多い。寝掛かりを回避するコツとしては、仕掛けが底についている時間(ゼロテンション状態)を短くすることだろうか。イメージとしては、8秒掛けてゆっくり下ろして、底で2秒だけ待つ感じでやるのが、この日は良かったようだ。やっているうちに、下ろす時間が短くなって、底で待つ時間が長くなっちゃうのだけど。いかんいかん。
寝掛かりしたなとおもったら、いきなり強く引っ張らずに、竿先をヒョンヒョンと上下させてテンションを掛けたり抜いたりするとはずれてくれる場合がある。このあたりは中乗りさんが詳しいので、寝掛かりしたらご相談を。
ひとつ注意点は、寝掛かりを外しているときに弛んだ道糸がガイドに絡むことがよくあり、この状態で強く煽ったり、リールを巻いたりすると、あっさり竿先が折れて絶望感に襲われることになる。私も早々にやりそうになった。
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仕掛けのハリスが極太なので、根掛かりで切れるときは、PEラインとリーダーと接続部分が多いので、船の上でも道糸とリーダーを素早く結べるとベター。
この釣りでのリーダーの役割は、カットウの仕掛けが道糸に絡まないようにというする(PEライン直結だと、仕掛けと道糸が絡みやすくてほどけにくい)ものなので、長さは1メートルもあれば十分。竿よりリーダーの方が短いから、チチワ同士でつないだり、小型サルカンでつないじゃってもいいと思う。
基本をちゃんとやれば、ちゃんと釣れる…はず
アカメフグ釣りは昨年別の船宿でやって、左トモ二番目で1匹という「ゼロじゃなくてよかった!」というものだったので、正直釣れるか不安だったのだが、この日は宮本さんの記事と船長からの説明を自分の中で組み立て直し、実際にやりながら微調整したマイルールを守ることで、トータル6匹のアカメフグを釣ることに成功。
3匹釣れればバンザイだと思っていたので、セルフダブルスコア達成なのだけど、あきらかな合わせ損ないが結構あったので、自分の腕がもう少し良ければ、二ケタ釣れたかもという感じ。集中力が高まってハイになってくると、フグの寄ってきた気配が竿先の動きで感じられるよう(な気がするよう)になってきて楽しいのだ。
この日はそんなに釣れている様子でもなかったので、「もしかしたら竿頭?」なんて思ったのだが、竿頭は左トモ二番目の方で、ダントツの16匹。場所が四隅じゃなくても、腕があれば十二分に釣れるということだ。
以下、実釣の流れをダイレクトでご紹介。
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と、こんな感じの釣りでした。実際にやってみて感じたポイントをいくつかあげてみましょうか。
・竿はやっぱり湾フグ専用が有利
・道糸は1号以下が流されにくく釣りやすいのでオススメ
・ゼロテンションを保つために細かいタナ合わせが必要なので、スピニングよりも両軸リール
・仕掛けはエサの大きさと、ハリスの長さのバランスが大切なので、まずは船宿仕掛けがオススメ
・カットウは針先が丸くなってくるので、鋭い新しいものを常に使いたい(船でも買えます)
・エビは3パックくらい使う(船でも買えます)
・アタリをとるのは、波の揺れとは違う穂先の動きを見つける、間違い探し早押しクイズみたいなイメージ
・アタリがわからなくても、底からヒュっと上げた時に掛かることが結構あるので、竿の上げ下げの量に釣果は比例する
・フグを掛けた時のズシっとした重量感が最高(ゴミと間違えがちだが)
・大物が掛ったら、中乗りさんをすぐに呼んで、網で確実にすくってもらう
・釣れたらずっとタルに入れて生かしておくのではなく、すぐクーラーの氷水に入れるのが吉野家のオススメ
・湾フグ釣りは、普通の釣りとはまったく別の競技だと思った方がいい
記事を書く側と釣りをする側には、技量や道具やその他諸事情の違いがあるし、天候や魚の活性によっても状況は変わってくる。やっぱり実際に釣りに行くと、記事で読むだけでは体験できないことだらけで、そこが一番おもしろところだったりするなとあらためて実感。
映画のラストシーンは毎回同じだけれど、釣りは100回いけば100通りの体験ができる遊びなので、どんどん釣りにいくのがオススメですかね。
湾フグ釣り、ぜんぜんゆるくないし、アタリがないと修行のような釣りになってしまうけれど、「アタリをとって掛ける」という点では、他にない釣りなので、ハマる人は絶対にハマると思います!
私は湾フグにうっすらハマりつつ、他の癒し系、労働系、美食系の釣りも並行してやるという感じですかね。
アカメフグは寝かして食べる
釣ったアカメフグは、フグ処理免許のある人の手によって食べられる部分だけにしてもらえるので、毒を心配する必要なし。家でウロコや内臓を取ったりすることもないので、台所を汚さずに料理ができるのがフグ釣りの一番いいところかも。
ただ、ひとつ注意する点は、アカメフグは旨みが出てくるのが遅く、刺身で食べる場合は、三日から一週間くらい置いた方がいいといわれている。保存方法は、軽く洗ってからキッチンペーパーにくるんで(できれば毎日変える)チルドルームへ。
釣ってすぐに刺身にすると、気持ちいい歯ごたえは楽しめるけれど、肝心の旨みは少ない。長く寝かすと身が柔らかくなってきて、旨みがたっぷりと回ってくる。
まあこの辺りは好みの問題なので、自分のベストタイミングを見極めてください。
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ということで、記事を読んで気になったら、どんどん釣りにいきましょうという話でした。
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