理念とモラルと経営と
福岡県にある老舗高級旅館が、大浴場のお湯の取り換えを「年2回」しか実施せず、基準値の3700倍以上のレジオネラ属菌が検出されて、様々なメディアやネットでも掲載されてます。
循環型の場合は、最低週1回のお湯の取り換えが求められているとの事です。
擁護するつもりはありませんが、コロナの緊急事態宣言やコロナ自粛で客足が遠のき、従業員の給料や経営が厳しくなり、コストを抑える為に手抜きをしたのでは?と推測してしまいました。
また、有名な老舗旅館という知名度で、最初は「客足が戻れば、元のやり方に戻そう」と思っていたけど、思っていた以上のコストダウンになった事で、いつの間にか『バレなければ大丈夫』と徐々に利益至上主義に変わってしまったのかな?
結局、不正がバレた時には、今回みたいに同業者を巻き込む大騒動になります。
売上が激減するならまだしも、今の時代はSNSやネットなど世論の力による「更なる大ダメージ」が追加されます。
理由はどうあれ、『バレなければ大丈夫!』たった1つの過ちで、老舗としての歴史が「一瞬にして終わる」可能性もゼロではないです。
更に、報道の加熱で「他の旅館は大丈夫なのか?」と、みんなが疑心暗鬼になればなるほど、客足は遠のき旅館業界は大ダメージを受けます。
今回の件で、他の旅館業者も自社の検査をより厳しくしたり、従業員たちの肉体的負担、精神的な負担も増えるかもしれません。
でも、これは氷山の一角かもしれない。
旅館を守る為に「不正」や「手抜き」をした経営者は他にもいるかもしれません。
ただ、今回の事件で「一定の期間は安全」になると思います。
人間は忘れる生き物です。
この事件が風化した時、経営者の気が緩んだ時、経営が厳しくなった時に、安易なコストカット、コストダウンで、同じような事件が起こる可能性もゼロではありません。
やはり、これからの時代は「目に見えない部分をしっかりやる」、「誰も見ていない所だからこそ手抜きをしない」という信念と経営理念が必要です。
これは、旅館に限った事ではありません。
どの業者でも、業界でも、一部を除いて苦戦しています。
苦しいからこそ、理念や信念の基盤が大事です。
私も業種こそ違えど、対岸の火事とは思わずに、見えない部分をしっかりします!
どんな時も気を抜かず、気持ちを引き締めます。