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一日の釣りで二度楽しい!冬のタチウオ&アジのリレー船/久里浜 黒川丸

※掲載終了の「@niftyつり」から2015年12月22日の「ゆるゆる釣り部」釣行記を一部修正して移植しました。タチウオとアジのおいしいリレー船です。冬のタチウオは太くていいですね。


久里浜からタチウオ&アジのリレー船

2016年、あけましておめでとうございます。

なんて挨拶をしつつですね、今年最初の記事は2015年の釣り収めのレポートで恐縮です。ということで紹介するのは久里浜の黒川丸(黒川本家)。釣りものはタチウオとアジのリレーで、20011年1月にまったく同じ船宿、同じ釣りものをやっているんですよね。あれから5年も経ったのか―。そりゃ体脂肪も増える訳だー。

さてあの頃から大きく変わった点といえば、私の経年劣化は置いておいて、冬のタチウオ釣りにもライト化の波が訪れたことですかね。前は黒川丸でも冬場はビシアジと同じタックルで釣る人が多かったけれど、今はPE3号以下を巻いた小型電動と少し軽いオモリでやるのが主流のようです。

ところで2015年の流行語大賞が「トリプルスリー」だったので、いっちょ私も目指してみましょうか。なにをもってトリプルスリーとするかは表現の自由ということで、今回は一応タチウオ3本、アジ30センチオーバー、そして朝3時起きっていうことでどうですかね。

お久しぶりの黒川丸さん。金沢八景じゃなくて久里浜ですよ。
前日の釣果によると、なかなか釣れているようですな。
船着き場が船宿からけっこう離れているのでご注意を。
ここの船着き場、まわりが火星基地みたいで好きなんですよね。

レンタルのノーマルタックルでも楽しめます

冬のタチウオ釣りは夏に比べれば難しい印象があるかもしれないが、釣れているタイミングなら挑戦し甲斐のあるターゲット(どんな釣りもそうですが)。そこで船釣り歴がまだ浅い友人にオールレンタルで挑んでいただくことにした。彼は夏のタチウオなら手巻きでやったことがあるけれど、冬の深場は初体験とのこと。

船宿で借りたレンタルタックルはPE4号の電動リールとビシアジ竿の組み合わせ。私が使うのはPE1号を巻いた小型電動リールのタックル。ノーマルタックルとライトタックルが隣り合うことになるのだが、道糸の太さに合わせたオモリの重さが船長から指示されるため、オマツリが多発するということはないようだ。もちろん多少はありますけどね。

オールレンタルのKさん。めざせ3本。
何度か登場してくれているDさんも友人を引き連れて緊急参戦。手に持っているのは秘密兵器の「アジをクーラーに入れる用の網」だそうです。

タチウオ釣りの仕掛けとエサの付け方

タチウオ釣りの仕掛けは、片テンビンにオモリをぶら下げた一本針という超シンプルなもの。この日のオモリの重さはPE2号以下なら80号、3号は100号、4号は120号との指示でした。

ライトでもノーマルでも、オモリ以外は基本的に同じものを使用。ハリスは6~8号を2メートル、ハリはタチウオ専用で2/0か3/0と書かれた大きめがおすすめ。ハリの結び目を保護するパイプの有無やテンビンの形状などはお好みで。

アマダイ用に購入したライトタックル用天秤でやってみます。
ハリスは6号、ハリは大物狙いで3/0にしてみました。
タチウオは歯が鋭いので、蛍光チューブで保護してみました。つけると食いが悪くなるという人もいますね。
船宿仕掛けはハリス6号2メートル、ハリ2/0(保護チューブ有)の一本針。船上でも船長から買えますよ。

付けエサはサバの切り身で、これを縫い刺しにする。ハリを刺すのは身からでも皮からでも、背からでも腹からでもお好みで。コツはとにかく中心線に沿ってまっすぐつけることで、上手に付ければ海中での動きが滑らかとなり、タチウオの食いが断然よくなるよ。

エサはサバの切り身。おかわり有り。
船長は背側の身側から刺す派のようです。
ハリを刺したらくるっと回してもう一度刺す。
サバをこきあげてもう一度刺したら、まっすぐ伸ばしてセット完成。

タチウオの誘いから取り込みまで

タチウオの釣り方は人によって様々だが、指示されたタナの範囲で下から誘い上げていくというのが基本となる。たとえば船長から「底から15メートル」とアナウンスがあれば、仕掛けをまず底まで落として、とりあえずハリス分巻き上げて、竿の動きで誘いながらリールを巻いていき、15メートル上げてアタリがなければ、また底まで落とすという繰り返し。

以下、船長の誘い方を一例としてご紹介。これを基本として考えて、その日の活性にあった誘いのリズムを探してください。前アタリと呼ばれるカツカツっとエサにかじりつくアタリを出してから、グーンと竿先が絞り込まれる本アタリを出すのが難しくも楽しいところなんですよ。

タチウオは大物ほどエサの追いが悪く、特に冬場は前アタリのあとに掛けるまでが難しいそうです。そして本アタリのあとに合わせが遅れると、鋭い歯でハリスを切られることも多いのでご注意を。

まず竿先を下げて構える。
スッと竿先を上げて誘ったら、竿先を下に戻しながらそのぶんリールを巻く。この繰り返しで誘い上げていく。
コツコツという小さいアタリが出たら、そのタナでエサをフワフワと動かして本アタリを待つ。止めずに誘い上げ続けた方が良い場合もある。なんでも一概には言えないのがタチウオ釣りの難しさ。
本アタリが来たら、竿先をしっかりと持ち上げて合わせる。もし外れてもエサが付いていればまた食ってくる可能性あり。アタリがあったタナを覚えておいて、次はそこを集中して攻めよう。
取り込みはテンビンが見えるまで巻き、竿を立ててテンビンを掴み、ハリスを持って一気に引っこ抜く。
水面でハリスがゆるむとバレやすいので、テンションを感じながら抜きあげよう。

とまあこんな感じですが、黒川丸にいけば船長が手取り足取り教えてくれるので、初めての方は少し早めに着くようにしてレクチャーを受けてください。

メーターオーバーのタチウオが連発!

さてここからは実釣編。結論を先に言うと、隣でやっていたレンタルタックルのKさんが9本、そして自前のライトタックルで挑んだ私が7本でした。まーけーたー。いや、楽しかったからいいんですけどね。いやでもね、まーけーたー。

なにがあったのかは写真とキャプションで一気にバーンと読んでください。

まーけーたー……

ライトアマダイでも使用した柔らかめの竿とPE1号の電動リールでスタート。
前日にスーパーで見かけた豆アジを下ろしてエサにしてみました。きっと大型の特エサ!
手の形と後ろの船に注目!奇跡のタイミングで五郎丸ポーズを決めるKさん。
この日の水深は70~80メートル。ジギング用の手巻きタックルとかでもいけそうですね。
まずは右隣のDさんにヒット。食い込み重視のヒラメ竿がグイグイ曲がる!
上がってきたのはメートルオーバーのナイスタチウオ!
だけど取り込み失敗でサヨウナラー!秘儀ウォッチアンドリリース!
そして私のアジエサにもヒット。前アタリから本アタリを引き出し、無事に合わせが決まるとすっごく気持ちいい!
勢いよく引き抜きすぎて、未確認飛行物体みたいに飛ぶタチウオ!ドラゴンフライ!
夏なら良型だけど、冬のタチウオとしてはまだまだ小さいかな。
この鋭い歯で指を切らないように、ペンチとフィッシュグリップは必須ですよ。触るだけで皮膚が切れます。
そして左隣のKさんも、前アタリはよくわからなかったといいつつもフッキングに成功。
抜きあがったのは冬らしい堂々としたタチウオ!
竿が柔らかすぎてエサを動かしにくく感じたので、後半戦用のビシアジ竿にチェンジ。
クイクイとシャープな誘いでナイスサイズをゲット!
いくらチューブをしていても、切られるときは簡単に切られるんですよねー。実際3回も切られたよ。
肉厚な指4本サイズ。でも曙だったら3本かな。
そしてKさんは船長に教わった基本を守って順調に大型連発。でかいなー。
112センチのホームランサイズ!
「ちょっとクーラーに入りきらないなー」ってそれ小さすぎるでしょ!(私のクーラーに入れました)
今日の菓子パンはナイススティック!
アジは背骨がある分硬いので、持ちがいいけど食い込みが悪いかな?
アタリが減ったところでパイプなしのサバエサに切り替えてみたよ。
そしたらすぐにアタリ到来!しかも大型!でも切られた!チューブを付けるかどうかは永遠の課題ですねー。
そしてDさんはなぜか小型のイシモチをゲット。
さらに冬らしくないサンマサイズのタチウオ……
「きっとこれが特エサだ!」とタチウオの尻尾をエサにしてみたり。
Dさんのお友達も大型を釣っていましたよ。
イエーイ!ナイスタチウオ!
もちろんDさんもちゃんと釣っていましたよ。タチウオの尻尾エサはアタリなしだったそうですが。
そして私も納得のサイズをゲット!
喉を切って海水を入れたバケツで血抜きしてからクーラーへ。

ということで、この日の私は前アタリがあっても本アタリを引き出すのがヘタクソで、ハリを飲まれてハリスを切られることも多く、無事に釣り上げられる割合が3割以下という感じ。打率低いわ―。次はワイヤーのハリスを使ってみようかなー。

エサをサバかアジか、竿は柔らかめか硬めか、ハリスにパイプを付けるべきか、誘いのテンポはどれくらいかと、中途半端な知識をフル動員して迷いまくった結果、船長から教わった基本を忠実に守ったビギナーのKさんのほうが釣れたという「釣りあるある」の結果になった感じですかね。

とはいえメーターオーバーの良型が中心なので、7本も釣れれば十分満足。でももうちょっとうまくやれば15本くらい釣れたよなー。ちなみに9本釣ったKさんは、最初は3本釣れれば御の字と言っていたけれど、「ツ抜けまでもうちょっとだったのにー!」と悔しがっておりました。

冬はサイズがでかいんですよねー。

さて今シーズンのタチウオですが、まだまだ水温が高めなので1月いっぱいくらいは余裕で楽しめるのではとのことでした。2月以降も釣れ続けている間は出船するそうなので、ぜひ暇を作ってチャレンジしてみてください。冬のタチウオは夏とは違った魅力がありますよ。

脂の乗ったタチウオの炙り。これがうまいんですよ。
シンプルな塩焼きもぜひ食べておくんなまし。
タチウオの骨でダシをとったラーメンを作ったのもうまかった。

後半戦はビシアジ釣り

さあ前半戦のタチウオ釣りをたっぷりと楽しんだ後は、後半戦のビシアジ釣り。最近流行りの30号とか40号のビシ(コマセカゴとオモリが一体になった道具)を使うライトタックルではなく、オーソドックスな130号ビシを使ったアジ釣りである。

このビシアジ釣りは道糸がPE4号前後と太くなるので、タチウオをライトタックルでやる場合は別途タックルの用意が必要なのでご注意を。なければPE4号の電動リールセットを借りましょう。あえて手巻きでもいいかもね。

ちなみに前半戦、後半戦と書きましたけど、時間の配分としては8:2くらいでタチウオの方が長いです。あっという間のアジ釣りでしたが、これくらいが集中できてちょうどいいかもね。アジ釣りをもっとやりたいよという人は、アジ専門船もでているのでそちらをどうぞ。

移動の間に爆睡してしまい、アジ釣りが始まったのに気が付かなかった私。

私の使った道具は、ビシアジ専用竿とPE4号の電動リール。片テンビンに船宿から借りたビシをぶらさげ、大物対策にクッションゴムをつけてみた。ただライトタックルと違って太めの糸と硬めの竿を使うので、小さいアジとか外道のトラギスが掛かった時に、クッションゴムがあると吸収しすぎてアタリがわかりにくいかもなーという感じ。

クッションゴムを付けるかどうかは、タチウオ釣りにおける蛍光チューブと同じく迷ってしまうポイントですね。

ビシは受付のときに借りましょう。レンタル代は無料ですが、無くすと実費として1500円のお支払い(伏線です)。
船宿の仕掛けはハリス2号2メートルの3本バリ。
コマセはイワシのミンチ。ギュウギュウに詰めないで八分目くらいが出やすいです。
エサはアオイソメとアカタン。まあお好みで。
どっちがより釣れるかは謎ですが、違うエサを交互につけておくと、どれがどのハリかわかりやすいですね。って伝わりますかね。
ハリが3つあるので、磁石を付けたステンレス板を用意してハリを固定しておくと絡みを防止。
Dさんはカワハギ釣りとかで使うマグネット板を使っていました。

ビシアジの基本的であろう釣り方

アジは基本的に底付近を泳いでいるので、指示されるタナ(ビシの位置)は海底から2メートル前後。まず仕掛けを底まで落とし、道糸がなるべくまっすぐになるように糸ふけをとったら、軽くコマセを出しながらビシを底から指示棚まで上げて待つ。

しばらく待ってアタリが無ければ、竿を降ってコマセを出して(一度底をとりなおして下から撒くのもいいですね)、それでもアタリが無ければ回収するという感じですかね。

そういえばビシアジって久しぶりかも。

アタリがあったら追い食いをさせる場合はそのまま待って、適当なタイミングで巻き上げる。そしてタチウオの取り込みと同じように天秤を掴んで、ハリスを手で持って抜きあげるのだが、タチウオ以上にポロリあり。アジは口が切れやすいので、大型だったらできればタモを使うと安全。ただし仕掛けが網に絡んでイラッとするかもね。

コツというほどじゃないですけど、こまめにコマセを入れ直すこと、仕掛けが絡んでいないこと、タナがずれていないこと、この辺りをちゃんと守ればそこそこ釣れると思います。仕掛けが絡んだら無理にほどこうとせずにさっさと新しい仕掛けに交換。ヘロヘロになった仕掛けじゃ釣れないし時間がもったいないですからね。

短時間ながら大型を釣ることに成功!

この日の釣り場は高級アジで有名な走水。その名の通りに潮が速いので、ビシの軽いライトタックルではなかなか攻められない一級ポイント。数はそこそこでいいから30センチオーバーの良型を釣ってみたいかな。

さあリレー船のアジ釣りは短期決戦。移動の合間に一眠りして体力を充電したところで、走水のうまいアジを釣ってやりましょうかね。

ということで写真とキャプションでお楽しみください。涙を拭くハンカチを用意した方がいいかもしれませんよ。しくしくしく……

アジ釣りを開始してから2投目、コマセが効いてきたのか大型のダブル!
と思ったらイシモチのダブルでした。これもうまい魚なのでいいんだけどね。
その後は順調にアジが掛かるようになったけど、ちょっと小さいかなー。
1匹掛かってからちょっと我慢することでトリプルも達成!これが俺のトリプルアクセルやー!
「重いオモリは苦手だ~」といいながらも順調に数を伸ばすDさん。
「前にビシアジをやったときは手巻きで死にそうだったけど、電動だから楽!」とKさん。
顔が隠れてしまうほどの大型もボチボチと釣れ出した。

さあさあアジフライにするくらいのアジが釣れたところで、そろそろ良型の刺身サイズが釣りたいところ。大きさを選んで釣ることはできないんだけれど、おまじない程度にエサを大きめにしてビッグサイズが釣れろと念じていると、今までとはレベルの違うアタリが到来。レベルが違うんですよ、レベルが。

こりゃ追い食いを待っている場合じゃないなと竿を優しく持ち上げて聞きアワセをすると、ググググとハリス2号の細仕掛けが引っ張られる。おっとっと。あー、切れる、切れちゃう、切れないでー。

切れないで―!やべー、たのしー!

おっとっと、わったった、おっほっほと、魚とのやりとりを楽しみ、少しずつ巻き上げていく。この引きなら軽く30センチオーバーだろう。いや走水なら憧れの40センチオーバーかも。

2号のハリスが切れないように丁寧にやりとりをしていたのだが、グーンと一気に走られたところでフッと軽くなってしまった。あー切られた―。いやでもハリスが切れたにしては軽すぎる。あれあれあれ。

あー、道糸が切れてるー!

ガーン。

魚に引っ張られて2号のハリスではなくて4号の道糸が切れるっていうのは普通ありえないんだけど、心当たりがあるんですよね。この電動リールを買ったのが2010年の8月で、それから5年以上が経つんだけど、一回も糸を巻き替えてないんですよねー。テヘペロ。そりゃ糸も劣化しますよねー。

いやー、いつか交換しなければと思いつつも、先延ばしにしていたのが悪かったなー。せめて糸の先端10メートルは小まめに切ってあげるべきだったよねー。さようならー、大きなアジとテンビンと借り物のビシとクッションゴム。あー……

後悔先に立たず。このレポートを反面教師として皆様にはしっかり道具の確認をしていただくとして、船長から変わりのビシを借りて再挑戦。まだ心は折れていませんよ。

するとまたもや大物がヒット。今度は道糸もハリスも切れずにナイスサイズのアジをゲット。走水らしい筋肉質かつ脂の乗ったナイスプロポーション!いやでも道糸が切れた時のほうが大型だったよなー……

なんて後悔もありましたが、そんなこんなで大型2匹と8匹を釣って納竿。前半戦のタチウオと合わせて30リットルのクーラーボックスは満タン。ビシアジ釣り、久しぶりにやったけれど楽しいなー。次はアジ専門でやってもいいかなー。

安心してください!釣れてます!
短時間だったけど楽しかった!
堂々の38センチ!道糸が切れても諦めないでよかった!
走水のアジ、冷蔵庫でちょっと寝かせて旨味を出してから刺身で食べると最高。
小型はシソと天麩羅で。実は小型こそ刺身でうまいっていう説もありますよ。
イシモチは中華風に清蒸で。

ということで、タチウオとアジのリレー釣りを堪能させていただきました。一つの獲物じゃ満足しないベテランにも、いろんな釣りをやってみたいという初心者にもおすすめです!


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